ミヨー - ダリウス・ミヨー (Dalius Milhaud)Ⅱ | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

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ミヨー - ダリウス・ミヨー (Dalius Milhaud)Ⅱ

1915年、バッハの小さな二重奏のカノンに異なる2つの調が同時に存在することを見出し、これをきっかけに複調性や多調性について根本的な研究にとりくむ[7]。この成果は「和声の変奏曲」の副題を持つ『コエフォール』となって現れた。以後、複調性、多調性に基づくポリフォニーはミヨーの作風において重要な要素の一つとなる。

同年、フランス・ベルギー親善協会をやめ「新聞の家」で働き、新聞会館で再会したクローデルに誘われて外交官秘書となる。その後、ブラジル大使となったクローデルに随行し、1917年から1918年末までブラジルで生活する。クローデルとミヨーは1917年2月、カーニヴァル只中のリオデジャネイロに到着し、ミヨーはブラジル民謡特有のシンコペーションのリズムに強く惹きつけられた。ブラジル音楽の影響は、滞在中に作曲された『男とその欲望』や、帰国後の『ブラジルへの郷愁』、『屋根の上の牛』に現れている。1918年末、連合国経済使節団のフランス代表となったクローデルに従ってアメリカまで同行し、そのままニューヨークを経由して1919年にフランスに帰国。途中立ち寄ったプエルト・リコではギロを購入。後の『屋根の上の牛』などで活用した。

ミヨーがブラジルに滞在していた間、パリではバレエ・リュスの『パラード』の初演(1917年5月)がスキャンダルを引き起こし、ミヨーと既知のオネゲル、タイユフェール、オーリックなど若手作曲家は、エリック・サティ、ジャン・コクトーを中心として結集しつつあった。ブラジルから帰国したミヨーもその一員となり、彼らは毎週土曜日にミヨーの自宅に集まって友情を育んでいった。彼らの作品には共通の作風は見られなかったが、歌手ジャーヌ・バトリが主宰するヴィユ・コロンビエ劇場や、モンパルナスの画家のアトリエを改造した「ユイガンス・ホール」(サル・ユイガンス)などで連続的に取り上げられ、1920年1月26日の『コメディア』紙におけるアンリ・コレの記事「ロシア5人組、フランス6人組、そしてエリック・サティ 」をきっかけに、デュレ、オネゲル、ミヨー、タイユフェール、プーランク、オーリックは「フランス6人組」として知られるようになった。

1919年、ブラジルの思い出から『屋根の上の牛』を作曲するが、ジャン・コクトーによる前衛的な演出を加えて上演(1920年2月)されたため、ミヨーは聴衆や批評家から「滑稽な作品を書く作曲者」というレッテルを貼られた。同年10月24日、12種類の調性が同時に鳴る部分を含む『交響組曲第2番』(付随音楽『プロテー』に基づく)がガブリエル・ピエルネ指揮コンセール・コロンヌによって初演されるが、聴衆の猛反発を招き、混乱した会場に警察や市警備隊が介入、新聞に「コンセール・コロンヌのスキャンダル」として報じられる事態となった。しかし、ミヨーは「熱狂でなくても強い抗議は作品によって刺激されている証拠[8]」であるとして自信を深めた。

ミヨーの音楽は当時一世を風靡していたバレエ・リュスの主催者セルゲイ・ディアギレフには好まれず、『男とその欲望』もディアギレフの食指を動かすには至らなかった[9]。このため、このバレエはバレエ・スエドワ(スウェーデン・バレエ団)によって1921年6月6日に初演された。翌年、バレエ・スエドワは、デュレを除くフランス6人組の合作によるバレエ『エッフェル塔の花嫁花婿』を上演した。

1920年に『屋根の上の牛』を指揮するためにロンドンに渡ったミヨーは、ここでビリー・アーノルド楽団が演奏する、「ダンス音楽」にとどまらない本格的なジャズに触れ、その魅力に目覚めた[10]。1922年に自作の曲の公演の為にアメリカ合衆国を訪問した際にはハーレムのジャズや黒人音楽を研究し、そのリズムや音色を活かした室内楽曲を作ろうと考えた。その成果が、アルト・サクソフォンを含む17人の奏者による『世界の創造』(1923年、バレエ・スエドワによって初演)であり、ジャズのイディオムを用いた作品としてはジョージ・ガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』(1924年)よりも早いものであり、このジャンルの成功例となった[11]。

1922年には合衆国への演奏旅行に引き続き、第一次世界大戦で途絶えていたオーストリアの音楽家たちとの交流を目的として、プーランクとともにウィーンのアルマ・マーラー宅を訪問。ここでアルノルト・シェーンベルク、アントン・ウェーベルン、アルバン・ベルクらと会う。アルマ・マーラー夫人の提案によりシェーンベルクとミヨーがそれぞれ『月に憑かれたピエロ』を指揮し、2通りの演奏の聴き比べが行われた[12]。

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ミヨー:2台のピアノのための協奏曲/スカラムーシュ/ニュー・オーリンズの謝肉祭

