精神としての身体と身体としての精神 市川 浩 | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

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哲学 Ⅲ 岩波講座

 

09 12 21

 

 

人間の哲学

 

 

Ⅱ 精神としての身体と身体としての精神

 

 

市川 浩

 

 

生体は自己以外の系と交渉しつつ、自己をたえず再統合し、全体化することによって、はじめて自らの個体性を維持できる。 《環境=内=存在》である。 一 向性的構造 向性的構造 ~ 過程が意識されることはない機能構造 自律神経系 内分泌系 脳脊髄神経系 自己作用的な向性的構造 ~ ブナハン、ウェーバー ~ 身体行動の準備態勢 ヘッドの原始感覚 ~ 体感、自己感 サルトル「情動論素描」 ~ 情動が自己自身、世界を変化させる。 「たとえばわれわれはなんとなくもの悲しいのである。このように情動は。外部作用的活動に魔術的な支持をあたえ、特定の対象を価値づける志向的な面と、自己作用的にとどまり、特定の対象をではなく、世界を或る価値の色に染めあげる非志向的な面とをもっている。」 ゴールトシュタイン ~ 身体の屈曲と内転 アラン ~ 掌の外転と内転 フロイト ~ 意識発生以前の向性的構造 サロート ~ トロピズム(向性) アントニオーニ ~ 精神としての身体のテーマ 二 志向的構造 志向的構造 ~ 意識化しうる機能構造 「何か」を志向しているが、図と地の存在 ヴィゴツキー ~ 幼児の述語主義の構文法 「私は---を見る」と「彼は---を見る」との違い、 ~ 前意識的な「私」の把握、デカルト、カント 志向が存在するかぎり、「私」も「何か」も一挙にあたえられている。 対象化された自我の不透明 ~ コギトは出発点であって到達点ではない 三 身体としての自己と精神としての自己 テネシーウィリアムズ「熱いトタン屋根の上の猫」 ~ 「われわれは一人残らず、監禁の宣告をうけて、われわれ自身の皮膚の内側に孤独に幽閉されている。個人の抒情は、生涯を独房に監禁された囚人が、他の囚人に向かって呼びかける叫び声である」 ~ 精神としての自己の把握 自己受容器感覚と外部受容器感覚 ~ 両義的一元性 ~ 芸術、宗教の《世界=身体》の表現 ~ 身体としての自己の把握 自我意識 ~ 自他の主体性の把握と主客の視点の交換可能性の自覚。 他者の指向への共振 ~ 模倣、移入、下書き ~ スポーツ、ゲーム 「他者」、「私によって客体化された自己」、「他者によって客体化された自己」、の他者把握との相関的関係 四 構造の生成 ①共可能性(ライプニッツ)継時的に不可能な構造は生成されない ②地化(ルービン)《地化》作用の生理的平面への抽象、射像 ③図化(ルービン)類同、共通運命《図がら残効》 ④変換 ~ 発明、発見の位相転換 ⑤脱中心化(ピアジェ)概念思考、論理的群性体 五 身体と精神の問題 精神の身体性、身体の精神性 物質的なもの、生命的なもの、心的なものの統合 ~ 生きられた潜勢的構造 ~ 理念、言葉、文字、機械 「もし神が純粋の精神であって身体をもたないなら、神はわれわれがもっているような世界を認識することは決してできないだろう」

 

 

 

市川浩

 

 

 

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市川 浩(いちかわ ひろし、1931年5月2日 - 2002年8月17日)は、日本における哲学者、身体論者である。明治大学名誉教授。  

 

 

経歴
京都府出身。 1954年、京都大学文学部卒業、毎日新聞記者となるが、退社し、1959年、東京大学大学院比較文学比較文化専攻課程入学、山崎正一の教えを受ける。明治大学助教授、教授を経て、名誉教授。『精神としての身体』(1975)で身体論に新しい地平を開き、『<身>の構造』でこれを発展させる。1976年、山崎賞受賞。

 

 

著作

単著
精神としての身体 勁草書房、1975 のち講談社学術文庫、1992年4月、338頁、ISBN 978-4061590199
人類の知的遺産 ベルクソン 講談社、1983 のち講談社学術文庫
<身>の構造 青土社, 1985 のち講談社学術文庫
現代芸術の地平 岩波書店, 1985
<私さがし>と<世界さがし> 岩波書店, 1989
「中間者」の哲学?メタ・フィジックを超えて 岩波書店、1990年1月、300頁、ISBN 978-4000013581
身体論集成 中村雄二郎編 岩波現代文庫, 2001

 

 

編著
新・哲学入門 山崎正一共編 講談社現代新書, 1968
現代哲学事典 山崎正一共編 講談社現代新書, 1970
身体の現象学 山崎賞選考委員会 河出書房新社, 1977
<知>と<技>のフィールド・ワーク 思潮社, 1990
現代哲学の冒険 全15巻 岩波書店, 1990-91
寺山修司の宇宙 / 市川浩. -- 新書館, 1992.5

 

 

翻訳
Madeline GINS + ARAKAWA『意味のメカニズム』リブロポート、1988年3月、187頁、ISBN 978-4845703319

 

 

関連人物
 
大室幹雄
磯崎新
荒川修作
モーリス・メルロー=ポンティ
中村雄二郎
山口昌男
河合隼雄
多木浩二
前田愛
大塚信一