ある事件により、番組が劇的に変化した話！

１９８０年代の事件




◎アフタヌーン！



最初に問題です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%88%E5%BE%8C%E3%81%AE%E7%B4%85%E8%8C%B6
「午後の紅茶」にパッケージされている


 

この女性は誰？

これはイギリスの伝統である
アフタヌーンティーを始めた人物

アンナ・ラッセルである。


当時のイギリスでは
照明の発展などで夕食時間が遅くなり、
昼食との間が空き過ぎていた。


そこでお腹が空いたラッセル夫人は
友人を招いて軽食を食していた。


これがアフタヌーンティーの始まりである。



そしてイギリスの紅茶を飲む習慣を
日本にも根付かせようとして作ったのが、

午後の紅茶だ！


そう…アフタヌーンだから
午後の紅茶！



そしてアフタヌーンティーの生みの親なので
アンナ・ラッセルの肖像が…
パッケージされている。



アフタヌーン（afternoon）

ヌーン（noon）つまり昼の後だから

午後となる。


逆に～の前ならビフォー（before）だ。



それ故にこの番組は
自宅をリフォーム前と後を
番組を通じて紹介する内容なので、

ビフォーアフターとなっている。


この番組では…自宅がリフォーム前と後で


劇的に変化する！



それ故に

「劇的ビフォーアフター」！






それはさておき…

午後には…
アフタヌーンには…

ゆっくり過ごしたいものだ。



しかし普通は仕事で忙しく、

ゆっくりした時間を過ごすことなどでできない。




しかしせめて一部の人にでも

ゆっくりとした時間を過ごしてもらいたい。




そういう思いを込めて作り上げられたのが…

この番組だ！



テレビ朝日系列で放送された

アフタヌーンショー！

1965年から1985年まで
20年間に渡って放映された

ワイドショーの草分け。



放映時間は12：00～12：55で
正午から放映されたワイドショーは
この番組が初めてだった。



そして視聴率においても
1982年から始まった
「笑っていいとも」に抜かれるまで


この時間帯トップの座を占めていた。
※一時他番組に抜かれることもあった。




そう…そんな人気番組だったが…
その地位を脅かす事態が起きていた！








1985年10月9日の新聞に以下の記事が載った。
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中学生リンチのＴＶ番組　少女ら３人逮捕
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記事によるとこういうことだ。



