１９７０年代の事件
◎新入社員の時に習ったこと！
「ちゃんと言いましたよ！」
会社に入ったばかりの時、
クライアントとの会議を設定した。
その際に日時を間違えた。
だが悪いのは自分ではない。
相手が悪かった！
こちらはちゃんと言ったにもかかわらず、
相手は勘違いしていた。
それ故に部長を連れて訪問したにもかかわらず、
相手側は会社におらず、会議は延期となった。
そして冒頭の発言に繋がる。
先輩社員に
「どうして確認しなかったのか？」と言われて、
言った言葉だった。
こっちはちゃんと言ったけど、
向こう側が日程を間違っていた。
そういう意識（事実そうだった）が
そのような反発につながったのだ。
しかしそんな私に先輩社員が言った言葉は…
「聞き手の粗相は言い手の粗相」
相手がちゃんと聞いていないのは
言い手であるおまえにも責任がある。
例えばメモを渡すとか、
言った後に電話で何度か確認すれば
このようなミスは避けられた。
そう…ちゃんと言ったと思っても
うまく伝わっていないことがある。
自分の意思を伝達するとは
簡単なようで難しいものだ。
ところで意思を伝えることは
相手に伝わって欲しいと思ってやるものだが、
物事をハッキリ言えば良いというものではない。
先のケースの場合、
日程はハッキリ言わないといけない。
「11月16日（水）の午後2時です」
そう言わなければ相手にはわからない。
明確にハッキリ言い切る！
それが必要なのだ。
しかし中にはそうでないケースもある。
例えば告白を断る時。
「付き合ってください」
「断る！」
そんな断り方をすれば、
どんな評判が立つかわからない！
「気持ちは嬉しいけど…」
「良いお友達でいましょう」
このように婉曲に断るのが大人というもの。
まあポジティブ思考の男だったら、
「気持ちは嬉しいけど…」
「嬉しいとは脈ありだ」
「良いお友達でいましょう」
「今後発展させれば…」
こんなことを考えるかもしれないが、
普通はいない！
このようにストレートに言わず、
遠回しに言うのが良いケースもある。
つまりストレートに言うべきか？
それとも遠回しに言うべきか？
情報を伝達する時には
それに気を付けなければならない。
それではハッキリ言わなければならない
代表的なケースと何だろう？
それは…
脅迫状だ！
誘拐して身代金を要求する。
爆弾を仕掛けて金銭を要求する。
その時は曖昧な言葉で書いてはいけない。
例えば有名な事件では…
「どくいりきけん たべたらしぬで」
と書いてあった。
何とストレートな！
これぞ脅迫状だ！
このようにハッキリ書かないと、
受け取った方は何が何だか分からない。
それどころか脅迫状とさえ
わからない可能性がある。
脅迫状こそハッキリ書くべき。
脅迫状のセオリーだ！
しかしそのような基本的なことを忘れ、
ハッキリ書かない脅迫状もあった。
1973年11月7日の新聞に以下の記事が載った
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暗号の脅迫状
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記事によるとこういうことだ。
東京にある電気機器販売会社に封書が届いた。
その封書は大阪の消印で、
中には脅迫状が入っていた。
差出人の名はあったが当然偽名だった！
脅迫状には3百万円を要求すること、
断れば支店の一つを爆破すると書かれていた。
驚いた会社は警察に届けた。
ところでこの脅迫状には奇妙なことがあった。
それは脅迫状なのに
暗号で書かれていたのだ。
暗号で？？？？
犯人は何を考えているのだ？
もし暗号が解けなければ、
絶対に金は受け取れないぞ。
それは会社側の責任ではなく、
100％犯人の責任だ！
まあ普通に書かれた脅迫状でも
100％犯人の責任なのだが、
わからない脅迫状を書く意味は
どこにあるんだ？
楽天お買い物マラソン開催！11月4日～11日まで！
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会社 うんっ？
会社 封書が来ている。
会社 大阪の消印か？
会社 差出人は書いてあるが、
会社 この名前は知らないなぁ。
