1970年代の事件
◎食べたことないのに…!
1971年10月30日の新聞に以下の記事が載った。
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マークレスター君 テレビCM訴える
「食べたこともないチョコを大好きだなんて」
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当時、世界的な人気子役だった。マークレスター君が訴えた。
訴えられたのは「ロッテ」とCM制作会社
その内容は「勝手に映画のシーンを使われてCM制作された」
というものである。
CM制作会社は当時、マークレスター君の来日を手掛けていた。
そのことは契約にうたわれていた。
しかしこの会社は来日を手掛けたことをいいことに、
当時放映されていたマークレスター君主演の映画
「小さな目撃者」の場面を無断使用して、あろうことか
「マークレスター君も大好き」
というセリフまで入れた。
というセリフまで入れた。
これに対して訴訟沙汰になったのだ。
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制作会社 レスター君はうちが招いた。
制作会社 来日中はすべてうちが仕切る。
制作会社 レスター君の行動はすべて管理下にある。
制作会社 来日中の権利はすべてうちにある。
制作会社 そういえば、お菓子のCMの仕事があったな。
制作会社 菓子は子供が好きだ。そうだレスター君を使おう。
制作会社 レスター君の来日中はうちに権利がある。
制作会社 何っ?スケジュールがいっぱい?何言ってんだ!
制作会社 今放映中の映画のシーンを使えばいいだろう。
制作会社 そうすればレスター君を煩わせることもない。
制作会社 もっと頭を使え
制作会社 時間も助かり、金も助かり、良いCMもできる。
制作会社 1石三鳥だ!
制作会社 これが創意工夫というものだ!
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◎業界の慣例!
少しオーバーだが…
本当にこう思っていたようだ!
レスター君側の訴えに対して、制作会社は
「『小さな目撃者』はうちが配給している。上映権を持つ」
と述べている。
上映権を持つのだから、
勝手に使ってもいいと思っていたようだ。
そしてこれは当時の
業界の慣例だったようだ!
それは制作会社がはっきりと主張している。
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制作会社 うちは上映権を持っているんですけど。
制作会社 どこでも上映できるんですけど。
制作会社 それが業界の慣例ですよ。
制作会社 それを訴えるとは…常識ないね外国の方は。
制作会社 郷に入っては郷に従うって言葉知らないの?
制作会社 まあ…イギリス人は知らないか。
制作会社 えっ?「レスター君も大好き」はまずいって?
制作会社 なんで?食べてないから?
制作会社 食べてなくてもいいでしょ。
制作会社 酒のCMでは本当に飲んでいるわけじゃないのよ。
制作会社 白戸家のお父さんも本当にしゃべってないでしょ。
制作会社 常識ですよ。この業界の。
制作会社 素人さんには困ったもんだ!
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◎ロッテの主張
ところでこのCMは成果メーカーロッテのために作られた。
そのロッテは何て言っているのだろうか?
記事の中でロッテは
「知らなかった!」
と述べている。
?????本当か?????
制作会社は業界の慣例といっていたぞ。
じゃあロッテも慣例に従ったんじゃないのか?
もちろん裁判ではロッテに責任なしと出ているが…。
なんか信用できないなぁ!
この事件はマークレスター事件といって、
日本の肖像権侵害の裁判の判例に上がるほど、
その筋では有名な事例です。
そういう面ではロッテと制作会社のやったことは、
日本の司法の前進に貢献したのかもしれない。
しかし業界の慣例(笑)とは
それまではずっとやっていたのか?
本当にどうしようもないバカどもだ。
当時の業界の奴らは!