1980年代の事件
◎年末年始!
毎日毎日同じ日が続く。
昨日も今日も明日も明後日も
同じような日が続く。
それを歌ったのが、
この歌!
1975年にリリースされた
およげ!たいやきくん
毎日毎日、僕らは鉄板の
上で焼かれていやになっちゃうよ
そう…毎日毎日同じ生活。
同じ毎日が続く昨今。
しかしさすがに今日は違う!
本日は大晦日!
晦日(みそか)とは毎月の月末。
そして年の最後を大晦日(おおみそか)という。
つまり1年の最後…!
この日がいつもと同じ日な訳がない。
そして明日は正月!
大晦日から正月になると
年が明ける!
旧年が終わり、
新年が幕を開ける!
そう言った記念すべき日!
それが大晦日であり、
それが正月なのだ!
つまり大晦日から正月にかけて
旧年の垢を洗い落として、
新たな気持ちで新年を迎える。
そういうことだ!
そして正月と言えば…
1年の計!
1年の計は元旦にあり、と言うが、
元旦とは正月の朝のこと。
「旦」と言う字は
日が昇ることを表している。
つまり正月の朝にこそ
1年の計画を立てるのだ。
そして計画を立てるには
旧年の垢を綺麗に洗い落とす必要がある。
逆に言えば…
旧年中なら垢は洗い落とす必要はない。
もっというと
悪いことは
旧年中にやっておくべきだ。
そしてそういうことを実践した男がいた。
1983年12月31日の新聞に以下の記事が載った。
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説教されて謝った強盗 「金はもらっていく」
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記事によるとこういうことだ。
東京都品川区にあるクリーニング店
その店の2階に住むSさん宅に強盗が入った。
犯人は寝ていたSさんの妻(72)を包丁で脅し
現金を要求した。
犯人は一緒に寝ていた孫3人も
ロープなどで縛り、室内を物色し始めた。
Sさん妻は孫に危害が加えられることを恐れ、
金の在り処を白状した。
「タンスの引出しに20万円がある」
その言葉に男は該当場所を詮索。
そこで20万円を手にした。
そこでSさん妻は男に…
「若い者が二度とこんなことを
やるんじゃないよ!」
と説教をした。
男は
「悪かった。
これからは真面目にやる」
と述べて孫にも謝って出て行った。
うーむ!
なかなか素直な良い奴じゃないか。
しかし…
「金はもらっていく」
といって金を盗んでいった。
うーむ!
腐っている奴だ!
まあ旧年中は汚いことをやってもいいが、
新年からは真面目にやれよ。
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強盗 えっ?
強盗 タンスに20万円?
強盗 確かに俺は「金を出せ」とは言ったが、
強盗 縛られているから
強盗 金を出せない。
強盗 だからこっちで物色しているのに
強盗 タンスの中?
強盗 教えてくれるんだ!
強盗 これは相当ありがたい。
強盗 金を出さないと命は無いぞ。
強盗 そうは言ったものの
強盗 そんな気は1ミリもない
強盗 だから自分で探していたんだけど
強盗 教えてくれた!
強盗 これはラッキーだ!
強盗 おっ、本当にあった。
強盗 よしっ、ゲット!
強盗 えっ?
強盗 真面目に働け?
強盗 そう言えばこの人
強盗 かなり高齢な…
強盗 それも孫と一緒のところを
強盗 強盗に遭うなんて
強盗 ツイてないよな!
強盗 まあ今年ももう終わりだし、
強盗 来年はきっとイイことありますよ。
強盗 それはそうと…
強盗 確かにまじめに働いた方がイイ
強盗 今回はうまくいったけど
強盗 度々そういう訳にはいかないし
強盗 真面目に働けば
強盗 毎月定期的に金が入ってくる。
強盗 そういう意味では…
強盗 一理ある!
強盗 さすが年の功!
強盗 イイこと言うなァ!
強盗 わかりました
強盗 これから真面目に働きます。
強盗 二度としません!
強盗 でも…ね。
強盗 それは次回から!
強盗 今回だけは…
強盗 金をもらっていきます。
強盗 大丈夫!
強盗 あなたの言いつけ通りに
強盗 今後はしませんから
強盗 来年から真面目にやります。
強盗 では…バイバイ!
老人 ・・・・・・・・・・・!
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とは全く言ってないが、
そして強盗したことを謝罪し、
二度としないと誓ったようだが…
金は持っていった!
うーむ!
反省しているのか?していないのか?
よくわからん!
まあ今年は不真面目でも
来年は真面目に働くだろう。
きっと…な!
◎反省の仕方!
ところでこういうことを知っているだろうか?
「意」という字は
「おしはかる」という意味もある。
この漢字は「音」と「心」から成っている。
決して「立」と「日」と「心」ではない。
※白川静「字統」より
相手の「意」をおしはかるには
その声だけではなく、声の調子も含め
「音」で判断するのだ。
つまり「音」とはその言葉だけではなく、
その調子によっても意味が変わってくる。
例えば同じ「バカ」でも…
彼女が言うのと上司が言うのでは
意味が違う!
このように「反省している」と言っても
全く反省していないこともある。
このように!

お前は絶対反省してないだろ!
反省するのはサルでもできるが、
真に反省できるのは人間だけだ!
この強盗の反省とは…
どの程度だ?
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強盗 はいっ、
強盗 わかりました。
強盗 おっしゃる通りです。
強盗 確かに強盗はいけない
強盗 二度としません
強盗 これからは真面目に…
強盗 真面目に働きます。
強盗 本当ですよ。
強盗 本当に本当ですよ。
強盗 本当に本当に本当ですよ。
強盗 私は心を込めて
強盗 反省しています。
強盗 こんな感じじゃなく、
強盗 こんな感じでもなく
強盗 こんな感じで反省しています。
強盗 えっ?
強盗 反省の色が見えない?
強盗 だから反省の色が見えない
強盗 そういう面も含めて
強盗 反省しています。
強盗 この人はそう言っているでしょ?
強盗 つまり反省とは…
強盗 心の問題です。
強盗 しかし…心の問題とは…
強盗 外からは見えません。
強盗 だから反省する人を非難する人も
強盗 相手が本当に反省しているか否かは
強盗 わからないはずです。
強盗 つまり…
強盗 信じてもらう
強盗 それしかありません。
強盗 私を信じてください。
強盗 強盗の私を!
強盗 少なくとも来年からは
強盗 強盗はしません!
強盗 だから今年中は…
強盗 強盗はします。
強盗 だから…
強盗 金はもらいます。
老人 ・・・・・・・・・・・・!
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結局、コイツは反省したといいながら
金は持っていった!
つまり反省は…ゼロだ!
人間言葉だけでは信じられない。
言葉ではなく「音」。
それで心意を知ることができるのだから。
今年の投稿はこれで最後です。
今年もお世話になりました。
また来年も過去の新聞記事をベースにしながら
記事を書いていきたいと思います。
来年もよろしくお願いします。