女王陛下の危機に、007は来ない! | 最近の古いモノは!

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「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。



1980年代の事件



女王陛下の危機!


女王陛下といえば、


エリザベス・アレクサンドラ・メアリー





一般にはエリザベス女王と言われている。


彼女はエリザベス女王と言われているが、
エリザベス2世というのが正しい。

母親もエリザベスといったため、
混乱を避けるため、エリザベス2世となった。



御年91歳になる。


英国史上最高齢の君主であり、
現在、世界最高齢の君主でもある。


まあエリザベス女王といえば、
世界のVIPである。


当然、それに対する警備は厳しい


例えば、このような警備
常にサポートしている。


このようなエリザベス女王であるから、
姿を見かけるだけでも大変である。


ましてや近づくことなど

とんでもない



しかし市井の一市民でありながら、
エリザベス女王の間近に近づいた人物がいた。


その人物の名はマイケル=フェイガン(31)
4人の子を持つ父親である。



彼はどのように近づいたのか?


19827月11日の新聞に以下の記事が載った。
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女王室へ180m バッキンガム宮殿に侵入
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なんとエリザベス女王が常駐している
バッキンガム宮殿に侵入者がいた。

彼は宮殿に侵入するだけではなく、
エリザベス女王が寝ている寝室の
180m手前までいった。


侵入があったのは9日午前6時ごろ。
まだ女王陛下は寝ている時間だ。

その時に女王陛下の近辺180まで、
不審者が侵入していたのだ。



この不審者の名こそ

マイケル=フェイガン


大事には至らなかったが、
警備は肝を冷やしたことだろう。

 

 

 


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警備  油断しました

 

警備  宮殿に侵入されました
 

警備  まさかこんなことがあろうとは
 

警備  バッキンガム宮殿の歴史に泥を塗りました
 

警備  こんな不祥事前代未聞です。
 

警備  普通、宮殿は城と一緒なので
 

警備  内部に侵入されるだけで負けなのです。
 

警備  それも訓練を積んだ工作員ではなく
 

警備  一市民に
 

警備  ありえません
 

警備  しかし不幸中の幸いです
 

警備  女王の傍には近寄っていませんから。
 

警備  まあ我々の名誉にかけて
 

警備  そんなことは許しません
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まあこんな警備がついているわけだからな








大衆紙のスクープ!

バッキンガム宮殿に侵入されたが、
女王陛下に身に危険はなかった。

それも180手前で阻止した。


そう大本営発表をしていたが、
大衆紙デーリーエクスプレスがスクープを報道。




なんと不審者は女王陛下の寝室まで
入り込んでいたというのだ。




日本の新聞にも7月12日の夕刊に転写される。



それによると、
寝ている女王陛下の枕元まで侵入
起きた女王と10分間話をしたそうだ。


その距離たったの


もちろん寝室には女王と不審者の2人きり



警備は

何をやっていたんだ?


まさかこんなことやっていたんじゃないだろうな?

 

 


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警備  すいません

 

警備  前回の発表は嘘です
 

警備  180mではありません
 

警備  です。
 

警備  女王陛下の2mで阻止しました
 

警備  えっ阻止といわない?
 

警備  まあ、そこは見解の相違ということで
 

警備  それに危害は加えられていません
 

警備  話していただけということです
 

警備  時間ですか?10ほどです
 

警備  10分間、陛下と不審者が2人だけです。
 

警備  危険まあそうともいいますが
 

警備  結果としては何もなかったのですから
 

警備  結果オーライということで
 

警備  なぜ嘘を?そういうつもりじゃ…。
 

警備  でも…結果としては嘘ですね
 

警備  でも外国でもありますよ
 

警備  例えば日本では大本営発表といいます
 

警備  そういえばうちは大英帝国です。
 

警備  つまり大英帝国発表です。
 

警備  ここ…笑うところですから
 

記者  ……………………!
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しかし女王陛下と不審者が
10分間も2人きりでいるとは信じられん。


しかもバッキンガム宮殿の寝室で。


本当に警備

何をやっていたんだ?





と…思ったら、



何とこの侵入は

2度目だった。



マイケル=フェイガン

以前にも侵入していた。



その時も宮殿内に入り、ボトルのワインを飲んで、
そのまま逃亡したようだ。



彼は軽度の不眠症で、夜中に放浪する癖があった。

その際にバッキンガム宮殿に侵入したのだ。



因みに彼の弁護士によると、
結構簡単だったそうだ。







スカスカの警備!

ところで今回のケースは、
ヒューマンエラーも頻発している。


不審者侵入には警察の目撃者がいた
しかし彼の証言はなぜか信用されず。


そして侵入後には

宮殿内の警報が何度も鳴ったが、


作動だろう

ということでチェックしなかった。



さらに女王陛下から連絡をもらったが、
6時には仕事が終わったと警官は離れており
男性の付き人は犬の散歩をしていて留守だった。



犬の散歩…って、おいっ



ワザとやっているのか?


結局どのようにして捕まったのかというと、
女王陛下は落ち着いて、ウィスキーを勧め、
不審者と家族の話をして警戒を解いた。


そして不審者が

「煙草を吸いたい」

と言うので、


「私は吸わないので無いが、持ってこさせる」


と言い、女性の付き人を呼んで連絡したのだ。



警備は全くの

役立たずだった。

 




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警備  申し訳ありません
 

警備  警備は万全だったのです
 

警備  例えば警官は見ていました
 

警備  でも…なぜか信用されませんでした
 

警備  しかも警報機が鳴っていました
 

警備  しかし作動だと思いました
 

警備  さらに陛下からの連絡も
 

警備  ちょうど交代時期で警察がいません
 

警備  こういう偶然が重なって
 

警備  こういうことが起きました
 

警備  あと侍従長室の窓が開いていまして
 

警備  ここから入ったようです
 

警備  まあ鍵がかかっていても
 

警備  簡単に開けられるんですが、
 

警備  つまり気を付けていればいいんです。
 

警備  警官も見ていた
 

警備  警報もなった
 

警備  陛下も連絡した
 

警備  しかし警官が20いても
 

警備  誰も動かなかった
 

警備  彼らが動けるように訓練します
 

警備  それが今後の課題です
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因みに当時はサッチャー政権だが、
アルゼンチンとのフォークランド紛争に勝利し、
サッチャーの支持率は高かった。


そのためサッチャー自身は批判されなかったが、
警備を所管する内務大臣には批判が集中した


特に事実関係を検証するという内相に

「そんな必要はない。すぐやめろ」

と新聞は左右問わず批判的だった。



まあそうだろうな!




因みにこの事件があったのは7月9日。

7月20日にはロンドンで爆弾テロが起きている。

 

 

そこで9人が死亡した。

 

 

 

そんな状況で起きた今回の不祥事

007は

何をやっていたんだ?




もしかしたら海外で任務中だったのかもしれない。

こんな任務かも