【武士の一文(分)】 -6ページ目

【HARD CANDY(ハードキャンディ)】 第105回

今回も映画の

ネタバレ無し総評をさせてもらう。


この作品は

全国ロードショーでは無いと思うので

知らない方も多いであろう。



【HARD CANDY(ハードキャンディ)】


という

2006年劇場公開のアメリカ映画である。




ジャンルは

世の男性を恐怖のズンドコ、いやドン底に叩き落とす

シチュエーションスリラーである。


ネットの出会い系などで女性と遊んだ事のある殿方ならば、尚更のこと恐怖を感じ

一種のトラウマになるんじゃないだろうか

という内容だ。





「OK、会ってもいいよ」

と、

出会い系サイトで知り合った14歳のヘイリーと、32歳のフォトグラファーのジェフ。


可愛いヘイリーに惹きつけられたジェフは、彼女を郊外にある自宅へと誘い込む事に成功。

そして酒を一緒に飲むが意識が朦朧として、倒れてしまう。


やがて意識を取り戻したジェフだったが、おかしい・・・

何故か椅子に縛りつけられている。

これはSMプレイ?


「アレはどこに隠してあるの?」

先ほどとは別人のように豹変したヘイリーが問い詰めてくる。


隠す?

こいつは何を言ってるんだ!

訳が分からない!

いいからこれを解け!!!


ジタバタするジェフを失笑しながらキッチン台の上に縛りつけ、下半身を剥き出しにすると氷パックを押しあてて

「左右のタマ、どっちから取る?」

と迫るヘイリー。


何故に、

ジェフはこんな目に合わなければならないのか・・・


というストーリー。





うぎゃああああっ!!!

と、

男ならば叫びたくなる

玉が縮む思いの恐ろしい話である。




ほぼこの2人だけで全編が流れていくのだが、

その

少女ヘイリー役のエレン・ペイジ

ジェフ役のパトリック・ウィルソン

の演技が、

半端なく素晴らしい



2人の鬼気迫る迫真の演技が、この狭い空間で存分に生かされていて

男ならば、

映画『ソウ』以上

の恐怖体験、間違いなしである。




自分はこういった決められた閉鎖空間での撮影――いわゆるソウなどの舞台的なステージスリラーが好きで、

それを面白く観せるためには

脚本役者の演技

が一体となる事は絶対のポイントとなる。


それをこの作品はきちんと兼ね備え

絶妙に味つけされた2人の人間性がリアルさを増幅させており

見事なまでに仕上がっている。




男ならば、ジェフを応援して

「早く、逃げろ!」


女ならば、ヘイリーを応援して

「男など潰してしまえ!」


と、分かれた視点で観るかもしれない(笑)




ヘイリーは何を探しているのか

ジェフはこの極限状態でどうなるのか



終盤、少しばかり違和感を感じる惜しさもあるが

真実は、

人それぞれで色々と考えられる仕組みになっているので、それはそれでオッケーとしておこう。


是非、

股間を抑えながら

観て欲しい作品である。




最後に1つ言わせてもらえば

14歳のオナゴに手を出そうなど犯罪である。

正に自業自得だ。


世のロリコンたちは気を付けよう。


【SAW ソウ】 第104回

最近
『ソウ・ザ・ファイナル』
のDVDが発売されて、ようやく七作目にして完結を迎えたこのシリーズ。

有名な作品な為に
全作とは言わずとも、大多数の人が一作くらいは視聴しているだろう。

そんな
【ソウ シリーズ】の総合的な評価をさせてもらう。(ネタバレ無し)




低予算・短期間撮影にも関わらず、観客の度肝を抜いたシリーズの1作目。

そこで終わらせれば良かったものを、その勢いに乗り2を制作。

そこから毎作品、
前作を引き継ぐ伏線が張られた『続く』という終わらせ方で、
「シリーズを順を追って観ていない人など知らん」
的な投げっぱなしジャーマンを貫き通し、
1の衝撃から思わず2に手を付けてしまった不幸者は、ファイナルまで観なければならなくなるような義務感を与えられる興行的手法にズッポシと嵌められる事となったはず。



