1980年代の事件
◎イメージが大事
イメージというのは非常に大事である。
かっこいい、かわいい、やさしい、怖い
色々なイメージがある。
実際にはそうではなくても、
そのようなイメージでとらえられることがある。
美人な女優でもウンコをする。
それはみんなわかっている。
でもそれは考えない。
その女優さんのイメージに合わないからだ。
かわいいアイドルでもSEXはする。
いくら恋愛禁止とはいっても、
25歳にもなる女が我慢できるわけがない。
※写真と本文は関係ありません
それがドブスで、
まったく男から相手にされない女ならまだしも
めちゃくちゃカワイイ女なら、
いくらでも男は寄ってくるだろう。
因みに男が寄ってくるから、
アイドルをやっているのだ。
でも…一応建前としては…
彼氏はいません
と言わなければならない。
※写真と本文は関係ありません
そりゃー、
彼氏と毎日ヤリまくっています。
とは言えない。
例えそれが事実でも…。
※写真と本文は関係ありません
1986年
この年は激動の年だった。
前年からアメリカとリビアの間に
緊張が走っていた。
シージャック事件の「アキレ・ラウロ号事件」
爆破事件の「ローマ・ウィーン空港同時爆破事件」
などが起き、その背後にはリビア政府があった。
アメリカはリビアを名指しし、
両国間で緊張が高まっていた。
そしてアメリカはリビアに対して経済制裁し、
1986年3月にはリビアの基地に対して、
ミサイル攻撃をしている。
それに対して、リビア側もテロ事件を起こす。
1986年4月15日には西ベルリンのディスコで
爆破事件を起こす。
このディスコは米軍基地に近く、
実際に米国人の死者が出る。
それに対してアメリカは報復として、
リビアに対して爆撃をした。
このような状況の中で行われるのが、
カンヌ国際映画祭だった。
リビアの空爆が行われている最中、
5月に開幕することになっていた。
しかしこれはテロリストにとっても
格好な標的になり得る。
映画関係者は恐れおののいた。
実際に、欠席を決める関係者もいた。
映画監督のスティーブンスピルバーグと
マーチンスコセッシが両者とも欠席した。
その理由は
テロが怖いから
なかなかストレートでいい。
しかし…そうは言えない人もいた。
映画監督ならイメージは関係ないが、
俳優はそうはいかない。
それもヘタレの役ならそうでもないが、
強いヒーローを演じる人なら
テロが怖いとは言えない。
例えば、この人なんかそうだ。
この映画ランボーは1982年にできた。
その中で彼はベトナム帰りの帰還兵を演じている。
シルベスター・スタローンの中では、
ロッキーと並んで、有名なキャラクターだ。
その彼が
テロが怖くて、
カンヌに行けない
とは言えない。
むしろテロがあるから、
カンヌに行く
というくらいじゃないと、
イメージが損なわれる。
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ランボー 怖いだと?
ランボー この俺が?
ランボー ベトナム帰りの俺が?
ランボー 勲章を受章した俺が?
ランボー そんな訳ないだろう
ランボー むしろ得意分野だ
ランボー テロの現場は戦場だというが
ランボー 俺のホームグラウンドだ
ランボー そこで育ったようなものだ
ランボー トラウトマン大佐に聞いてみろ
ランボー 俺こそ最高の兵士だ…と。
ランボー その俺が怖いだと?
ランボー テロリストが怖いだと?
ランボー ふざけるな
ランボー いつでも行ってやる
ランボー でも…テロリストに言っておく
ランボー 俺以外は狙うな
ランボー 俺は狙ってもいいが
ランボー 他の奴らは素人なんだ
ランボー 巻き込むことはない
ランボー まあテロとは素人を巻き込むものだが
ランボー 今回はプロの俺が行くからいいだろ
ランボー どこからでもこい
ランボー いつでも迎え撃ってやる
スタローン …って言わなきゃならんのか?
スタローン 本当に狙うなよ!
スタローン あくまで演技だから
スタローン テロリストさんよろしく
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とは一言も言っていないが、
ヒーローを演じている俳優は困っただろう。
映画監督とかなら、
テロが怖いから行かない
と言えるが、
俳優には言いにくい。
ましてやランボーなら、
いつでも来い
と言わなければならない。
結構つらい立場だな!
◎そして欠席!
ヨーロッパはテロの本場のようなところがある。
現在でもそうだが、多くの人種がおり、
アラブやアフリカでも陸続きで、
国境管理も甘いのでいくらでも侵入できる。
最近でもヨーロッパでテロが頻発している。
まあアメリカのラスベガスでもあったが、
これは地元の奴のようだ。
テロリストが入ってきて、
テロを起こすのはヨーロッパの方が容易だ。
そんなテロが渦巻く中、
開かれたカンヌ国際映画祭。
渦中のスタローンはどうしたのかというと、
欠席した!
ヲイヲイ!ランボー!
何ヘタレてんだ?
しかしそれも当然だろう。
既に映画スターになっていた俳優を、
そんな危険な場所に出向かせることはできない。
事務所的にもそうだ。
そして
スタローン的にもそうだ。
だって彼は俳優だから。
ランボーは映画のキャラクターで、
実際の彼ではない。
ファンもそれはわかっている。
確かにわかっているのだが、
テロが起きて警察に守られながら、
一目散に逃げるスタローンは見たくないだろう。
イメージが傷つく
ランボーはあくまでランボーなのだ。
これは困った!
じゃあ欠席しよう!
と…いうのが実情だろう。
気持ちは痛いほどわかる
因みに欠席の理由は
スケジュールの都合だった。
嘘つけ!
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スタローン どうしよう
スタローン 出席するべきか?
スタローン でも怖いなぁ
スタローン アメリカ軍人も狙われている
スタローン 俺もアメリカ軍人を演じていた
スタローン じゃあ俺か?
スタローン 俺がターゲットか?
スタローン 確かに俺はアメリカを象徴している
スタローン ロッキーもアメリカンドリームだし
スタローン ランボーは優秀な軍人だ
スタローン じゃあ俺が狙われる?
スタローン でも…これは演技だから
スタローン ロッキーもランボーも
スタローン すべて演技だから
スタローン 普通はわかってくれるのだろうが
スタローン テロリストはどうだろう?
スタローン やはり欠席すべきだな
スタローン それが安全だ
スタローン でも…なんて言おう
スタローン スピルバーグみたいに言えないよ
スタローン 映画監督と違うから
スタローン こちとらイメージがあるから
スタローン ランボーが「テロが怖い」なんて
スタローン いえる訳ない
スタローン どうしよう
スタローン 「スケジュールの都合」にしとこう
スタローン それでいいや
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ま、いいや
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と…考えたのかどうか知らないが、
結局、スケジュールの都合ということで欠席した。
なんか政治家の
いい訳みたいだな
まあロッキーやランボーのシリーズ物で、
それ以外にも監督などもやっていたので
忙しいのは事実だろうが、
取ってつけたように
スケジュールの都合か
ヒーローを演じる俳優も
イメージを守るのは大変のようだ。