正しい名称で、誤魔化そうとした話！

１９７０年代の事件

◎正式名称！

ねぇねぇ、お父さん、今度の日曜日
アイルロポダメラノレウカを見に行きたい。

えっ？でも
アイルロポダメラノレウカなら
昨年も見たじゃないか？

でも今年はまだ見ていないよ。

まあ今年は始まったばかりだからな。

でも初日の出や初ガツオなどのように、
初物は日本の文化だよ。

なら初アイルロポダメラノレウカも
やらないと。

そうだな！
でもまだ寒いからなぁ。

何を言っているの。
寒くても初詣は行ったじゃない。

じゃあ初アイルロポダメラノレウカも
寒いうちに行かないと。

そうだな…
じゃあ、行くか？

やったぁー！

微笑ましい親子の会話である。

どうやら子供の意見が通り、
どこかに連れて行ってもらえるようだ。

ところでこの会話には
一つの疑問がある。

それは…

アイルロポダメラノレウカ…って

なんだ？

聞いたことが無いだろう。

多分、ほとんどの日本人にとって
聞いたことが無い。

聞いたことがある人は
特定の業界の人だけだ。

しかし聞いたことが無くても

あなたはアイルロポダメラノレウカを

知っている！

もしかしたら
直接見たこともあるかもしれない。

因みに筆者は見たことがある。

ではアイルロポダメラノレウカとは何か？

それは…

コイツだ！

動物園の人気者
ジャイアントパンダ！

まあ一応、
正式名称はジャイアントパンダなのだが、
学名がアイルロポダメラノレウカという。
　　　（Ailuropoda melanoleuca）

そして生物学者の集まりでは
学名で話すことが多いそうだが、

一般では

全くわからないだろう。

このように正しい名前であるにも関わらず、
人々を惑わすことができる！

例えば新聞のテレビ欄を見て、

出演者に杉本高文と芳賀隆之と書いてあったら、

誰？

ってなるだろう。

しかし皆さんは絶対に

この２人を知っている。

この２人とは
杉本高文がこの人

そして芳賀隆之がこの人だ。

このように正式な名前を言っても
わからないことがある。

それ故に正しい名前で言っていても

誤魔化すことができる！

そういう事件が…以前あった。

1970年2月26日の新聞に以下の記事が載った。

ーーーーーーーーーーーー
この表示わかる？
ーーーーーーーーーーーー

チクロという物質がある。

これは人工甘味料で
1937年にアメリカで発見された。

砂糖の30～50倍という甘さで、
日本でも菓子などに大量に使われていた。

そのチクロは発がん性などの問題があるとして、
日本では1969年11月に禁止となった。

因みにこの発がん性などは
必ずしも明確に論証されておらず、
そのまま使用する国（ヨーロッパなど）もあった。

しかし日本では使用が禁止され、
現在でもその禁止措置は続いている。

そのチクロが日本では

使用が禁止された。

そしてチクロが使われている場合、
その表示を義務付けられていた。

しかし業者はその表示をチクロではなく、
化学名を記載した。

その化学名とは…

サイクラミン酸ナトリウム

チクロなら一般にも浸透しており、
その表記が義務付けられれば

消費者は避けることができる。

しかし化学名なら

わからない。

”サイクラミン酸ナトリウム入り”

