1980年代の事件
◎修学旅行の受け入れ先
修学旅行!
色々な思い出がある。
良い思い出や悪い思い出。
あまり覚えていないのが実情だが、
行った場所は覚えている。
東京の学校だったので、
中学生は京都、高校生は北九州
そんなところだ。
ところで修学旅行は受け入れ先の都合も良いとか。
例えば京都などは春や秋などが人気だ。
ところが修学旅行はその期間を外す。
それ故に閑散期に受け入れられるので、
受け入れ先にも都合がイイ。
それから旅館側の作業もそうだ。
大勢が泊って、同じ行動をとって、
同じ食事を用意する
大量に対応するのは大変だが…
個別に対応するよりずっとラクだ。
つまり…
修学旅行は旅館先にも
望ましい客なのだ。
基本的に対応は先生がやってくれる。
それに身元が確かだ。
だから大きな問題がないが…
一つだけ問題がある。
1980年5月9日の新聞に以下の記事が載った
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修学旅行と灰ざら
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そう…喫煙の問題だ!
中学生ならまだしも、
高校生になると喫煙をする。
特に旅先などとなると、
解放的にもなり、悪友の誘いに乗りやすくなる。
「○○君 タバコ吸っているんだ。」
「へぇー、カッコイイ」
こうなって、タバコを吸うことになる。
もちろん違法だ!
未成年の場合、タバコは吸えない。
しかし実際には吸っている。
旅館としては、灰皿を出したいが、
学校の先生からは「やめてくれ」と言われる。
大事なお客様から「ダメ」と言われれば、
灰皿を出すわけにはいかない。
かといって、火事を出すのも怖い。
そういう意味では
板挟みになっているのが実情だ。
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旅館 困りました
旅館 タバコの問題が…
旅館 いえね、吸うのは構わないのですよ。
旅館 まあ本当は未成年ですからダメですが、
旅館 それでも勝手に吸う分にはね。
旅館 私も若いころは吸ったもんですよ。
旅館 それはさておき
旅館 火事の問題がね。
旅館 寝タバコが一番問題で、
旅館 それで困っているんですよ
旅館 先ほど言ったように、
旅館 こっちは吸ってもいいんですよ
旅館 でも…問題が…
旅館 灰皿を出せないんですよ
旅館 高校生に灰皿はダメで、
旅館 黙って出したことがあったんですが、
旅館 先生に怒られまして
旅館 生徒を不良にするのか?って
旅館 そうじゃなくて
旅館 もう不良でしょ!
旅館 そう言いたいが、言えなくて
旅館 火の不始末が怖くて…っていうのですが、
旅館 うちにはタバコを吸う生徒はいない
旅館 そう断言するんですよ
旅館 先生が!
旅館 おるわ!
旅館 事実、帰った後は…
旅館 大量の吸い殻が出てくるんで、
旅館 それも押し入れから
旅館 これじゃー火事になる
旅館 だから灰皿を…と思っているんですが、
旅館 先生はダメだと
旅館 だから…しょうがなく…
旅館 花瓶に花を生けずに、水だけ置いたり、
旅館 前の客の忘れ物のようにして空缶置いたり
旅館 そうやっているんですよ
旅館 努力をしてますが、
旅館 誰もわかってくれない
旅館 こういう苦労も
旅館 知ってもらいたいものですね。
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と…いうことのようだ。
確かに火事になるのは心配だから、
灰皿を出したいが、未成年には出せない。
一応、客商売だから強要はできない。
そういう意味でも
旅館は板挟みだな。
◎もう一つの板挟み!
しかし旅館としてはもう一つ板挟みがあった。
灰皿を出したいが、先生の反対で出せないという
板挟みだけではない、もう一つの板挟みが…。
実は旅館側は…
この実態を消防署に相談した。
灰皿を出して
良いモノかどうか?
消防の回答は…
出すべき!
確かに火事を恐れる消防としては、
火事を出さないことを優先する。
そのため灰皿を出せば、可能性を低くできる。
それ故に…
灰皿を出せ!と回答した。
しかし…そこで「待った」がかかった。
警察から!
そう…警察は犯罪を取り締まるのが仕事。
それ故に少年の非行化には断固反対。
灰皿を出すということは…
喫煙を助長することになる。
つまり違法行為を黙認すること。
消防は「灰皿を出せ」
警察は「灰皿はダメだ」
この板挟みに苦しむことになる。
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消防 灰皿?
消防 出すべきでしょう
消防 火事が怖いですから
消防 だから灰皿を…。
消防 灰皿があっても火事は起きるが、
消防 無ければなおのこと起きる
消防 大体、タバコは火事の原因の一位だ
消防 つまりそれだけヤバいんだ
消防 それが灰皿を出さなければ
消防 どうなることか?
消防 しかも押し入れに捨てているとか
消防 とんでもない実態だ
消防 逆に、よく今まで火事にならなかったな
消防 そっちの方が不思議だ
消防 灰皿はおくべきだ
消防 そういう指導をしていこう
警察 ちょっと待った
警察 それは聞き捨てならない
警察 灰皿を出すだと?
警察 それは不良化を助長する
警察 不良の第一歩はタバコからだ
警察 タバコは違法だ
警察 つまり法を破ることが常態化する
警察 その第一歩がタバコだ
警察 今、警察ではタバコ対策を重視している
警察 つまり少年のタバコを減らせば、
警察 少年の不良化を減らせる
警察 そうすれば、犯罪も減るし
警察 社会の安全も高まる
警察 そのためのタバコ対策だ
警察 それなのに…
警察 それを旅館は破るのか?
警察 少年が不良化してもいいのか
警察 断固反対だ
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こうやって旅館は、
消防と警察の板挟みにあっている。
両者の言い分ももっともだ。
消防は家事を恐れるから灰皿を出せ。
警察は非行化を恐れるから灰皿を出すな。
そして旅館は灰皿を出したいが、
先生が反対するからダメだ。
まさに板挟みだ(笑)!
しかし…
結局、先生が指導すれば
いいんじゃないか?
だって「先生が出すな!」というんだろ。
じゃあしっかり管理しろ。
そして身体検査でもして…
タバコを根絶しておけ!
そうすれば消防も警察も…
そして旅館も問題なくなるのだから。