会社 どれどれ中身は…？
会社 えっ？
会社 なんだこれ？
会社 全然読めない！
会社 日本語ではもちろんないし、
会社 英語でも、他の言語でもない。
会社 アルファベットと数字の羅列だ！
会社 まるで暗号のようだが、
会社 会社に暗号を送ってどうする？
会社 差出人の意図はわからないが、
会社 こんなことに関わっている暇はない。
会社 タイムイズマネーというように、
会社 時間は貴重なのだ！
会社 差出人に心当たりはないし、
会社 もちろんクライアントでもない。
会社 なら放っておいても問題はない。
会社 もし必要なら…
会社 向こうから連絡があるだろう。
会社 それまで待とう。
会社 鳴くまで待とうホトトギス
会社 そういう言葉もあるが、
会社 変な封書じゃなく、
会社 ちゃんとした日本語で書くまで
会社 待ってみよう！
犯人 反応ねーなぁ！
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楽天お買い物マラソン開催！11月4日～11日まで！
とは全く言ってないが、
脅迫状を暗号にして送ったのは事実だ。
そして会社を面食らわせたのも…。
しかし…本当に…
何の意味があるんだ？
これで分からなくても、
受け手の粗相とは言えないぞ！
◎解読表付き！
ところでこの脅迫状は
警察に届けられたのだが、
会社側はどうして脅迫状だと分かったのか？
それは…
解読表がついていたからだ。
犯人は解読できないといけないと思ったのか、
暗号文の解読表を付けていた。
暗号はアルファベットと数字で書かれていたが、
アルファベットを数字に、
そして数字をカタカナに置き換えるものだった。
そのために解読表を付けていた。
それに従って会社は解読し、
そこで脅迫状だと知った。
それで警察に届けることになった。
うーむ！
全く意味不明だ。
普通に書けよ！
楽天お買い物マラソン開催！11月4日～11日まで！
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犯人 うん、上出来だ！
犯人 この脅迫状は…
犯人 よくできている！
犯人 送り先は東京の電気機器販売会社
犯人 報道によると、随分儲かっているとか
犯人 社員数700名で、支店数は70。
犯人 そこそこの中堅企業だ。
犯人 ここに脅迫状を送れば
犯人 すぐに金を出すだろう。
犯人 それも大金ではなく、
犯人 たった3百万円ぽっち。
犯人 あまり大金だと驚くだろうが、
犯人 この程度なら問題ない。
犯人 そして脅迫状だけど、
犯人 暗号文にした！
犯人 だって普通に書いたら
犯人 相手もビックリするだろ？
犯人 それだから暗号だ
犯人 暗号解読はすぐにはできない。
犯人 相手は徐々に解読する。
犯人 そうすると少しずつ真相がわかる。
犯人 例えば110番！
犯人 あれは何で110番かわかるか？
犯人 昔のダイヤル式の電話では、
犯人 「１」が一番近くて、「０」が遠い。
犯人 だから「１」を2度回した後、
犯人 「０」を回すと少し時間が空く。
犯人 その間で少し落ち着くことができる。
犯人 警察に連絡する時はパニックになり、
犯人 冷静に伝えることができない。
犯人 そこで最後は「０」になった。
犯人 それと同じで、
犯人 少し落ち着いてもらうために暗号に…！
犯人 でも…解読できないといけないから
犯人 解読表を付けておこう
犯人 これなら解読できるはず。
犯人 俺って優しいなぁ！
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楽天お買い物マラソン開催！11月4日～11日まで！
とは全く言ってないが、
暗号の脅迫状にわざわざ解読表もつけていた。
ところでなぜ暗号の脅迫状にしたのかというと
彼は元私立探偵で、その手の話が好きだった。
それで脅迫状を暗号にした。
因みに彼には前科があり、
そして警察にもその癖が把握されていたので、
あっさり捕まった！
本当にバカだなぁ！
もしかしたら脅迫状を普通に書いていたら、
捕まらなかったかもしれないぞ！
いずれにせよ…
無意味どころか有害だったな！
まあこの犯人の存在そのものが
有害だったけどな！