この作品は浅見さんではなくて信濃のコロンボの竹村岩男さんです。
舞台は長野県の戸隠。先生が戦時中住まわれていた所です。少年時代の思い出が散らばっているこの作品は、思い入れが強いと書かれています。
内容としては「怨念」と「復讐」でしょうか。主人公がタキ という名の巫女であった事もミステリアスな要素です。タキはある事件がきっかけとなり精神のバランスを失います。後年、占い師となったタキの前に復讐の相手が現れます。タキは行動を開始します。協力者と共に。それは「鬼女紅葉」の伝説になぞらえられ、連続殺人となります。
竹村警部は大学の教授である立花に着目して捜査を開始しますが、違和感を感じ始め、やがて捜査をおろされます。事件は解決されるのか。
結論から言えば真相は分かっても事件は解決されません。それはあの戦争に対する先生の反骨精神かも知れません。
それにしても、この戸隠周辺には何かありそうな地名が多い事に驚きます。いつか自分の目で見てみたいです。
先生の七作目ですが秀作です。

曇り空
窓の大きさが
私の世界
向こう側の事
いつか知りたい

Pray for Japan