古墳に全く興味はないけれど、浅見さんのためならとだんな様にお願いして古墳を巡りました。

ナビを頼りでも迷う私達でしたが…

最初は茨木市の「茶臼山古墳」これが分からない。どこ〜?  の私達。しかし、たどり着く前に見たものがすごかった。
キョロキョロしていると「猛犬注意」がたくさん出ている。何だろうと思ってみたら、

え?…
これは個人の家?と私が訊けば、だんな様もそうみたいだね、と。

というか家が見えないんだけど…
正確に言えば猛犬を放し飼いにしているという事のようでした。
家がどこにあるかわからないほど広いお屋敷を見たのは久しぶり。小学校の役員をしていた時に一緒にした方が地元の名刺の奥様というかお嬢様で、門から家が遥か先に見えました。でも彼女にとってはこの家がとても重荷なのだと言われていました。そんな事を話される彼女の心が実はとても心配でした。

まぁ何とか「見た」事にして、次は京大の地震研究所と阿武山古墳へ。

どこまで行くのこれ?と思うほど道が狭くてクネクネ曲がりながら上へ上へと向かって行きました。途中に薬科大学がありましたが、本当にあるの?と思うほど。すると、頂上というか高槻市内が見渡せる位置まで登りきった場所に京大の地震研究所はありました。何か烏しかいなくて不気味。で、阿武山古墳は?と探すと、

え?
ここからまだ先?
この奥?
歩き?
……
山の中だよね?
だんな様、帰ろう。雨降ってるし、で来た事にしました。

最後は今城塚古墳です。
浅見さんもやって来た「今城塚古代歴史館」に行って来ましたが大変立派な施設でした。高槻市がどれだけ力を入れているか分かります。キョロキョロしてると声をかけてくださった方が館内を説明されているボランティアの男性で詳しく教えてくださいました。
当日は雨模様で館内に入る前に今城塚古墳公園を一周して来たのですが、とにかく広くて自然が一杯で土、水そして真ん中にあるのが古墳。余分なものは一切ないといった感じでした。ここの散歩を日課にして牛馬童子の首を見つけたのも頷けるわけですが、毎日通う地元民でないと難しいかなぁという印象でした。
その発見された場所は茶褐色の素焼きの埴輪で再現された祭祀場なのですが、その言われを説明してもらうと何か複雑なものを感じました。そこに秘められた思いというものに。
天皇陛下が退位されるという事で様々な問題が提起されました。この二つの「継体天皇陵」もとても興味深い内容で「歴史」というものの持つ意味は底知れないと思いました。
内田先生が『孤道』を執筆され始めた頃は天皇陛下の退位の報道はなかったはずなので、つくづく事件が先生を追いかけるのだなあと思ったのです。作品中に書かれてある内容だけでも興味深いものです。説明を聞いたから尚更です。場所はちょっと便利とは言えませんがお薦めの場所です。

私達が行った事にした阿武山古墳についても教えてもらいました。X線写真の骨折の跡の事やそれを裏付けるものがある事。藤原鎌足と言われる理由。でも一度開けたものをそのまま閉まって何もしていないわけだから中はどうなってるのかと言われていたのが印象的でした。高松塚古墳の壁画の事があるのでそれは心配だと思います。
今回説明してもらって先人の知恵の偉大さを改めて感じました。古墳の作り方とかどうやって昔の人達は計算していたのだろうとか。武具の大きさからはかなりの身長があったのではないかと推測されると言うのも頷けるのでした。
私としては武具の三角形の模様が気になりました。説明では魔除けではないかと教えてくださいました。

この辺りは大阪でも北摂エリアと呼ばれていて古墳の多い地区なのだと教えてもらいました。今、大阪ではようやく百舌鳥古墳群が世界遺産の登録候補になってもずやんも喜んでいます。
伏見地震も今回初めて知りました。この地震で今城塚古墳もかなり被害があったと思われると言われていました。


三ヶ所巡ってみて古墳に死体はないなぁと。神聖な場所だしと思い、京大の地震研究所なら背後は山だし烏以外の目撃者はいないし、いつから止まっているのかわからない軽自動車があったしと帰りの車の中で思うのでした。
「今城塚古代歴史館」に先生の記事はないかなぁと探してみましたが、休筆宣言の新聞のコピーだけでした。ちょっと残念かしら。

主要参考文献のリストが最後に掲載されていますが、先生の作品の中でこれほど多いものはなかったのではないかと思います。それほどの思い入れがあったということだろうと推測されるこの作品の後継者が誰になるのか。
改めて巨大なテーマだと思いました。書かれる方もその研究内容が古代、戦前、戦後、今そして未来と跨るのでどんな構想を練られるでしょうか。楽しみでもありますが、?って事もあるかもしれないと不安もありの発表を待つ日々になりそうです。


先生が再び執筆活動ができる日が来ることを、心から祈っています。



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