１９６０年代の事件
◎緊急事態宣言
緊急事態宣言が解除された。
緊急事態宣言の解除とは…
緊急な事態を宣言していたのだが、
それを解除する。
それが緊急事態宣言の解除だ。
ところで何が緊急事態だったのかというと…
新型コロナウィルスの世界的な蔓延だ。
中国から発生した新型コロナ。
その影響は強く、世界中に広がった。
日本ではある程度の感染拡大を抑えたが、
世界中、特に欧米では
未だに多くの被害が起きている。
世界中で500万人以上が感染し、
340万人以上が死亡している（5月26日現在）
その緊急事態が日本を襲った。
それで緊急事態宣言が出されたのだ。
不要不急
外出自粛
社会的距離
これまで言われてこなかった言葉が
日常的に使われるようになった。
アベのマスク
１０万円給付
黒川延長
黒川麻雀
思いもよらない言葉が生まれた。
この中から流行語大賞が生まれることは
間違いないだろう。
ところで緊急事態は解除されたが、
まだ全面的に復旧した訳ではない。
まだ数十人規模だが感染者は出ており、
いつ再発してもおかしくない。
そういう状況だ。
それ故に今後も不要不急の外出は控え、
できる限りで歩かないことが必要だ。
そして政府によると
今月（５月）末くらいまでは、
都道府県をまたぐ移動も自粛するよう促す
とのこと
県をまたぐ移動は自粛するように…
自粛だから必ずしも強制ではない。
しかしなかなか県をまたぐ移動はしにくい。
またいでいいのか悪いのか？
判断は難しいところだ。
これが忖度というのか？
ところでこのような県をまたぐ移動には
色々と難しいことがある。
そして以前にも同じように難しいことがあった。
１９６６年７月１３日の新聞に以下の記事が載った
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沖縄から持ち込みは輸入
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沖縄からの持ち込みは輸入？
どういうことか？
記事によるとこういうことだ。
当時沖縄県はアメリカの施政下にあった。
そのため日本の法律が行き届かず、
色々な面で不自由であった。
その一つに物資の移動があった。
物資を沖縄から本土に移動させる時に
これが輸入かどうかで議論があった。
輸入なら関税上の問題が発生し、
そうでなければ普通の移動となる。
日本政府の方針は
「沖縄は日本の領土」
というものだが、
当時の輸入の解釈は
「外国から持ち込むこと」
となっている。
つまり日本国の領土である沖縄から本土へは
輸入ではなく、国内の移動となる！
そして今回裁判で争われ、最高裁で結論が出た。
今回の最高裁の判決は
これは輸入だ！
というものだった。
これはこれまでの方針を大きく変えた。
因みに関税法では条文の中に、
「沖縄は当分の間、外国とみなす」
と入っているものがあるが、
ほとんどの法律は入っていない。
※薬事法、食品衛生法など。
これまでは各省庁が内規で示していただけで、
まとまった考えはなかった。
今後は全てこの判決が元になって判断される。
沖縄からの物資の移動は
全て輸入である。
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判決 輸入です
判決 これは輸入です
判決 確かに沖縄は日本の領土だ
判決 それは日本政府も認めているし、
判決 アメリカ側も異論はない
判決 しかし問題はそこではない。
判決 施政下にあるか否かが問題だ。
判決 つまりどちらが仕切っているのか？
判決 ほとんどアメリカだろ？
判決 じゃあアメリカだ
判決 領土であるか否かではなく、
判決 何かあった時に対応できるか？
判決 例えば台湾だ。
判決 中国は「台湾は自国領だ」と言っているが
判決 日本人が台湾旅行に行って
判決 何かあった時に中国政府はどうする？
判決 動いてくれるのか？
判決 例えば日本人が誘拐されて、
判決 日本政府が中国政府に要請すると
判決 現地の警察を動かして捜査する？
判決 できないでしょ。
判決 それと一緒なんだよ
判決 沖縄で何かあっても
判決 日本政府は何もできない
判決 結局現地のアメリカ当局に
判決 お願するしかない
