後半はカレンさんと西さんが結婚されてからのエピソードになります。
30歳代後半でフランス人の年上のジャーナリストの女性と結婚すると言われたら…息子がもしそうなったら…
驚くと同時に「ありがとう!」というかも。亡くなった伯父がそうでした(従兄弟はかなり年下のボリビアの女性と結婚)。最後が一人でないならそれでいいと言ってたそうです。西さんのご両親様も安心されたのではないでしょうか。 
独身時代のカレンさんは和太鼓、コンサート、歌舞伎と楽しまれていました。


結婚されて子供を保育園に預けて正社員としてフルタイムで働くカレンさん、その忙しさに、
日本は「良い母親」でないといけないプレッシャーが大きすぎるわ!
と嘆かれます。ヤマザキマリさんも同じことを言われ、そこから抜け出したのが久山葉子さんでした。でも、ジゼル・デュラン教授によれば20年以上前はもっとだったと。読めば母親が言ってたようなって感じでした。だけどあの頃はキャラ弁はなかったはずだから、まだまだ日本はプレッシャーが大きいかも知れません。それでもそういう先輩ママ達が少しずつ変えて次世代へリレーされていると思います。

お子さんを連れてフランスへ里帰りされたカレンさん一家ですが…
トイレ問題に遭遇。フランスは公衆トイレが少ないそうです。比べて日本のトイレ事情は、と。高速道路のSAのトイレはすごいなぁと毎回思います。生花が必ずいけてあるし、冬は温水で手を洗えるし、コートをかける小さなフックの重要性を年末の帰省で認識しました。ある所とない所がありました。誰が決めるのかしら?と。
自販機のコーヒーも毎回進化しています。


そして、記憶に新しいフランスのデモ。イエローベスト運動。これはガソリン税を巡ってのデモでした。カレンさんと西さんがデモとストについて話し合われています(日本では特定の人しかしないし必ず警察が側にいます)。こういうこと、日本で家庭で話し合うことなんてほぼないので参考になります。
カレンさんは、デモは支持をしますが暴力行為は大反対ですと。このデモも最初は平和的な運動だったそうです。刺激的な場面ばかり放送されるのでそんなふうには見えなくなっていますが。
お二人のお話しから真実が見えてくると思います。
 

そんななかでの帰省は…
なかなか…
長男七央君は、パリきたない、メトロくさい、あぶない、こわい、フランス人はしんごうをまもらない
カレンさん、フランス、マジで疲れる!
これはやはり自分の今暮らす家が1番いいってことではないかな、って思います。


今回読んでいて1番胸に詰まったのがカレンさんのお仕事でした。通信社勤務のカレンさんは東日本大震災のときに何をされていたか。
大阪に住む私達は長周期地震動で長い時間の揺れで恐怖を覚え(静かに長く揺れるのと大阪北部地震のようにドンと来て終わる、のでは恐怖の度合いとか長さが違います)、テレビの画面から流れる津波の映像をただ見ていました。それしか、することがありませんでした。なので日本に住む外国人に対して各国が帰国を促していることも知りませんでした。後になってそんなことになっていたの?でした。

マスメディアは読者に伝わりやすいように単純化したり言葉を短くしたりするので、誤報や誤解を呼び込みます。「FUKUSHIMA」は地震も津波もひっくるめたものになってしまいました。明らかな誤用です。これは後々響きます。 
1度に改善されることはなく少しずつです。
(最近はイギリスのジョンソン首相が福島の桃のジュースを飲んでくださったり、2020年に行ってみたい場所に福島県をガーディアン紙が選出しました)
カレンさんは「海外のメディアは日本に関して不正確なひどいニュースを出しています。私は怒っています。」とハッキリ言われたカレンさんでした。専門家のレクチャーをちゃんと受けているというカレンさんに、日本のジャーナリストはどうなんだろうと。日本各地でも意識にはかなりの差がありました。海外ではもっとだろうとは思いますが当時の政府(民主党)は何をしていたんだろうと思うのです。

真っ暗で街灯もつかない東京の風景…
あの夏、京都に行きましたが外国人は誰もいませんでした…
カレンさんは「本当に悲しい」と。
私は「寂しいね」って。

 
海外に向けての正しい日本発の報道をカレンさんはされていたのだと知って、とても感動しました。


2019年
40代後半になったカレンさん、二人の息子さん達と一緒に新しい体験を重ねて行くのが楽しみと書かれていました。


結婚されてからはアイラインがなくなっていたカレンさんでした。


いろいろと学べる1冊で、カレンさんてすごいなぁって思ったのでした。


Pray  for  Japan



途中、カレンさんが日本語修得の難しさを言われる場面があって、そうかぁと。ある程度、話されるとこちら側は全部理解できて意思疎通ができてると思ってしまいますが実はそうではないと。
速さ、間合い、言い回しで日本語は受け取る意味合いが違ってくるので、こちらがどう受け取っているのかを判断するのは外国人の方は難しいのだということをあらためて気づきました。
それと、受け取る日本人の読解能力にも差があるので外国人の方はますます混乱。それに日本人は間違いを指摘したり訂正することを即座にはあまりしないので。いつも勉強というカレンさんに頭が下がります。
(書きながら翻訳の大変さを思い、年末からいろいろあった東方神起のファンの方々も昨日のユノ、チャンミンの直接の言葉をどう感じられたのだろうかと。日本人は間合いを、文章になれば行間を読みます。2人の気持ちを読み取れたらと思います。言の葉を紡ぐのはとても難しい…そう思います)