突然なんですけど・・・
クマバチって、昔は「飛べるはずがない」と言われていたらしいッスね。
ずんぐりボディの割に控えめな翅・・・
あのフォルムだと飛べなくね?
・・・と思われていたらしい。
でも、現実にクマバチは飛んでいる。
しかも自由自在に。
コレいかに?っていうね。
ちなみに「なぜ、クマバチが飛べるのか?」という疑問に関して
クマバチは気合で飛んでいる。
・・・という冗談めいた話があったとか・・・なかったとか。
そういう感じで・・・「アレで飛べるはずがない」と思われていたクマバチが飛ぶ原理が解明されたのは割と最近みたい。
なんでも「レイノルズ数」というものを考慮することでクマバチが飛ぶ原理を説明できるらしいですよ。
レイノルズ数・・・よく分からんのですが・・・
どうやらクマバチ程度の大きさの存在にとって空気はそれなりに粘り気があるものらしい。
それはヒトに置き換えると・・・
水の中にいるような・・・あんな感じらしい。
粘り気というとアレですけど・・・抵抗感?知らんけど。
たしかにあの感じだったら飛べるかも・・・と、素人感覚としては思うのですが・・・違うかしら?
それにしても・・・正味な話、よう分からん。
そもそも日常的に空気の存在感を意識するようなことは少なく、ましてや空気に粘り気を感じたことなんて無いですもの。
そういう感じで結局のところ、よう分からんのですが・・・
そんな僕でも空気がとてつもない力を持っていることは分かる気がします。
ほら、自動車でも空気の力を利用することがありますでしょ。
大型バスのエアーサスペンションとか・・・あんなに重たい物を空気の力で支えているのって、すごい。ゴイスーですわ。
それに、そもそもが・・・
エンジンを回して、あのように爆発的なパワーを生み出すことができるのは空気があるおかげ。
そう考えると・・・空気の力は偉大なり。っていうね。
このように自動車と空気は結構関係が深いのですが、今回の記事で注目するのは・・・
空力(くうりき)=空気力学でございます。
いや・・・空気力学とか偉そうに書いてしまっておりますが、僕自身が専門的に学んだわけではないので、あくまでも素人興味の範囲ということで予めご理解くださいませ。
さて、空力と申しますが・・・前記のとおり、空気の力が偉大なことは感覚で分かっているつもりではあるものの・・・
正直、ピンと来ていない部分もある。
僕なんかの感覚で申しますと・・・
ああいうのはレーシングカーのような超高速域の話みたいな印象があったのですよ。
ほら・・・ウェット走行時に後方に跳ね上がる水しぶきの様子を見て空気の動きを感じたり・・・
DRSを使って追い抜く場面なんかでは「結構(車速が)伸びるものなのね」と感心したりすることもあります。
それらの場面ではたしかに空力を感じるのですが・・・
いうても・・・
それは時速300キロとかの
メチャンコ速い領域での話じゃないの?
・・・っていう感覚なわけ。
ところがですなぁ・・・
トヨタではエアロスタビライジングフィンとかいう小さな突起を新型車に続々と採用している。
いわゆるボルテックスジェネレーターという空力装置なのですがコレに空気が当たると小さな渦が発生し、それにより燃費向上、安定性向上、風切り音低減といった具合にかなりの優れモノ。
あんな指先程度の小突起がねぇ・・・大したものですな。
でね、こういうモノが採用される・・・それもノア等のごく普通のミニバンにまで採用されている・・・ということは、日常的な速度域でも空力による影響は充分にあるという話なのですよ。
じゃなきゃトヨタだってわざわざあんなモノ付けないでしょ?