判決 じゃあ実質外国じゃん！
判決 じゃあ輸入でイイじゃん。
判決 不要不急？
判決 そういうことは関係ない。
判決 それは今の話で
判決 ６０年代には論点じゃない
判決 不要不急な県をまたぐ移動
判決 そういうことはイイんだ。
判決 不要不急はさておき、
判決 普通に物品を異動させると
判決 沖縄から本土は輸入
判決 俺が決めた！
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と…いうことのようだ。
確かに最高裁が決めたのなら仕方がない。
日本は三権分立だ！
つまり…
「立法」「行政」「司法」の３者は分かれている。
絶対干渉しない訳じゃないが、
普通は干渉しない。
そして「立法」とは法律を作り、
「行政」とはその法律に基づき政をし、
「司法」とは法律に違反しないか判断する。
つまり「司法」が決めたら、
それで決定だ。
沖縄から本土への物資の移動は「輸入」
そう決まったのだ！
◎持ち込まれた物資！
ところでどうして
「輸入」か否かが争われたのかというと、
そこには大きな問題があった。
それは当該物資とは
麻薬だったからだ！
ある人物が沖縄から本土に
麻薬を運び込もうとして捕まった。
そしてこれが輸入に当たるかどうかが、
裁判で争われたのだ。
どうしてこれが重要なのかというと、
輸入と認められると「密輸」になるからだ。
先程の関税法では沖縄からの物資の移動は
「当分の間、輸入とみなす」となっていたので、
それは問題なかった。
しかし関税法では罪が軽い。
だから当局では
麻薬取締法の「密輸入罪」で処罰したかった。
その方が罪が重い。
しかしそれには輸入と認められる必要がある。
だから裁判で争っていた訳だ。
そしてこの度メデタク
輸入と認められた。
メデタシメデタシだ（笑）！
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当局 輸入だろ
当局 絶対輸入だ
当局 だってうちら捜査できないし、
当局 普通、国内なら捜査できる
当局 管轄が違っても上を通して
当局 捜査員を派遣することはできる。
当局 まあ結構ややこしかったりするが
当局 そしてトラブルも多いが、
当局 それでも捜査はできる。
当局 だって国内だもん！
当局 でも沖縄はできない
当局 アメリカの施政下だから
当局 一応、お願いはするが、
当局 ほとんど断られる。
当局 ほらっ、沖縄の米軍基地で
当局 事故が起きても同じでしょ。
当局 あれも日本の警察は捜査できる
当局 しかし米軍の許可がいる
当局 だから一応できることになっているが、
当局 普通許可しない。
当局 それと一緒
当局 話を戻すと
当局 沖縄は日本の施政下じゃない
当局 そこから物資を本土に運ぶと
当局 輸入だ！
当局 そして麻薬を運んだ場合
当局 密輸入になる
当局 どうして密輸入にこだわる？
当局 それは罪の重さが違うから
当局 関税法だと５年以下の懲役
当局 しかし麻薬取締法の密輸入だと
当局 １年以上１０年以下の懲役
当局 だから麻薬取締法の密輸入のためには
当局 輸入と認められないとダメだ。
当局 もちろん麻薬の不法所持罪でも
当局 処罰は可能だよ。
当局 でもそれは両方同じだ。
当局 関税法でも麻薬取締法でも
当局 不法所持罪を加えて処罰できる
当局 じゃあ麻薬取締法の方がいいだろ
当局 だから裁判まで戦って
当局 輸入という勝利を得た。
当局 これからバンバン取り締まれるぞ
栄作 沖縄返還になりました。
当局 ………………………！
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と…いうことのようだ。
沖縄から輸入するのが単なる関税法で処罰するより
麻薬の密輸入で処罰した方が、罪が重い。
それで輸入かどうかを争っていたのか？
しかし現在では当然、この判決の意味は無い。
この判決が出た1966年の6年後には
沖縄返還が行われた。
それでメデタシメデタシだ。
ところで県をまたぐ移動は自粛ということだが、
不要不急な移動は自粛だろうが、
この場合は
どうなんだろうか？
察するにさぞかし、
必要で急ぐ物資の移動だったのだろう。
彼らにとって！
じゃあいいか？
良くないわ（怒）！