マークレスター君の困惑! | 最近の古いモノは!

最近の古いモノは!

「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。

 
 
1970年代の事件
 
 
 
 
 

食べたことないのに…!

 
 
 
1971年10月30日の新聞に以下の記事が載った。
 
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マークレスター君 テレビCM訴える
「食べたこともないチョコを大好きだなんて」
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当時、世界的な人気子役だった。マークレスター君が訴えた。
 
訴えられたのはロッテとCM制作会社
 
 
 
その内容は「勝手に映画のシーンを使われてCM制作された」
 
というものである。
 
 
 
マークレスター君は当時13歳。






 
 
CM制作会社は当時、マークレスター君の来日を手掛けていた。
 
そのことは契約にうたわれていた。
 

 
しかしこの会社は来日を手掛けたことをいいことに、
 
当時放映されていたマークレスター君主演の映画
 
「小さな目撃者」の場面を無断使用して、あろうことか


 
マークレスター君大好き


というセリフまで入れた。
 
 
 
これに対して訴訟沙汰になったのだ。




 
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制作会社  レスター君うちが招いた。

制作会社  来日中はすべてうちが仕切る。

制作会社  レスター君の行動はすべて管理下にある。

制作会社  来日中の権利はすべてうちにある。

制作会社  そういえば、お菓子のCMの仕事があったな。

制作会社  菓子は子供が好きだ。そうだレスター君を使おう。

制作会社  レスター君の来日中はうちに権利がある。

制作会社  何っ?スケジュールがいっぱい?何言ってんだ!

制作会社  今放映中の映画のシーンを使えばいいだろう。

制作会社  そうすればレスター君を煩わせることもない。

制作会社  もっと頭を使え

制作会社  時間も助かり、金も助かり、良いCMもできる。

制作会社  1石三鳥だ!

制作会社  これが創意工夫というものだ!
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業界の慣例!

 
 
 

少しオーバーだが…

 
 

本当にこう思っていたようだ!


 
 
レスター君側の訴えに対して、制作会社は
 
 
「『小さな目撃者』はうちが配給している。上映権を持つ
 
 
と述べている。
 
 
 
 
 
上映権を持つのだから、
 
勝手に使ってもいいと思っていたようだ。
 
 
そしてこれは当時の
 
 
業界の慣例だったようだ!
 
 
それは制作会社がはっきりと主張している。


 
 
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制作会社  うちは上映権を持っているんですけど。

制作会社  どこでも上映できるんですけど。

制作会社  それが業界の慣例ですよ。

制作会社  それを訴えるとは…常識ないね外国の方は。

制作会社  郷に入っては郷に従うって言葉知らないの?

制作会社  まあ…イギリス人は知らないか。  

制作会社  えっ?レスター君大好きはまずいって?

制作会社  なんで食べてないから?

制作会社  食べてなくてもいいでしょ。

制作会社  酒のCMでは本当に飲んでいるわけじゃないのよ。

制作会社  白戸家のお父さんも本当にしゃべってないでしょ。

制作会社  常識ですよこの業界の。

制作会社  素人さんには困ったもんだ!
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ロッテの主張

 
 
ところでこのCMは成果メーカーロッテのために作られた。
 
そのロッテ何て言っているのだろうか?
 
 
 
 
記事の中でロッテ
 
 

らなかった!」

 
 
と述べている。
 
 
 
 
 

?????本当か?????

 
 
 
制作会社は業界の慣例といっていたぞ。


 
じゃあロッテ慣例に従ったんじゃないのか?
 
 
 
もちろん裁判ではロッテ責任なしと出ているが…。
 

 

なんか信用できないなぁ!

 
 

 
 
 
この事件はマークレスター事件といって、
 
日本の肖像権侵害の裁判の判例に上がるほど、
 
その筋では有名な事例です。
 
 
 
そういう面ではロッテと制作会社のやったことは、
 
日本の司法の前進に貢献したのかもしれない。
 
 
 
 
 
しかし業界の慣例(笑)とは
 
 

それまではずっとやっていたのか?

 
 
 
 

本当にどうしようもないバカどもだ。

 
 
 

当時の業界は!