ということで、市販車における空力という話ですが・・・
その歴史は僕が想像していた以上に古く・・・
1934年・・・
クライスラー(デソート)・エアフローというモデルが空力を意識した最初の量産車らしい・・・いわゆる流線型というヤツ。
なお、当時の一般的な乗用車の形としては・・・
こんな感じだったみたい・・・いかにもクラシックカー然とした箱っぽい形状ですな。
まあ、1930年代とか・・・僕は知らない時代の話で、上掲のエアフローも子供の頃に図鑑で見たことを覚えている程度のものですよ。
それにだいたい・・・
子供の頃は空力なんて知らないじゃないですか。
低くて、シューッとしていて・・・なんか速そう・・・その程度の認識でしたものね。
・・・という感じで、空力に関し漠然とした認識で過ごしていた僕が改めて空力を意識するキッカケになったのは・・・
3代目アウディ80・・・当時「空力がすごい」と話題になっていたのですよ。
あ、ちなみにこの頃になると・・・僕は自動車雑誌を買うようになっておりまして・・・同級生の皆は「少年ジャンプ」を買っていた中で、僕は「カー&ドライバー」や「ベストカー」、あとは「マガジンX」なんかを買っていた・・・で、少年ジャンプとか読んだことがない・・・っていう。
そういう点で・・・あんまり可愛い子供ぢゃなかったかもしれないわねwww
まあ、それはさておき・・・
当時のアウディ80に関する雑誌の記事で「Cd値」だったり、「フラッシュサーフェス化」だったり・・・そういう記述が出てきて当時の僕は強い興味を持ったのです。
Cd値(しーでぃーち)って何よ?みたいな。
で、雑誌で用語解説みたいなコーナーがあったりして、そういうヤツで知るわけですよ・・・でも、そういうのは専門書ではないので、あくまでも一般購読者向けの内容で、加えて当時小学生の僕の理解度・・・まあ、今も大して理解度は上がっておりませんけど(笑)・・・
まあ、とにかく・・・
「Cd値が小さければ空力的に優れている」
という一応の理解をしたわけね。
で、この「一応の理解」って、なんだか引っ掛かる表現でしょ。
というのは・・・この「一応の理解」は間違ってはいないけど、正解でもない・・・みたいな話を後になって聞いたのです。
たしかマツダだったか・・・開発者の方が空力について話されているのをテレビで見たのです。
その時に・・・
「空力性能はCd値だけじゃ語り尽せませんぞ。」といった趣旨のことをおっしゃられていたのです。
つまり、
空力は奥深いのよ。奥さん、分かるぅ?
・・・っていうね。
そこで、その時に聞いた内容をベースにして当ブログなりに空力の話を書いてみようと思います。
まず・・・
自動車が走る時に車体前面で空気を押しのけるので空気の圧力が高まる一方で、車体後面ではボディ表面から空気が剥がれていく「剥離」に伴う渦流が発生することで圧力が低くなる。
ここで生じる車体の前面と後面における圧力差により車体は進行方向に対して反対(後方)に引っ張られ進行する際の抵抗になる。
だから、車体の周りの空気をキレイに流して前後の圧力差を減少させた方が良い。
その方が空気抵抗が少ないということになる。
そこでCd値=空気抵抗係数が目安になりますよ・・・と。
現代の市販車ではCd値0.3~0.4の範囲が一般的で、0.3を下回れば優秀と言われており、そういう点でCd値が小さければ空力的に優れているという話は正しいのです。
また、いわゆる流線型に近い形状であればあるほどCd値的には有利であるという話でもあるのです。
が、Cd値が小さければOKかと言うと・・・それだけで全ての説明はできないらしい。
空力性能を示す数値としてCdA値というものがあり・・・
Cd値×前面(前方)投影面積で求められる値で、その値が小さいほど空力性能が優れていると言われております。
なお、ここで出てきた前面投影面積というのは・・・
車体を前側真正面から照明で照らした際に真後ろの壁に出現する影の面積のことですよ。
で、このCdA値なんですけど・・・
例えば上掲のように、Cd値の小さい車の方がCdA値は大きな値になる場合があって、必ずしもCd値の小さい方が数値的には優れているとは言い切れないことがあるのです。
