広島の大学で殺人事件が起きた時、死体の側には「黄色い砂」がまかれていました。当時は広島に住んでいたので事件の成り行きに興味を持ちつつ、先生は絶対に作品に書くと思ってました。そして入っていたのがこの作品でした。
主な舞台は佐賀県です。「呼子」という町を初めて知りました。朝市で有名で、豊臣秀吉の朝鮮出兵の根拠地でもあった所、こんな知識も入りました。
事件は「陶芸」に纏わるもので、浅見さんは家として古くからの付き合いがある陶芸家の窮地を救う為に事件を解決して行きます。その過程で「黄色い砂」がどう関わって来るのか興味の尽きない話になっています。
感想としては縺れた糸は何処まで行っても縺れたままで、何処かで断ち切る事が 必要だった、でしょうか。悲しい結末を呼子の海がみんなさらってくれるようでした。
佐用姫というのは「松浦佐用姫」の事で悲恋物語のヒロインだそうです。

生きてるのに
透明な心
荒む体
消えていきたいのに
大地が許さない

暖かい日々です。大震災の地の人々がもっと暖かくなりますように。

Pray for Japan