令和4年選択式は基本的な出題が多く、丁寧な勉強をされた方が報われる試験内容だったと思います。
逆に言えば、1問の重みが例年以上に重くなるためミスが許されない試験になったとも言えます。
個人的な科目別難易度と肢別難易度及び簡単な解説をしてみました。
ちなみに(誤)は、私が間違った回答です。
労働基準法及び労働安全衛生法 難易度E 目標4点 私5点
全般的に基本となる内容で、判例問題も十分日頃の学習知識で正当できるもので、出題項目も奇をてらった箇所ではなく、
丁寧に学習し、正確な知識を備え論理的に考えることができる人なら正当に至れる良問だったと思います。
A・基礎中の基礎の問題でここ絶対に落とせない選択肢といえます(E)
B・9と19で若干悩みましたが、業務上の必要性を要する(恣意的運用を抑制する)との記載があるので、9がふさわしいと考えられます。(D)
C・Bと連動していますね。不当な理由により労働者がどういう影響を受けるかを考えると正当に至ります。(D)
D・同法における基本的な内容です。実務上でも重要な箇所になりますね。(E)
E・選択式問題集などで重要度MAXで出題されている項目です。試験から15年近く経過した私でも覚えている文言でした(E)
労働者災害補償保険法 難易度D 目標4点 私4点(ゴメンナサイ)
今年の選択式では難しい科目の部類だったと思います。AとBは基礎的な記憶力を試す問題ですが、CDEは判例からの出題かつあまり深入りして学習しない(実務でも多くない)であろう特別加入に関するものでしたが、問われている内容はしっかり文章読めば十分日頃の学習知識で正当に至れる内容だと思います。 緊張するから本番では難しいですよね、わかってます、私も経験してますからww
A・13級以上の障害が2つ以上あるときは思い方を1等級上げるというかなり基本的知識を問う問題、小学1年の計算力が必要。(E)
B・9級という中途半端な等級の日数を答える問題でこれは落としても仕方ないと思います(B)(誤)
C・特別加入がどういう制度であるかがわかっていれば、難なく回答できる内容と思います。(E)
D・労災保険が成立する要件を考えれば回答できる問題。労災保険は労働者を使用する場合に成立しますよね。(E)
E・文章をしっかり読むと、建設現場の仕事は本部事務所とは別ですよ、だから現場と事務所は別々に保険関係を成立させるんですよと書いていますので、なので本部で行う営業は本部での通常の労災が適用されるので現場で適用される特別加入の対象とはなりませんよ、ということが書いてあります。(E)
雇用保険法 難易度E 目標5点 私5点
例年どおり、簡単な科目でした。この内容であれば5点必須で選択式全体の点数の底上げのためにも一問も落とせない内容です。Cについては厳しいようですが当たり前に正当できないと社労士の知識レベルとしては不十分です。
A・解説の必要がないレベルです。直近から遡らないと実態に沿わない。特に中間とか任意ってどこやねん!て話です。(E)
B・社労士じゃなくても失業経験のある人であればわかる問題=社労士であれば知識で正当できないとイケない問題です(E)
正解肢以外を選択できた方はある意味すごい・・・
C・唯一考え込む問題ですが、知っていないといけない数字です。最高値と最低値は絶対抑えとかないといけない。労災保険法で出てきた9級とは意味が違います。(E)
D・教育訓練給付は雇用保険期間が3年以上(初回1年以上)で一度教育訓練給付を使っているという問題なのでア~エの中で在職期間が3年以上あるものを探せばいいいだけの小学生レベルの問題です。3年以上あるのはウだけなので必然と答えが決まります。この問題が解けないということは社労士としての最低限の知識も小学生レベルの読解力も計算力ない状態です。危険です(E)
E・これも最高値と最低値を聞いている基本的問題です。教育訓練給付は10万以下4000円超。
労務管理その他の労働に関する一般常識 難易度C 目標4点 私5点
例年ほどではないにしろ、難しい部類の設問です。前半は実務をやっている人は問題なく解けたと思いますが、学習だけの方は意外と解けなかったかもしれません。 ある程度の従業員規模の会社で労務担当していると必ず業務で発生する内容なので覚えておくといいです。後半は回答必須レベルです。
A・社労士として正に「一般常識」と言える数字。もし落とされた方は要確認。(E)
B・Aと同じく社労士としては「一般常識」。産業医や衛生委員会の規模と同じレベルで必須の数字です。(E)
C・これは実務をやっているか携わったことがないと正当できない問題、落としても悲観することはありません。(C)
D・有期雇用に関する判例からの問題ですが、CDEの中で唯一このDだけは前後の文脈と日頃の学習の知識で十分正答できるレベルの問題です。都度更新している、回数が5回に渡っているいれば現在ならば無期雇用申込みの対象であることを考えると当然ある程度の雇用の継続(維持)が期待されていると推認できます。(D)
E・これも前後の文脈と知識で正答できます。ずっと労働契約の更新に関する話をしてますので、自然と回答が絞り込まれているはずです。(E)
社会保険に関する一般常識 難易度C 目標4点 私4点(うう・・・)
色々な法令や統計から出題されていますので、正に広く薄く知識が問われています。内容自体は基本的な内容ですが、カバーしきれているかですね。今回の選択式で個人的には一番点数が取りづらい科目ではなかったかと思います。
