今年の「本屋大賞」の候補作の発表が最近ありまして、その中にこの『PRIZE』が入ってました。読んだのは去年の8月で記憶も朧気になっていますが…感想を…
主役の「天羽カイン」さん、本屋大賞は受賞したのに直木賞が受賞できない。何回か候補にはなるけど、できない。私はどうしても直木賞が欲しい!というテーマでいろんな事を書かれています。発売当時、村山早紀さんや宮部みゆきさんが賞賛されたのを覚えています。読み終えた私の感想、「受賞できないのは…その性格じゃないでしょうか…」と言ってしまいそうでした。そのくらい強烈な印象と個性でした。今はSNSで作家さん自身が日常の生活や食べ物、考え方、趣味嗜好を発表されるので一つの作品を世に放つのにはものすごいエネルギーだな、と実感しています。村山由佳さんご自身は軽井沢でご主人様と猫ちゃん達と穏やかに暮らされてます。執筆に追われてはいらっしゃいますが…今年も次々に新作が発表されています。村山由佳さんはすでに直木賞は受賞されているので、本屋大賞ですね、どうなるでしょう?楽しみです。
直木賞は以前は候補は1回だけだったそうですが今は受賞するまでは何回でも候補になれます。かって「太宰治」が受賞したいと嘆願していたのをこの作品で知りました(残念ながら、ですが)。そして、複数回になったら何が起きたのかというと「該当者なし」です。これは去年ありました。その理由も『PRIZE』を読むと納得できました。それは、この作者の実力はこんなものじゃないだろう。もっと書けるはずだ、となるんだそうです。辻村深月さんと林真理子さんの対談でも同じようなことを言われていました。初めて候補になったとき、辻村深月さんは嬉しかった、と。候補になれただけで満足だったと。林真理子さんはあなたの実力はこんなものじゃない、と思われていたそうです。それが次の候補作になり受賞に繋がったわけですね。審査員の方々も錚々たるメンバーで、発表当日の雰囲気も独特ですし…(知っているかぎりだと、万城目学さん、千早茜さん、今村翔吾さんのエピソードが面白いです。今村先生の落選エピソードも…先生、人力車でしたから。お金が…になられていたそうです)。カインさんの落選は…怖い…編集者さん、大変…
サイン会(私も娘も参加します)のエピソードも…怖い…編集者さんも書店員さんも、大変…「私は天羽カインよ!サイン本がこんな冊数?書店にある私の本、全部持って来て。サインペンは指定していたでしょ!少ない!etc」…書店員の皆さまはとても丁寧に対応してくださいます。が、作家さんのペース、というものがあるので…サイン本の冊数というのはなかなか、なんです。先日、娘が参加したある先生はとっても丁寧で、そして、とっても緊張されていたようで(普段はサイン会はされないので)、この話しを娘にすると、「読んでみようかな」と言ってました。
そんな天羽カインに直木賞を、と女性編集者が担当に。この女性編集者とのあれこれが主に後半の柱になるでしょうか。作家と編集者の関係はどうあるべきか、となったとき彼女の行動には私は疑問でした。おかしいと。天羽カインの熱烈なファンだという女性編集者は彼女の何を見ていたのでしょう?作品を読み尽くしたとまで言う彼女の編集者としての落とし穴…それを知ったときの天羽カインは…そして、直木賞は…
天羽カインがたまたま直木賞の審査員とバッタリ出会い、自分はなぜ受賞できないのか、と詰め寄るシーンがあります。そのときの答えが…秀逸でした。誰が言ったのかなぁ…と想像してしまいました(となるくらい連想される描写があちこちにあります)。
作家と編集者の関係。読み終えたばかりのホロヴィッツの『マーブル館殺人事件』も作家と編集者でした。どこまでを理解し助言し育てるのか。難しい匙加減です。『PRIZE』にも他の作家と編集者が出て来ますがこちらも興味深い関係でした。本を作るというのはどういうことか、携わってくれる人がどれだけいるのか、それだけに昨日知った「小学館」の不祥事には驚きました。読者のことを忘れていないか、と。
最後、天羽カインはスッキリしてました。
今後の活躍が期待できそうです。
暖かくなりました。花粉が飛びまくっているようです。花粉症の方はお大事になさってください。






