(グリコ森永事件の陰で)ロッテの大罪! | 最近の古いモノは!

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「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。



1980年代の事件




グリコ森永事件!

未解決事件

解決していない事件だ。

つまり犯人が逮捕、
または判明・発覚などが一切できていない事件


それを解決事件という。

海外ではコールドケースという。




戦後には幾つかの未解決事件がある。

例えば三億円事件

1968年に起きた現金輸送車襲撃事件。
被害総額が約三億円であることからそう言われる。

白バイ隊員に化けた犯人が、
現金輸送車を奪い、そのまま現金とともに消えた。

これは現在でもドラマのネタになる有名事件だ。



また戦後の混乱期に起きた松川事件

1949年に福島県で起きた列車転覆事件
国鉄東北本線でレールが外され、転覆。

そして3名の死者が出た。

この事件は一応容疑者が捕まったが、
その後の裁判で全員無罪となった。

そして現在に至るも犯人は捕まっていない。




この両事件だけではなく、
戦後の未解決事件は多々ある。


その中でも有名な未解決事件は
グリコ森永事件だろう。





グリコ森永事件は1984~85年に起きた
企業への脅迫事件。

犯人グループが毒入りの菓子を店頭に置き、
それをやめる見返りに金銭を要求した。

最初は江崎グリコをターゲットにしたが、
その後は丸大食品森永製菓ハウス食品
不二家駿河屋など次々に脅迫。



最終的には犯人が休止宣言をして、
事件は収束した。


しかし犯人は一切捕まっておらず、
既に迷宮入りが確定している。


実はこのグリコ森永事件に関しては
犯人グループは一切の利益を得ていない

企業側と交渉し、身代金を取ろうとしたが、
結局、何も得ていない。

少なくとも表向きはそうなっている。



ところでこの事件に関連して…
トンデモナイ事件が起きた。



事件が起きたのは同じ食品会社のロッテ


19867月4日の新聞に以下の記事が載った。

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ロッテから3000万円恐喝
ーーーーーーーーーーーーーーーー


記事によるとこういうことだ。


グリコ森永事件が終息(8月12日)して間もない
1985年9月12日 
大手食品会社「ロッテ」に脅迫状が送られた。

脅迫状には
「菓子に毒を入れた」と書かれており、
グリコ森永事件との関連が伺われた。


同社は犯人の要求を受け入れ、
19日に3000万円を指定された口座に振込む。


つまり犯人は
まんまと3000万円をせしめたのだ



しかし事件はそこで終わらない。


これに味を占めた犯人は
翌年6月23日、再度ロッテを脅迫。

今度は5000万円を要求してきた。


度重なる要求にロッテは警察に相談。

そして犯人の要求に従うふりをして、
現金を振り込み、引き出しに来た犯人を
警察が逮捕して事件は解決した。


逮捕されたのは東京都世田谷区に住む
自称ウナギ輸入商の(55)

調べによるとは、
事業拡張の資金が欲しくて犯行に及んだ、とのこと

しかし実際に3000万円は
東南アジアで豪遊して使い果たしたようだ。


これは間違いなく、グリコ森永事件の模倣犯だ。


しかし本家は金がとれないのに、
模倣犯は1回目はうまくいったのか。




これに対してロッテは、

「お客様の犠牲を回避するため、
 金を払った」
と述べた。


ヲイヲイ!

そんなことだから犯人が付け上がるんだろうが。


他の会社は払っていないのに、
警察に届けずに、金を払って誤魔化そうとした。


それが再度の犯行を招いた。


事実、記事の中でも

再犯招いた裏取引」と指摘されている。



また犯人を逮捕した警視庁からは
企業倫理に疑問を呈せられた。


確かに安易な対応は再犯を招いた。
ロッテは猛省すべきだ!
 

 

 


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ロッテ  申し訳ありません。
 

ロッテ  この度は…
 

ロッテ  何と申し上げて良いか
 

ロッテ  お詫びの言葉もありません。
 

ロッテ  それはさておき
 

ロッテ  昨年、1回目の脅迫状が来た時、
 

ロッテ  それはビックリしました
 

ロッテ  まあ世間ではグリコ森永事件が
 

ロッテ  ワイドショーを賑わせていましたし、
 

ロッテ  同じ食品会社として
 

ロッテ  ある程度の覚悟はしていたんですが、
 

ロッテ  本当に来るとビックリしました。
 

ロッテ  まあ脅迫状なんて
 

ロッテ  滅多に貰うものじゃないですから
 

ロッテ  私たちが前後を失ったのも
 

ロッテ  致し方ないですね!
 

ロッテ  そこで対応ですが、
 

ロッテ  社内で検討した結果、
 

ロッテ  金を払うことにしました
 

ロッテ  理由?
 

ロッテ  我々は食品会社です。
 

ロッテ  つまり皆様の口に入るものです。
 

ロッテ  それが万が一、毒が入った菓子を
 

ロッテ  口にすることになったら、
 

ロッテ  大変なことに!
 

ロッテ  それに我が社の顧客は、
 

ロッテ  子供が多いですから、
 

ロッテ  だからお客様を守るため
 

ロッテ  それも子供を守るため、
 

ロッテ  何より私たちの社内での地位を守るため
 

ロッテ  犯人の要求に従いました。
 

ロッテ  皆様のおっしゃることは分かります。
 

ロッテ  わが方の対応が再犯を招いた。
 

ロッテ  最初から警察に相談すればよかった。
 

ロッテ  そう言いたいんでしょ?
 

