この作品の舞台は多賀城市といわき市で共に被災地です。先生も浅見光彦倶楽部のHP上に心情を吐露されています。被災された地域に住まわれている会員の皆さん、取材でお世話になった方々の安否を心配されています。
執筆のきっかけは多賀城市に住む小学生の女の子からの依頼だそうです。20年前の作品なので現在の事はわかりませんが、故郷の実状にご心痛だと思います。
浅見さんが事件に関心を持ったのは、お正月に浅見家で恒例になっている「カルタ会」に東京都カルタ大会の女王である理絵が参加した事からです。浅見さんは決勝で彼女と対戦し、彼女が得意とする札をお手付きになるよう誘い勝利しました。それは
契りきなかたみに
袖をしぼりつつ末の
松山浪越さじとは
という一枚です。
この事がきっかけとなり、理絵の父親が三年前に末の松山の松の木の下で殺されていた事を知り、残されていた手帳の最後のページには「白波、松山を越ゆ」と書かれてあった事も。
二人は事件解決の為に松山をおとずれます。そこで解決の糸口となる12年前の殺人事件を知り、事件前後に必ずいる「教授と弟子に」興味を持ち接触します。犯人はのパターンです。間違った形の親子愛と表現出来ます。
私はこの作品から東北地方の地名であるとか、カルタの事とかを習いました。松山についても説明がされてます。浪が超えたら歌枕ではなくなる。そんな事が大震災ではおきたんですね。自然の脅威というものを改めて感じました。

青いバラ
君に似合うね
ほんとう?
出会えない色
でも、出会えた

Pray for Japan