先に紹介した老舗のワイドショー番組

アフタヌーンショーで
少年犯罪が放映されていた。


これは夏に行われたバーベキュー。
そこで集まったヤンキーたちが、

「中学生の少女にヤキを入れる」というもの


それがテレビカメラに映っており、
放映されたものだから問題となった。


その動かぬ証拠を元に
警察は暴行をした少女と唆した男性を逮捕した。




ところでその記事の中で…

ヤラセを指摘する部分がある。
テレビ局のヤラセではないか？
というのだ。



しかしテレビ朝日の幹部は…

「そんなことする訳がない」
と全面否定。



そうだよな。

そんなことする訳がないよな。


絶対に…！

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局　　映ってたね
 

局　　確かに映っていた。
 

局　　暴行場面が…。
 

局　　現場に聞くところによると
 

局　　バーベキューの最中に、
 

局　　急に始まった…とか。
 

局　　現地にいたスタッフに聞いても
 

局　　よくわからない…って。
 

局　　どうやら突発的に始まったようで
 

局　　何がなんのやら
 

局　　大体、本人たちもわからないようだし
 

局　　まあ若い時には…
 

局　　そういうこともあるでしょう。
 

局　　そこに居ながら止めなかったというけど
 

局　　我々は望遠で撮っていたので
 

局　　如何ともできなかった。
 

局　　一部ではテレビ局のヤラセ
 

局　　そう訴える向きもあるが
 

局　　そんなことある訳がない。
 

局　　我々は全国民から絶大な信頼を得ている
 

局　　テレビ局だよ！
 

局　　ヤラセなんて
 

局　　やる訳が無いんだ！　　
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若干付け加えているが、

テレビ局は本当にこう言っていた。

ヤラセはない！

バーベキューの取材をしていたら
急にリンチが始まった。


取材陣は遠くから撮っていたので
対応できなかったが、


断じてヤラセではない！




そう断言していた。


この時まで！









◎若干の修正！

ところがその発言があった翌日。

事態が急変する！


何と担当ディレクターに
逮捕状が請求されたのだ。



10月10日の新聞には

ーーーーーーーーーーーーー
ＴＶマンに逮捕状
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となっている。




この時点ではまだ逮捕されていないが、
※逮捕は10月16日

逮捕状が発行されたことに
テレビ局は衝撃を受ける。



そしてアフタヌーンショーの
司会の川崎敬三氏も…

「本人はやってないと言っている」

と発言のトーンを落とした。

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川崎　　やってません
 

川崎　　絶対にやってません
 

川崎　　ヤラセなど…
 

川崎　　問題外です！
 

川崎　　何が悲しくて
 

川崎　　ヤラセなどしなきゃならんのです？
 

川崎　　我々がヤラセなど
 

川崎　　する訳ないでしょ！
 

川崎　　我々はジャーナリストです。
 

川崎　　ジャーナリストは真実を追及する
 

川崎　　我々のスタッフが丹念に取材した
 

川崎　　真実を皆様に伝える
 

川崎　　それ以外のことは考えておりません。
 

川崎　　そう…ジャーナリストは
 

川崎　　真実の使徒です。
 

川崎　　我々がヤラセをしたなどという
 

川崎　　デマが広まっていますが、
 

川崎　　断固抗議します。
 

川崎　　断固！
 

川崎　　…と思っていたのは昨日まで…
 

川崎　　今日からはちょっと違います。
 

川崎　　何と担当ディレクターに対して
 

川崎　　逮捕状が…！
 

川崎　　これには我々もビックリ仰天
 

川崎　　これまで”絶対ない”と言っていたのですが
 

川崎　　チョット変えます。
 

川崎　　本人は「やっていない」
 

川崎　　そう言っています。
 

川崎　　つまり…
 

川崎　　それ以上でも以下でもありません
 

川崎　　以上です
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これも若干変えているが、

大体こんな感じのことを言っている。



前日までは
「断固やっていない」

翌日からは
「本人は”やっていない”と言っている」



まあ逮捕状を請求されたら

ビビるよな！








◎綿密な打ち合わせ！


ところがその翌日、10月11日の新聞には

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事前に綿密な打ち合わせ会
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とあり、実際にはバーベキューの前から
暴行の映像を撮るために
関係者を集めて打ち合わせをしていた。


