警視庁特殊能力係シリーズ(徳永潤一郎と麻生瞬)、です。


特能の人数が増えることに!

瞬間記憶を持つ瞬の加入で見当たり捜査の実績が上がったからなのか(その点は定かではありませんが)一人増員となりました。


名前は「大原海」、驚異的な映像記憶能力を持ち関西弁で話す茶髪のチャラ男(そう見える)。その能力は瞬とは違いページを捲るだけで全てを記憶するという。ただ、持続は1日。その点が瞬とは違う。そして、何より疑問に思われたのが、今までその能力に気が付かなかったのか?ということ。瞬も入庁するまで自分の能力には気づいておらず、みんな自分と同じように記憶すると思っていたというからその点は何とも言えませんが、徳永は…


大原はムードメーカーでもあり、明るい。そして細かい事にもよく気がつく。そして、何よりもその能力で14年間逃亡していた殺人犯を逮捕することができました。幹部はもちろん喜ぶし、徳永も。3人でこれからも頑張っていこうとなりましたが、瞬は焦りの気持ち(大原が来て以降、成果がない)から、徳永に禁じられている単独の見当たり捜査を行おうとして、他署の刑事(徳永とは旧知)に見咎められ、いつもの店で話すことに(新宿二丁目の主と呼ばれているミトモの店)。


少しは吹っ切れて、新たに頑張ろうと決意して見当たり捜査に出た瞬が見た光景…大原が、いかにも、な男と話す姿でした。気になってしかたがない瞬は調べることに…


徳永の杞憂、大原が自分の能力に気付いたのは…そこから、何があったのか…大原自身が語りました。ちょっとした、が、周り回って今…彼の目の前に現れたのでした。それが…瞬の見た、あの男でした…


短い期間で大原は特能を、そして警察を去ることになりました。彼のおかげで指名手配犯、3名を逮捕することが出来きましたが…

大原には警察官としての「自覚」が備わっていないと徳永は判断しました。自分の能力を正義のために役立てたいという気持ち、警察官になりたいという夢が真実でもあっても、警察官としての「自覚」がなければ駄目だと。警察官なら、の行動が大原にはとれなかった…



私は会社で経理をしていましたが(森若さんみたいに)、お金をお金と思わない、というのが経理です。お金と思わないから何か、を考えることはないです。殆どの人はそうだと思いますが、稀にこれを考える人がいるから犯罪が生まれます。

瞬も自分の瞬間記憶を見当たり捜査以外に使うことは考えない。でも、大原は?そこが違いました。たとえ過去の出来事であったとしても、特殊な能力を持った者は自覚が大切。能力によって多くの人と同じ風景が見えない孤独に耐えることも必要だと思います。


大原は退職しましたが、3人の関係は良好です!



短いストーリーの中に考えることが多かった1冊でした。ちなみに、大原は沖縄で元気にサトウキビ畑で働いてます!





世界が平和でありますように…