コレはCd値×前面(前方)投影面積=CdA値という計算式からお察しいただけると存じますが、Cd値はもちろん前面投影面積も数値が小さい方が空力的には有利だという話で、すなわち全幅や全高の数値が小さい方がCdA値という観点で有利であるということになります。
ただし、市販車は同一車格内で各モデルの全幅が似たり寄ったりの数値になっており、前面投影面積の差は主に全高の違いよることが多いらしい。
なので、全高が低い方が空力的に有利という傾向になります。
ちなみに・・・
現行プリウスのCd値は先代よりも大きくなっているのですが、空力性能は先代よりも優秀らしい。
やはりそれは低全高化はじめ前面投影面積に配慮したことが効果的に作用しているようです。
で、ここまでCd値やらCdA値やら・・・書いてきましたが、その他にも大事な要素があるようです。
それがCL値=揚力係数というもの。
自動車において揚力が問題になるのは・・・
揚力(リフト)によって車体が持ち上がることでタイヤの接地荷重が減少し安定性やコントロール性が損なわれるという点ですよ。
で、なんでそういうことになるか?と申しますと・・・
ご存知のとおり車体の下回りって、かなり凸凹してますよね。
オイルパン、トランスミッション、デフ等は出っ張り、エンジンルームやタイヤハウスは大きくえぐれている・・・オマケに走行中は常にシャフトやタイヤが回転し、足回りは忙しく動くわけ。
そういう感じなので・・・
ボディ下回りやエンジンルームに取り込まれた空気の流れが乱れて停滞気味になる結果、揚力が発生するらしい。
つまり・・・
せっかくボディ上表面の空力を頑張っても、下回りが上手く処理できないとトータルの空力性能ではイマイチみたいな話よね。
そこでCL値ですわ。
この値が小さいほど揚力が少ないという目安になる。
ちなみに市販車では・・・古い話になりますが・・・
初代ホンダ・シティがCL値0=ゼロリフトという点をアピールしておりますた。
要は速度が上がっても走りが安定する・・・っていうね。
なお、CL値への対処としては、スポイラー等でダウンフォースを発生させて車体を押し下げるのが一般的で、フォーミュラカーなどでは大きなウィングを装着しておりますが、ウィング自体が空気抵抗の原因になるので、フォーミュラカーのCd値は市販車よりも大きくCd値0.5以上になるらしい。
つまり、CL値対策としてダウンフォースを得るためのウィングを装着するとCd値が悪化するという感じで、どうやら「アチラを立てればコチラが立たず」的な関係性がある模様。
そこで、できるだけCd値を悪化させずにダウンフォースを得る方策としてレーシングカーでは床下を流れる空気の圧力を下げることによってダウンフォースを得るグラウンドエフェクトという手法もあり・・・地面スレッスレに地上高を下げたり、ファンで床下の空気を強制的に吸い出したり・・・様々な仕組みで驚異的な性能を発揮することもあるみたい。
なお、市販車ではグラウンドエフェクトというほどではないかもしれませんが、それなりに床下の整流も配慮されており・・・
十年くらい前からかしら?タイヤの前に黒い樹脂製のベロベロが装着されているのをよく見かけますが、アレでタイヤ周りの整流効果があるらしい。
・・・という感じで、上記してきたことが一般的に自動車の空力で話題になるのですが・・・その他にも横力➡横風等による横からの力とか・・・
さらにピッチングモーメント、ローリングモーメント、ヨ-イングモーメントといった各係数が空力には関与しているらしい。
で、空気抵抗係数、横力係数、揚力係数、ピッチングモーメント係数、ローリングモーメント係数、ヨ-イングモーメント係数の6つの係数を総称で空力6分力と呼ぶんですって。
正直、ここまでくると、ほぼ分からんwww
分からんのですが・・・どうやら走行時に空気の流れ(走行風や横風等)による影響で車体が縦や横に揺れて乗り心地が悪くなったり、直進性が悪くなったり、風切り音が出たり・・・そういうのに関係しているみたい。
また、それらの要素は決して侮ることはできなくて、極端な事例として、今なお語り継がれているル・マンにおけるベンツCLR離陸事件みたいなことがあったりする。