ロッテ  でもね…。
 

ロッテ  我々にも考えがありました。
 

ロッテ  我々にはデータが無かった。
 

ロッテ  だから1回目は要求に従い、
 

ロッテ  2回目に再度要求があったら、
 

ロッテ  各種データを揃えて、提出しよう。
 

ロッテ  そう考えて準備していました。
 

ロッテ  案の定、2度目の要求が。
 

ロッテ  そこで満を持してデータを揃えて、
 

ロッテ  警察に相談。
 

ロッテ  そして犯人が逮捕された。
 

ロッテ  全てが予定通りです。
 

ロッテ  1回目に要求に従うフリをして、
 

ロッテ  2回目で逮捕する。
 

ロッテ  そういう予定でした。
 

ロッテ  だから…むしろ…
 

ロッテ  褒めてもらいたいですね!
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褒められるかぁ()!


因みにここまでは言っていないが、
これに近いことをロッテは言っている。


ロッテは1回目の判断について

今でも良かったと思っている」と述べた。



どうやらまるでわかっていないようだ!


そしてこのロッテの態度が、
新たな犠牲者を生み出すことになる。






ロッテによる新たな犠牲者!

ロッテの事件はグリコ森永事件と似ているが、
違う部分もあった。

それは1回は恐喝に成功していることだ。

それで3000万円を得ている。


しかしそれに欲張って、
2回目の恐喝をしたから警察に連絡された。


つまり…

1回でやめておけばよかったのだ。


そうすれば完全犯罪となり、
グリコ森永事件以上の未解決事件となっただろう。


逆に言えば、1回目なら警察には届けられない。
企業は泣き寝入りしてくれる。


そう思った男が茨城県にいた。



19867月9日の新聞に以下の記事が載った。

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ロッテ恐喝まねて「一度なら…」
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記事によるとこういうことだ。

県内に住む土建業の(42)
地元のスーパーに脅迫状を送った。

その内容は「商品に農薬を入れる」というものだ。

まさにグリコ森永事件を模倣したものだ。


しかしKはあっさり捕まる。
それはスーパー側が警察に連絡したからだ。


そして逮捕されたKは警察の取調べに対して、

「一度だけなら警察に届けずに応じると思った」

と述べている。



つまりKはグリコ森永事件ではなく、
ロッテの事件を模倣したのだ。

ロッテが一度応じたので、
一度だけなら大丈夫」と思ったようだ。



そう…この人物は被害者だ。

ロッテが裏取引に応じなければ、
彼が脅迫状を送ることは無かった。


ロッテの行動が、彼を犯罪に走らせたのだ。


ロッテよ…恥を知れ!
 

 

 


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被害者  そうか。
 

被害者  1度ならイイのか。
 

被害者  1度だけなら裏取引に応じるのだな。
 

被害者  事実、ロッテがそうだ。
 

被害者  ロッテも一度目は裏取引に応じた。
 

被害者  しかしコイツは欲張って、
 

被害者  2度目の脅迫を行った。
 

被害者  しかも2度目は
 

被害者  金額を増やして要求している。
 

被害者  これはダメだ。
 

被害者  これなら3度目以降のある。
 

被害者  そうロッテも思ったから、
 

被害者  2度あることは3度ある。
 

被害者  そう言う言葉があるくらいだから、
 

被害者  ロッテは危機感を持って、
 

被害者  警察に届けたのだろう。
 

被害者  確かに何度も脅迫されたら
 

被害者  たまったものではない!
 

被害者  そう言う意味では欲張った。
 

被害者  この犯人の失敗だ。
 

被害者  しかし俺は違う
 

被害者  俺は2度目はやらない。
 

被害者  1度目だけで終了する。
 

被害者  それなら成功する。
 

被害者  大体企業の仕事は
 

被害者  犯人探しではない。
 

被害者  儲けることだ。
 

被害者  つまり犯人と駆け引きするより、
 

被害者  少しの金を払って解決する。
 

被害者  そうすることが彼らのためだ。
 

被害者  1度で脅迫を止めて、
 

被害者  2度と問題が起きないなら、
 

被害者  それは必要経費と考え、
 

被害者  警察に届けないだろう。
 

被害者  それから万が一を考え、
 

被害者  金額を抑えて要求しよう。
 

被害者  大手のロッテだから、
 

被害者  3000万円でも応じたが、
 

被害者  地元のスーパーなら、
 

被害者  もう少し値引かないと。
 

被害者  よし
 

被害者  1000万円だ!
 

被害者  これなら応じるぞ。
 

被害者  それに1度だけなら
 

被害者  警察にも届けない。
 

被害者  完璧だ!
 

被害者  早速脅迫しよう!
 

警 察  逮捕だ!
 

被害者  ………………………!
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と…いうことだ。

この男性を犯罪に走らせたのは、

間違いなくロッテのだ!


ロッテが金を払わなければ、
男性が勘違いすることはなった。



そういう意味ではロッテの罪は重い。




ロッテよ!


謝罪しろ!