MILHAUD: Concerto No. 1 for 2 Pianos / Scaramouche / Carnaval a la Nouvelle-Orleans

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ミヨー:チェロ協奏曲第1番/プロコフィエフ:チェロ協奏曲(シュタルケル)(1956)

MILHAUD, D.: Cello Concerto No. 1 / PROKOFIEV, S.: Cello Concerto (Starker) (1956)

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ミヨー:ロンサールの恋/夏のコンチェルティーノ(フィルハーモニー・チェンバー・アンサンブル/ミヨー)(1952)

MILHAUD, D.: Amours de Ronsard (Les) / Concertino d'ete (Philharmonic Chamber Ensemble, Milhaud) (1952)

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ミヨー:ヴァイオリン・ソナタ/ピストン:ヴァイオリン・ソナチネ/アドラー:ヴァイオリン・ソナタ第2番/マルティヌー:プロムナード(キャッスルマン)

MILHAUD: Violin Sonata / PISTON: Violin Sonatina / ADLER, S.: Violin Sonata No. 2 / MARTINU: Promenades / RUBBRA: Fantasia on a Theme of Machaut

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ミヨー:ヴィオラ・ソナタ第1番, 第2番/フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(ヴィオラ編)

MILHAUD: Viola Sonatas Nos. 1-2 / FRANCK: Violin Sonata in A Major (arr. for viola and piano)

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ミヨー:ヴィオラ作品集(マルティンソン)

MILHAUD, D.: Viola Music (Martinson)

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ミヨー:組曲 Op. 157b /ヒンデミット:クラリネットとピアノ三重奏のための四重奏曲/バルトーク:コントラスト(アンサンブル・コントラステ)

MILHAUD, D.: Suite, Op. 157b / HINDEMITH, P.: Quartet for Clarinet and Piano Trio / BARTOK, B.: Contrasts (Ensemble Kontraste)

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ミヨー:組曲/スカラムーシュ/ヴァイオリン・ソナタ第2番/ソナチネ(フェサール/プラシー/レイエ)

MILHAUD, D.: Suite / Scaramouche / Violin Sonata No. 2 (Fessard, Pelassy, Reyes)

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ミヨー:組曲「ヤコブの夢」/スタンフォード・セレナード/アスペン・セレナーデ(シュトゥットガルト放送響のメンバー/ヴァルガ)

MILHAUD, D.: Reves de Jacob (Les) (Jacob's Dreams) / Stanford Serenade / Aspen Serenade (Members of Stuttgart Radio Symphony, Varga)

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ミヨー:弦楽四重奏曲第1番 Op. 5 /ショーソン:終わりなき歌/ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ短調/ルクー:夜想曲(ペーターゼン四重奏団)

MILHAUD, D.: String Quartet No. 1, Op. 5 / CHAUSSON, E.: Chanson perpetuelle / RAVEL, M.: String Quartet in F Major (Petersen Quartet)

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ミヨー:五重奏曲第1番, 第2番(スタンリー四重奏団/B. スミス/C. トンプソン)(1952)

MILHAUD, D.: Quintets Nos. 1 and 2 (The Stanley Quartet, B. Smith, C. Thompson) (1952)

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ミヨー:初期弦楽四重奏曲&声楽作品集 3 (コーニングスベルガー/ファニー・メンデルスゾーン四重奏団)

MILHAUD, D.: Early String Quartets and Vocal Works, Vol. 3 (Koningsberger, Fanny Mendelssohn Quartet)

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ミヨー:初期弦楽四重奏曲と声楽作品集 1 (ゾンターク/ヤンセン/ファニー・メンデルスゾーン四重奏団)

MILHAUD, D.: Early String Quartets and Vocal Works, Vol. 1 (Sonntag, Jansen, Fanny Mendelssohn Quartet)

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ミヨー:初期弦楽四重奏曲と声楽作品集 2 (ゾンターク/ヤンセン/ファニー・メンデルスゾーン四重奏団)

MILHAUD, D.: Early String Quartets and Vocal Works, Vol. 2 (Sonntag, Jansen, Fanny Mendelssohn Quartet)

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ミヨー/ハイデン/ヒンデミット/デュボワ/イベール/J.S. バッハ:室内楽作品集(セクスチュオール・ア・ヴァン)(ピッテル/ウェストウッド木管五重奏団)

Chamber Music for Winds: MILHAUD, D. / HEIDEN, B. / HINDEMITH, P. / DUBOIS, P.M. / IBERT, J. . (Sextuor a Vent) (Pittel, Westwood Wind Quintet)

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ミヨー/ブリッジ/フォーレ:弦楽四重奏曲集(スタンフォード弦楽四重奏団)

MILHAUD: String Quartet No. 7 / BRIDGE: String Quartet in E Minor / FAURE: String Quartet in E Minor

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ミヨー:ルネ王の暖炉/コレットによる組曲/ディヴェルティメント/パストラーレ

MILHAUD: La cheminee du roi Rene / Suite d'apres Corrette / Divertissement / Pastorale / 2 Sketches

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