そんな訳で、
もし貴方がソウを全く観ていない場合は、シリーズの途中から手に取ってはならない。

狼に育てられた少年が突然大都会に放り出されたような気分で、内容チンプンカンプンの残虐祭りをただ呆然と観るだけになってしまう。



やや中だるみもあったシリーズだが、
6のラストはファイナルへと続く伏線としては久し振りに上出来であり、ファイナルを早く観たい気分にさせてくれたと思う。



6まで観た我慢強い方はファイナルを観る時に、
「6を観なおしてからにしようかな」
なんてチンケな事は言わずに、
1から6までぶっ続けで鑑賞し直してドップリと心身をソウ漬けにしてから、ファイナルを観て欲しい。

そうすればファイナルは、気分の良い落としどころで終わるはず。
(自分的には充分な合格点)

ただ惜しむらくもソウスタッフの緻密な計算の拷問器具がファイナルのラスト付近でミスを見せてしまったが、それは最後のご愛嬌として認めたい。
(ヒント:体を傷つけずとも、なんとか出来るものを身に纏ってるだろ)



今回の被害者は一体どんな切り刻み方をしてやろうか。

その1点に重きを置いた2以降。

毎作毎作一切の手抜きをしない人生戒めの為の、被害者にとっては大変ご迷惑な拷問器具たち。

使いまわしなどほぼ皆無。

一体どんだけの知恵や金や技術力を使ってこの新作器具を誕生させているのだろうかと、
主役ジグソーの苦労を考えると涙が溢れてくるくらいだ。



そんなこんなで、
1から徐々に被害者への同情から、涙ぐましい苦労をしているジグソーへの同情すら感じさせてこられたこのシリーズもようやく完結。

しかしまだまだ続けようと思えば続けられるような
『完結』
と取らない事も可能であり、
これまで続けてきたソウスタッフからすれば続編などお茶の子サイサイな「ソウは永久に不滅です」
の長嶋茂雄状態。

『ソウ第二章』として復活するのではないかと、ハラハラしてくる。



スタッフの方々は、
これ以上俺を義務感の中にぶち込まぬよう、ここで終了する事を切に願います(笑)

【ファニーゲームU.S.A】第103回

今日はDVDの紹介。

【ファニーゲームU.S.A】

これはサスペンス映画の中でも
救いようの無さ、胸くその悪さ、気分の悪さ120%!
二度と観たく無い映画としても、上位に挙げられる作品である。

実際、試写会などでも途中退出者が多かったらしい。

そんな作品の総評をネタバレ無しでお送りするので、興味を持った方はどうぞ。
映画好き、サスペンス好きには、是非一度は観て欲しい。



小学生ほどの男の子を後部座席に乗せて、クラシックの曲名当てをしながら仲睦まじく車を走らせて湖畔の別荘に向かう夫婦。

そんなノドかなオープニングは、
突然響き出すバックミュージックのパンクロック音楽に切り裂かれ、この家族にやがて訪れる不幸を予感させる。



ミヒャエル・ハネケ監督は
この切り出し方だけを見ても、他の監督にはない飛び抜けたセンスとイカれ具合を感じさせる。



そして
この家族の元に現れた青年2人からの
「今から12時間後にあなたたち3人が生きているか死んでいるか、賭けをしよう」
という
理不尽で狂った言葉からゲームは始まる。



この映画を観ていて気づく人はいるだろうか。
ここでふと前半から何となく感じていた違和感が大きくなるかもしれない。

何故かというと、
こんなふざけた言葉にターゲットとなる家族があまり反応を示さないからだ。

これが普通の映画だったら1人くらい
「ノー!オーマイゴッド!!!」
と叫びながら暴れて、早々にぶち殺されてもいい場面だ。

そこには緻密に計算された理由がある。


それはこの言葉が、
この家族に投げかけられたのでは無いからである。

では誰に?