ユーチューブで「ベンツ 離陸」と検索すれば当時の映像を観ることができますが・・・何度観ても見事な離陸で「車ってこんなに舞い上がるものなのね・・・」と感じますし、「ベンツ離陸」というワードと相まってなかなか衝撃的な映像でございます。
アレを見ると改めて目に見えない空気の力の凄さを感じますな。
そうそう、当たり前ですけど・・・
基本、空気って目に見えないのよね。
例えば、風で傘がオチョコになるとか、ベンツが離陸するとか、そういう空気の存在が起こす現象は目に見えますけど・・・空気そのものは見えませんよね。
いや・・・なんか研究機関のスーパーコンピューターとかで空気を可視化する的なものはあるかもしれませんが、一般ピープルがそういう機器を使うことはあまりないので、結局日常的には空気を見ることはできないのよ。
コレ、見方を変えて自動車との関係に置き換えてみますと・・・
自動車のデザインというものは目に見えない空気に立ち向かう為に空力という人類の英知を結集した産物であって、その形こそが空気の流れを可視化しているとも言えるのでございます。
そして、その形は空力追求・改善の進化とともに市販車における外観の変化として見て取ることができますよ。
で、前記のとおり1930年代に始まったと言われる量産市販車における空力デザインは現在に至るまでに幾度かの大きな変化を経てきたと思われますが・・・1970年代生まれの僕が感じた大きな変化は1980年代半ば頃で・・・
印象的だったのが前出のアウディ80なのです。
こうして先代モデルと比較してみますと、その変化がお分かりになられると存じます。
なんかこう・・・3代目の方が全体的にツルっとしてますよね。
コレがフラッシュサーフェス化というヤツです・・・ボディ表面の凹凸をなくして空気抵抗を少なくするというヤツです。
なお、当時の我が日本でも同様の変化が起きていて・・・
一例としてトヨタ・カローラの4代目と6代目をお示しします。
なお、5代目もそれなりに変化いていたのですが、若干過渡期を感じさせる内容でしたので、ここでは敢えて6代目にしました。
で、御注目いただきたいのは主にフロント周りとキャビン周り。
まず・・・
フロント部分ではヘッドライトが丸型から異形へと変化しておりボディの面に凹凸が少なくなっています。
そもそも昔はヘッドライト自体が規格品の丸型か四角を採用するのが主流で、フロント周りのデザイン自由度が制約を受けていたという点があったのと、1980年代半ば頃までのアメリカでは規格品のヘッドライトが義務付けられており、北米市場での販売を想定するモデルでは規格品の装着を前提としなければならなかったこともデザインに影響していたらしい。
あと、バンパー。
4代目ではバンパー単体で独立した存在感を示しておりますが、6代目では全体フォルムに馴染む形状に変化しており、ボディと一体感のある印象になっております。
そして、キャビン周り。
画像では見えづらく恐縮なのですが・・・
まず、ワイパーの付け根部分が6代目の方はボンネットフードで覆われるようになっており、要は突起物を覆い隠すようになっている・・・他にもフロントガラス縁部のモール幅や段差も6代目の方が薄くなっていたり、サイドウィンドウ及びドアサッシュ周辺の段差、それとドアノブの段差等色々な部分の段差が低くなりボディ面と平滑になるように配慮されていることが分かります。
・・・このような感じで1980年代以降の新型車からは続々と上掲のような構造を採用するモデルが増え、従前からの純昭和的な印象から新時代を感じさせる印象へと変貌した時期で、今の時代から見ると少し懐かしい雰囲気を持つネオクラシックの世界観なのでございます。
そして、このネオクラシック時代の自動車を取り巻いていた当時の時代背景としては・・・僕自身は小学生だったので実感したことはないのですが、世の中は好景気に向かってまっしぐらだったらしい。
当時の大人たちは、その好景気基調が泡沫のごとく消え去って、まさか「バブル景気」などと呼ばれてしまうことなど想像もしていなかったでしょうな。
まあ、良く言えば希望に満ちた活力溢れる時代。
悪く言えば浮かれ気分でノー天気な時代。という感じかしら?