って書かれても

わからん！

いくら正式な名前でも
むしろ誤魔化すことに繋がる。

いつの時代でも
悪知恵が働く奴等はいるものだ。

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業者　　チクロの使用禁止

業者　　わかりました

業者　　発がん性の可能性がある以上

業者　　やむをえません。

業者　　我々としては損害ですが、

業者　　消費者第一！

業者　　お客様は神様ですから

業者　　従います。

業者　　えっ？それを表記？

業者　　もちろん従います。

業者　　表記しなければ

業者　　消費者は理解できません。

業者　　なら躊躇うことはない。

業者　　堂々と表記し、

業者　　消費者に注意喚起をしましょう。

業者　　でもここで注意が必要です。

業者　　もちろんチクロを表記するのは

業者　　やぶさかではない。

業者　　しかし誤解を招かないためにも

業者　　正しい表記でなければ…

業者　　消費者に正しく届きません。

業者　　よくいるでしょ。

業者　　朝、奥さんに起こされて

業者　　今何時？って聞いたら、

業者　　7時半って…。

業者　　それで目を覚ましたら

業者　　7時38分だった！

業者　　朝の時間でこの8分は大きい。

業者　　7時半だからゆっくり起きたのに

業者　　7時38分ならそう言え。

業者　　このように正確に伝えなければ

業者　　むしろ消費者に迷惑をかけます。

業者　　そういう意味でチクロではなく、

業者　　正式な化学名で

業者　　サイクラミン酸ナトリウム

業者　　こう表記します。

業者　　チクロといういわば俗称ではなく、

業者　　正式な化学名

業者　　これを表記することこそ

業者　　正直をモットーとする

業者　　我々の覚悟です。

業者　　よろしいですね？

政府　　ダメです！
－－－－－－－－－－－－－－ーーーーーーーー

とは全く言っていないが、

このようなことを本当にやったようだ。

そしてそのためのラベルを1億枚作り、

各業者に送付したそうだ。

誤魔化す気満々だな！

◎経過措置の設定！

ところでこの禁止措置には

疑問がある！

と…いうのも禁止された理由は

発がん性の恐れがあるというもの。

現実には論証されていないようだが、
しかし禁止理由にはなっている。

それ故に使用が禁止されたのだ。

しかしすぐには禁止されていない。

この禁止措置は1969年11月に決定したが、

例えば清涼飲料水は1970年1月から禁止だが、
その他の食品は1970年2月、そして缶詰などは
1970年9月からの禁止となる。

つまりその間は売れるのだ。

これは大量に使われていたため、
ある程度処分する必要があり、
そのためそのような措置が取られたのだが、

その間、普通に売られている。

ラベルに「チクロ添加」と表記すると、
最悪1970年9月まで売れるのだ。

もちろん化学名で…
サイクラミン酸ナトリウムと書くことは
誤魔化しなのだが…、

それ以前に

発がん性物質を即座に規制しないの

大問題じゃないか？

今回のことは
「チクロ表記」だと在庫が捌けないので

サイクラミン酸ナトリウムと書いて
販売しようとしたのだが、

販売すること自体が

問題じゃねーか？

今なら考えられないことだ。

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政府　　チクロに発がん性が疑われたので

政府　　販売禁止にします。

政府　　ガンなったら

政府　　大変だから！

政府　　そこで政府は素早く

政府　　販売禁止にしました。

政府　　国民のため

政府　　素早く対策すること

政府　　それが日本政府の

政府　　モットーです。

政府　　日本国政府は

政府　　国民の国民による

政府　　国民のための政府ですから

政府　　何より国民を第一に

政府　　行動します。

政府　　あの政権とは違って

政府　　国民のことしか考えません。

政府　　発がん性物質は

政府　　一切排除します。

政府　　そのため政府は

政府　　1969年11月に禁止措置をし、

政府　　1970年1月に清涼飲料水を

政府　　その他の食品は2月

政府　　そして缶詰などは

政府　　1970年9月に禁止します。

政府　　えっ？遅い？

政府　　そうでしょうか？

政府　　確かに1969年11月から1970年9月まで

政府　　10ヶ月は売られる！

政府　　つまりその間

政府　　野放しですが…

政府　　それは仕方がありません！

政府　　だって在庫があるから

政府　　在庫があったら

政府　　販売禁止にされたら困るでしょ？

政府　　業者もそうだけど

政府　　政府も困る

政府　　だってその分、

政府　　補償しなければならないから

政府　　つまり補償といっても

政府　　税金だから！

政府　　販売禁止に踏み込むのは

政府　　ちょっとね！

政府　　まあ発がん性物資うといっても

政府　　すぐになる訳じゃないから

政府　　10ヶ月くらい

政府　　大丈夫だよ

政府　　きっとね！
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とは全く言っていないし、

絶対に言わないだろうけど、

本音はそうかもしれない。

まあチクロは結局禁止措置が取られ、

全面的に禁止されたが、

その間に売られていたのだから驚く。

当時の政府は…

何を考えとんじゃー！

業者も業者だが、
政府も政府だな！

今の政府の方が…

ずっとマシだわ！

それはないか？