番外編アールグレイティー | 春永昼猫のブログ、小説

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番外編 アールグレイティー
外はまだお日様がこんにちはしている枯れ葉散る秋の午後
ここは場末のBAR M&N
開店前に、好物のアールグレイティーを飲んでいたみつは、何となしにBARのピアノを弾いていた。
みつは、お花のような香りのするアールグレイティーが好きだ。
そして、ピアノの曲名は、Revolution’sの真夏と、聖女の煌めく乙女
みつが好んで弾くのは、クラッシックなど高級な曲ではなく、みんなロック調のもの。
昔、ピアノを習っていた時に、クラッシックを先生がお手本に弾いても、ピンとこず、覚えの悪いみつに、
「あなたバカね後から来た子があなたを抜いちゃったわよ。」
と先生が言ってきたので、頭にきたみつは、ピアノ中級程度でピアノを放り投げた。
月日がたち、ビジュアル系ロックバンド全盛期、みつは、賑やかすぎるその音色が苦手だった。
しかし、とある剣客が出てくるアニメのエンディングが好きだった。
ロックを覚えたい!!
そう思って、その歌手のCDを全部集めた!!
社会人になり、余裕も出て街の楽器屋さんで何となしにピアノを弾いていたら、そこの先生から、ピアノ習いませんか?と声がけされた。
ピアノを習い直したいと思ったみつは、はいの一言で、習い始めた。
みつは、練習曲集と、併用曲集の2つのおさらいと、ポピュラーミュージックを習った。
おさらいよりは、ポピュラーミュージックのほうが、耳に馴染んでいたので、覚えが早かった。
そのうち、先生がみつの好きなアーティスト、Revolution’sのクリスマス曲をピアノ用に編曲して下さり、みつはそれを練習した。みつは、左手のパートである、ヘ音記号の楽譜が全く読めなくなっていたので、先生から教わったドレミファソラシドを、C、D、E、F、G、A、B、Cに当てた弾き方が、理解しやすかったし、弾きやすかった。
初めてその曲を1曲通して弾けた時は、みつはとても歓喜に振るえて、他の曲も弾いてみたいと思った。
1年間の契約で始めたピアノのレッスン。
みつは、レッスンを離れても、その歌手の音楽を楽しんでいたら、ほかのバンドの音楽や、その年流行った音楽も聞いて集めまくって色んな曲に挑戦して、しっくりくるのを、じっくり練習していった。
中には、テクニック不足で思う通りに弾けないものもあったが、いつかは弾けるようになるだろうと気長に気持ちを落ち着けるようにした。
ピアノを独学で弾くようになって、みつは、それまでは、ピアノ弾いても下手くそじゃんか…と思っていたが、ある日、あ、自分、こんなに頑張れるじゃん!頑張ってる自分すごい!!
と、自己肯定感を持つようになった。
そして、ピアノと一緒に歌うことで、音楽がもっと好きになった。
今でもずーっと好きな曲があれば、本屋で楽譜を買い、ゆっくり自分のペースで練習をしている。
発表会で発表するわけでも、練習を競う相手もいる訳でもないので、気楽なものです。
ポロろンポロロン♪
あ〜↑あ~↓あ~↑あ~↓♪
喉の調子が良くなったところで、
チリンチリン♪
「やっほー!ご機嫌麗しゅうにゃ!」と元気にねね。
「やぁ!気前よくやってるじゃんか!」と音ちゃんも。
ねねと音ちゃんの登場で、BAR M&Nそろそろ開店のお時間です!