そして、そんな華やいだ時代の中で人気を集めたのが・・・
マークⅡやソアラをはじめとしたパーソナル向け高級車でした。
当時はまだ今のようなミニバンやSUVが登場する以前ですので乗用車といえばセダン系モデルが圧倒的主流の時代。
好景気基調の中で「庶民でもちょっと頑張れば手が届く」くらいの価格にあった上級モデルが人気だったのでございます。
(たしかマークⅡが300万程度、ソアラが400万程度)
それらのモデルは「ハイソカー」と呼ばれ一時代を築きました。
あ、ちなみに「ハイソカー」ってのは・・・
ハイソックスぢゃないッスよwww
「ハイソサエティ」のハイソですからね。
ちなみに僕と同世代の女子達は皆ルーズソックスでしたな。
・・・っていう話はさておき・・・
このハイソカーブームに象徴されるように、巷では優雅で華やかな雰囲気のものが好まれる風潮があり・・・
ハードトップの低く伸びやかなフォルムが人気で、全高1300mm台のモデルがワンサカしておりました。
もちろん、この低い全高は空力面でも有利に作用していたとは思われますが、意図するものとしては空力よりも当時の流行を反映した結果だと思っております。
まあ、こういう感じで・・・今の時代からは羨ましく感じられる華やかな時代だったわけですが・・・
そんな時代の最中にあった1987年・・・世間の浮かれ気分を一喝するかのごとく三菱から一台のモデルが登場したのです。
それが6代目ギャラン。
今では歴代三菱車の中でも名作認定されている6代目ギャランですが、当時としては結構衝撃的なフォルムでしたよ。
逆スラントノーズ、背高フォルム、立ち気味のリアガラス・・・それらは当時としては実に異端なカタチだったのです。
まず、逆スラントノーズ。
空力面を考慮するならばスラントノーズが好ましい。
そうでなくてもバーティカル(垂直)ノーズが一般的とされるのですが・・・ギャランは思いっきり逆スラントノーズを採用。
そして、背高フォルム。
コンモリと盛り上がったキャビン形状を持つ背高フォルム。
全高は1400mm超・・・今ならこの程度の数値は特に背高とは思いませんが、当時は前記したようにハードトップが人気。
特にパーソナル志向のモデルでは低く構えたフォルムが魅力的なモデルが多かったので、背高フォルムは一歩間違うと大失敗作になる危険性を孕んでいたのでございます。
もちろん空力的な観点でも背高フォルムは不利でしょう。
・・・という感じで、6代目ギャランのフォルムは当時としては流行とか空力とかいう概念に対して反逆的で異端なものだったのです。
ところが、このギャラン・・・蓋を開けてみれば意外と好評だったのですよ。
さらに後になってからはギャランといえばこのモデルをイメージするくらいギャランの代名詞的な存在にまでなったわけ。
それは何故かしら?
