これは何だろうと、最初は思いました。DVなのだろうかと。麻由は暴力的な性的嗜好を持つ恋人を受け入れ続けていました。理由は唯一の存在に成りたいから。でも、結果として彼女は精神のバランスを崩してしまう。グチャグチャになってわけが分からなくなってしまう。実家に戻り相談室に通う日々。彼女はDVの被害者となった、そう理解しました。麻由は恋人の言葉(否定し続ける)と暴力に支配され、抜け出せないでいるから。
蛍とは相談室で出会います。彼は閉じ込められた恐怖からのトラウマ克服のために「気休め」に通っていると言います。二人は近づきますが麻由が受け入れられない。頭が真っ白になって叫び続けてしまう。好きだけど触れられない。
蛍に手紙を書き、離れていっても責めないと言う。蛍は向き合えると言う。二人がどうなったかは書かれていない。ただ、時間が必要だという余韻が残された。
私は随分と麻由に気持ちが入ってしまった。私自身が他者との関わりを避けていた時期があったからだと思う。体調不良も重なり外出するときには「倒れちゃダメ。しっかり。大丈夫」と言いきかせてた。そんな時期がすぎて今がある。だから麻由にもそうあって欲しい。人はやはり他者との関わりなくしては生きて行けない。途方もなく時間がかかってもそうあって欲しいと思う。蛍、彼は強い人なのだろうかと思う。何か内面に複雑なものが見え隠れする。でも、麻由を受け入れる男性は真っ直ぐな人より彼のような男性だろうと思う。

昨夜の大きな余震。緊急地震速報の音が嫌でしょうがない。「怖い」の思いが先にたって。東北の地が早く落ち着きますように。

天に月
地に花を見て
佇む
生きる糧となり
命育む

Pray for Japan