A・統計(概況)の問題なので単純に知っているかどうかですが、高齢化率が30%を超えていることと高齢になればなるほど医療にかかる頻度が増えるという一般常識を考えると2択までは絞れると思います。問題は50%を超えているかどうかという知識の問題になりますが、後期高齢ラインである75歳ではなく65歳であるところが難易度を上げています。(C)
B・遺族順位は基本的に配偶者はほぼ1位と覚えておくと良いです。子は第1順位ですが配偶者が先になります。(E)
C・子供がいて手当をもらった経験のある方は難なく回答できたのではないでしょうか、ましてや社労士の勉強をしていて経験があるならほぼ回答できたでしょう。 逆に経験のない人は間違えたかもしれません、私も子供がいないためわかりませんでした、また社労士の実務で子ども手当を扱うことは殆どありません。ただ内容自体は平易な問題です。(E)(誤)
D・要介護者は65歳以上で「身体上または精神上の障害」のある人が対象です。仮にわからなくても下に40歳以上65歳未満で要介護の要件が書かれているのでそこから回答を導けると思います。介護保険法は社保一般常識の中では国保や確定拠出年金と並んで重要かつ比較的出題される法令と思いますので、目的条文と併せて要介護、要支援の要件、第1号と第2号については抑えておく必要があります。
E・今回の選択式で恐らく最も難しい選択肢ではなかったかと思います。間違えても仕方ないと思います(B)
健康保険法 難易度E 目標5点 私5点
健保にしてはかなり優しい問題だった思います。Aについては労務担当であれば常識ですし社労士を目指すのであれば理解しておかないといけません、BとCは社労士を勉強する前の大学生だった私でも知っていたような常識レベルの問題ですので、当然社労士を目指される方は正答しないといけないでしょう。 DとEは正に試験のための問題ですね。
A・ここをもし16と誤答した方は「特定」適用事業所を理解していないのと法改正に対応していません。「特定」適用事業所は改正により基準が変更になっています。(E)
B・文章にすると分かりづらいかもしれませんが、病床数200と入院日数180日は生保の加入など一般的に知られている数字です。(E)
C・B参照(E)
D・健保で唯一迷うかもしれない問題。健保と厚生年金は5と10、国年は7と14ですよ。(D)
E・実務ではほぼ必要のない試験のための知識。基本的事項なので確実に得点したい。(E)
厚生年金保険法 難易度D 目標4点 私5点
特に難しい問題はありませんが、Cが家族関係を複雑にしているため若干回答し辛いかもしれません。 図を書いて要件を当てはめていけば回答できます。「子のある妻」の「子」は被保険者の「妻の子」ではなくて被保険者の「子」と理解しているかが問われています。
AとB・これは実務でも非常に重要な知識になります、産前産後休業および育児休業期間中は社会保険料が免除になります。免除期間の考え方は社保の資格得喪とほぼ同じということを覚えておきましょう。(E)
C・「19」と誤答された方は実務で特に危険ですので要復習です。 まず養子縁組していない子は遺族厚生年金の要件上は「子」ですらありません、先妻Vも当然離婚していますので、「妻」ではありません。実施である「W」は15歳未満の「子」なので要件に該当しています。長くなるので省きますが、何故現在の妻である「Y」より「W」に支給されるのか、厚生年金保険法第66条第2項を参照しながら、もう一度文章をじっくりと読んで見て下さい。図を書いてみるといいと思います。(B)
D・改正事項かつ頻出する重要な問題です。支給停止は試験対策上必ず抑えているはずです。(E)
E・年金の受け取りって原則いつからでしたか?(E)
国民年金法 難易度E 目標5点 私5点
大変簡単で平易な問題で特に「ここは」というような問題なかったと思います。Dは若干言葉遊びが過ぎる気もしますが、質の低い問題が多い選択式であることを考えると範疇だと思います。雇用保険と同じく5点取りたい科目です。
A・重要かつ基本的条文の問題です。当然に正解できると思います。(E)
B・国年の中でかなり基本的知識を問う問題です。当然しかも常識的に正答できる問題です(E)
C・社会保険は「福祉の増進」が目的であることが多いのです、多分旧厚生省が好きなんでしょうね。
D・年金制度を理解してもらって、信頼を取り戻したいんですよね、政府は。(E)
E・「遅滞なく通知する」と「速やかに通知する」だと起算が不明なので差がわかりません、「理解を増進」して「信頼を取り戻す」には「正確な通知」は当たり前で如何に「分かりやすい形」で伝えるかが重要ですよね。
ざっくりとですが、こんな感じでございます。 資格学習の専門家でも講師でもありませんので全て私感です。
全般的に基本的問題が多く例年ほど吐きそうな問題はなかったと感じます。
まあ、既に合格していて気楽な立場しかも事務所で回答しましたので、受験者の皆様と緊張感が全然違いますが、実務をやっているとはいえ、15年以上前に合格した私の劣化した脳みそでも然程難しいと感じませんでした(一部選択箇所だけで考えると難しいのはありましたが、文章全体で見ると論理建てて考えると十分に日頃の学習知識で回答可能なものが多い)ので、落ち着いて文章を読めば完全な知識問題以外は9割以上得点出来たのはないかと思います。
因みに私のときは8月第4日曜日に受験して11月頭くらいに合格発表だったのですが、最近は合格発表が1ヶ月早まったんですねえ、試験日も試験科目変更に併せて変更(前倒し)になる予兆だったりして・・・
最後に救済や総合得点について。
総合得点27点(8/30から修正しました)
救済99%ないと思います。明確に3点確保が難しいという科目はなかったように思います。
受験された皆様の合格を祈念しております。