まずは、トップグレードVR‐4の存在ですな。
最高出力205馬力のハイパワー、フルタイム4WD、三菱初の4WS等、当時としては先進の機構を満載したVR‐4は大きな話題を呼び、ギャランの名を世に知らしめたのでございます。
さらに、こうした先進機構を武器に・・・
ラリーでも活躍・・・この流れは後にランサーエボリューションへと継承・・・つまりVR‐4はランエボの前身てことですな。
そうしたことから・・・
ギャラン=ハイテク武装のスーパーマシンというイメージが定着したのでございます。
また、当時としては異端だったフォルムも見れば見るほど味わい深いものだったのです。
当時、三菱自身が「オーガニックフォルム」「うねりのボディ」と称した曲面を多用するフォルムはサイドからフロント及びリアへと連続する特徴的なS字断面で構成されておりました。
その印象は・・・
先代ギャランシグマが持っていたシャープで未来的且つ無機質な印象とは対照的に滑やかで生物的な印象を持ったものでした。
また、逆スラントノーズは初代及び3代目と共通するデザイン上の特徴であり、ギャランとしての個性を強烈に主張するアイコン的な造形でもありました。
結果として、この個性的なフォルムこそが「ギャランらしさ」と認知され、ハイソカーブームの影響でやや没個性化しつつあった国産車の中で「他とは違う」印象を纏った質実剛健なセダンとして支持を得たのでした。
まさに「インディビデュアル4ドア」
「個」という概念で象徴されるように、ギャラン独自の世界観を見事に具現化しておりましたよ。
さらに、前出のVR‐4との関係で申しますと・・・
ハイテク武装の戦闘マシンというVR‐4のキャラクターに対し筋肉質で骨太な印象のフォルムが見事にマッチしていた・・・
無骨ながら見るからに戦闘力の高そうな雰囲気と迫力のある外観だったのですよ。
このように成功を収めた6代目ギャランは前記のとおり現在でもギャランといえばこの6代目がイメージされるほどの存在であり時代を超えて評価される名作だと思うのです。
で、今回のネタは・・・
6代目ギャランぽいカタチを今の時代に再現したら。どんな感じかしら?
・・・っていうね。
なお、今回のネタはギャランを復活させたいとかいう類の話ではなくて、あのカタチを現代チックにしてみたら・・・という内容ですので、モデルの詳細等は考えておりません。
あと、だいぶ長い記事になっており申し訳ございませんが、もう少しお付き合いくださいませ。
・・・ということで、作りますた。
6代目ギャラン的なカタチ・・・できてますかね?
背高フォルムを意識してはみたのですが、今は車の全高が昔よりも高くなっていますから、こういうフォルムにしても昔のように異端な印象は皆無で・・・結局、なんだか普通のセダンになりましたな。
そして・・・
VR‐4・・・正直、ちょっと微妙。
あと・・・
ギャランって、覆面パトカーに低グレードのヤツが採用されていたイメージがありまして・・・そういうヤツも作ってみた。
という感じで・・・
まあ・・・なんかこう・・・考えていたよりも面白くはない感じの想像図になりましたが・・・
個人的には意外と好きかもしれない。特に上掲のヤツはね。
いや・・・自分でこういう記事を書いていてナンですけど、もうこういうセダンが出ることは無いだろーなぁー・・・と思っております。
だって僕自身、こういうセダンがあったら買うか?と聞かれると正直そこは・・・ねぇ。
やはり、今の時代はSUVってことですかね。
・・・ということで空力やらギャランやらについて長々と書いてまいりましたが、最後にお伝えしたいことがございます。
文中でお示しした上掲A車・B車のCdA値。
ご覧のとおりB車の方がCdA値は小さく、この数値からすればB車の方が勝っているという話なのですが・・・実はこのA車とB車の数値は実際に市販していたモデルのCd値と前面投影面積を計算したものなのです。
じゃあ、その2つのモデルは何?というと・・・
A車がレクサスLFA。B車が2代目スズキ・カルタスです。
そうなのよ・・・
LFAの方がCdA値が大きいわけよ。カルタスよりもね。
普通に考えりゃLFAの方が勝っていると思うじゃない。
面白いものですな。
要するに・・・
空力だけでは車の全てを判断できない。
・・・ということです。
今回は以上です。