確かに暴行された
5人の女子中学生は知らなかったが、

それ以外の人たちは担当ディレクターを含めて

みんな知っていた！




うーむ！



最初のテレビ局の話と
全然違うじゃん！
 

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担当　　頼むよ
 

担当　　刺激的な映像を撮りたい
 

担当　　そのためには普通のバーベキューじゃ
 

担当　　ダメだ！
 

担当　　そんなの普通じゃない。
 

担当　　視聴者は刺激を求めている。
 

担当　　そのためには…
 

担当　　過激な映像が必要だ。
 

担当　　だから…
 

担当　　暴行してくれない？
 

担当　　リンチでいいからさぁ
 

担当　　なんか因縁をつけて
 

担当　　ボコボコに…！
 

担当　　大丈夫！
 

担当　　モザイクを入れるし、
 

担当　　ゴタゴタすることは無いから。
 

担当　　大体俺たちはマスコミだ。
 

担当　　ゴタゴタするのは…
 

担当　　俺たちが騒ぐから
 

担当　　例えば自民党の裏金問題だって
 

担当　　俺たちが取り上げなければ
 

担当　　無問題！
 

担当　　取り上げたから問題になった。
 

担当　　そして今回は俺たちがやるので
 

担当　　俺たちも俺たちの仲間も取り上げない。
 

担当　　だからゴタゴタしない！
 

担当　　つまりマスコミが取り上げなければ
 

担当　　問題ない！
 

担当　　俺たちはマスコミだけど
 

担当　　ジャーナリストじゃない。
 

担当　　ＴＶマンだから
 

担当　　演出をするのは
 

担当　　常識だ！
 

担当　　だからこのシナリオ通りに…
 

担当　　リンチをやってくれ！
 

担当　　ＯＫ？
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とは言ってないが、

事前に打ち合わせしていたのは事実だ。



計画的だな！



そして腐ってんな！








◎現場での指示！


さらに10月12日の新聞では…

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現場で「もっとやれ」
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と、ディレクターが
直接指示を出していたことが発覚。



どうやら男性同士の暴行はすぐに始まったが、
女性同士の暴行はなかなか始まらなかった。

と…いうのは男性は被害者も加害者も
事前に了承を得ていたのでスムーズに行われた。


しかし女性は被害者側が話を聞いておらず、
それ故に暴行に発展しなかった。



だから担当ディレクターとしては

暴力を煽ったのだ！




うーむ！



これはヤラセというより、
暴力の教唆じゃないか？



むしろテレビ局が主犯だ！



因みにディレクターの逮捕容疑も
「暴力行為教唆」だ。


そのまんまじゃねーか。

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局　　申し訳ありません
 

局　　ヤラセ事件でお騒がせして
 

局　　申し訳ありません
 

局　　ところで少々お聞き頂きたいのですが、
 

局　　こちらの調べでは
 

局　　ヤラセはありません
 

局　　まず暴行を依頼した事実はなく、
 

局　　それ故にヤラセはありません。
 

局　　我々の厳正な調査によると
 

局　　そうなっております。
 

局　　調査対象は…
 

局　　当該ディレクター
 

局　　”のみ”となっております。
 

局　　言いたいことはわかります。
 

局　　担当ディレクターだけの調査、
 

局　　それでいいのか？
 

局　　そう言いたいのでしょ？
 

局　　確かに他の人たちの証言は別です。
 

局　　暴行をした方もされた方も
 

局　　暴行の現場を撮りたいと依頼があり、
 

局　　それに基づく事前の打ち合わせがあり、
 

局　　現場では担当から指示まであった。
 

局　　そういう証言がある。
 

局　　それも多数！
 

局　　と…いうかほぼ全員！
 

局　　そのように証言している。

局　　そう伺っております。
 

局　　しかしそれは…
 

局　　部外者の証言です。
 

局　　我がテレビ局とは関係ない
 

局　　部外者の証言！
 

局　　それに信用が置けますか？
 

局　　他方、担当ディレクターは
 

局　　我が方のディレクター
 

局　　内部者です。
 

局　　内部と外部のどちらを信用するか？
 

局　　それは自明です。
 

局　　内部です（キリッ）！
 

局　　と…いう訳で厳正なる調査の結果
 

局　　ヤラセはありません！
 

局　　以上です！
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とは全く言ってないし、
事実は謝罪コメントも出したのだが、

「本人は依頼したことはない」

とはこの期に及んでも言っている。


テレビ局も往生際が悪いな！




結局、10月16日には

ディレクターが逮捕！



更にこの番組を放送した

アフタヌーンショーも…


10月18日の放送を持って終了。


10月9日に新聞報道が出てから

たった9日後の終了となった。



この事件で20年間の放送は幕を閉じた。




このヤラセをしたことで…

ヤラセが報道されたことで…


あっさり番組終了。



まさにヤラセの前と後で、


劇的だったな！

これぞ劇的ビフォーアフターだわ！

※この事件に関してはこちらもご覧ください。