そう。
この映画を観ている人に対して問いかけているのである。

「こいつら生きてると思う?」
はたまた
「生かしておいていい?」
と。

映画内で暴力を受ける人たちは単なるそのための駒に過ぎない。



非情な程の暴力に感じるも、実際は暴力シーンは一切排除しているテクニック。
観客1人1人の想像内で痛めつけろと訴え続け、
心の奥底に潜む残虐性を引き出させて責め続ける救いようの無さ。


暴力の矛先をこの映画の観客に向けて、
これでもかと観る者に精神的苦痛を味あわせ不快にさせるという
類を見ない暴力映画としての傑作である。


妊婦さんはご遠慮した方がいいであろう。
満点、もしくは0点
という究極の内容である。

【暑いので恐怖で涼しく】 第102回

GWにボケーッとしすぎてブログ更新も滞り、更に最終日の夜に39度の熱がショック!



しかし今日はクソ暑かったねぇ晴れ

って事で、
少しでも涼しくなるように昔何かで読んだちょっと怖い話を、ウル覚えの中で着色しながらお送りする。




ある一軒家に園児の男の子を持つ若い夫婦がいた。

この夫婦は非常に折り合いが悪く
些細な事を理由にしては毎日のように口論となり、果ては大喧嘩を繰り返していた。

ある日の夜の事、
いつものように些細な口論から大喧嘩をした夫婦だったが、
仕事の疲れからいつも以上にカッとなってしまった夫は妻を殴り倒し気絶させ、
更に馬乗りになると首を締めて殺してしまった。


遺体をどうすべきか。


迷った夫は
庭に穴を掘り、とりあえずそこに遺体を隠す事にした。

当然その作業は
子供に気づかれぬよう慎重に行った。

次の日の朝
子供には
「ママは旅行に出かけたから、しばらくはパパと2人だよ」
と、悟られぬようごく自然に話した。


しかしだ。


その日からというもの、
彼を見る子供の目が不自然なものに変わった。

疑いを持った目つきと言うべきか。
今までにはなかった目つきで、チラチラと彼を見るようになったのだ。
そして、何かを言いかけてはやめるという態度まで見せる。


もしかしたらバレている?
彼は焦った。


このままでは、幼い子供のこと。
真実を周囲に言いかねない。
そうなれば私は捕まり、
この子は1人ぼっちになり殺人家族の子供と、白い目で見られながら生きることになってしまう。

悩みに悩んだ彼は
子供に何を知っているのか聞き出す決心をした。
そして真実を知られているならば、無理心中を図る覚悟で・・・

その日の夕食時
テーブルで対面する子供に、彼は決意をもって口を開いた。

「1つ、どうしても聞いておきたい事がある」

すると子供が
「うん、実はボクもパパにずっと聞きたい事があったんだ」

と返してきた。


やはり見られたのか・・・


ガックリと肩を落とした彼は
「いいから全ていってごらん」
と呟いた。


「うん、じゃあ言うね。ママの事なんだけど」


彼はテーブルの下で隠し持っていた包丁を強く握りしめた。


「ママは旅行に行ったと言ってるけど」


彼は子供を刺し殺すべく立ち上がった。



「どうして
怖い顔でパパの背中におんぶしてるの?」





どうでっか?
少しは涼しくなったかな?

【さくらノート】 第101回

昨日は
なんとな~くネット検索して
「これ観に行くぞ!」
と、阿佐ヶ谷へ。
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で、
木が生い茂る謎の建物へ
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で、
中に入り当日券ゲットし
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TEAM6gという劇団の
『さくらノート』
という舞台を観てきた。
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全く知らない劇団だったが
脚本構成が素晴らしく、
青春の淡さや哀しみを表現した
笑いあり涙ありの最高な舞台だったよん。

舞台大好きだニコニコ