神社でお願いしてもよいのですか?に対する私の考え | 葛木御歳神社から~宮司がゆったりのんびり綴ります

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1600年以上の歴史を持つ葛木御歳神社の宮司東川優子が日々思うことを書き綴ります。




過日、ツアー仕事で一言主神社へ行きました。その際、ひと言お願いすれば叶えてくださいますとお話したことに対して、「神社ではお願いをするのではなく、感謝だけをするべきでは?」というメールを頂きました。
この考え方は結構神社を愛する人たちの間で広まっていますが、私はそんなに四角四面に考えなくても良いと思っています。
せっかくなので、お返事の内容を転載しますね。
ホント、様々な考え方があって良いと思っています😊✋️

追記すると、祈るは「意宣る」で自分の意思表明をすること。そうしてその方向へ努力することですよね🍀

🍀🌸🍀🌸🍀🌸🍀🌸
これに関しては、様々な考え方があると思います。
もちろん感謝があってこその神社参拝で、まずは生かされていることに感謝するのが第一です。それについては大前提ですね。

ただ、神道では、神様は、自然を司る神と考えるのと同時に、神様は、私たちの祖先としての祖霊神とも考えます。
そうすると、私たちのおじいさんおばあさんのような存在とも言えます。
おじいさんおばあさんは、孫が困っていたら、なんとか助けてあげようとしてくれます。それに対して、私たちは感謝と共に、困った時は相談しても良いのだと考えるのが神道の考え方です。

私は神様を心底信頼申し上げています。ですので、神様は大いなる力でいつも見守ってくださる存在だと思っています。
もちろん、お願いをして、あとは努力しない!では神様も呆れてしまわれると思いますが、真摯に努力して頑張る私たちをいつも後押ししてくれる存在だと感じています。
そういう意味では、大いなる存在に、小さな我が身を委ねてしまうこともひとつ、ありなのでは?と思っています。

ツアーのお客様は、皆さん神社がお好きな方が多いので、そのあたり、ただご利益だけを求める方たちではないと思うので、私は、説教のようなことを申していません。皆様が良識ある方だと思っているからです。

神社でお願いはしてはいけません!と仰る霊能者の方にも多数お会いしてきましたが、私は、辛い時は神様にも頼ったらよいですよ〜といつもお話しています。
神様をご信頼申し上げていますから、そんなことで嫌気を起こすような狭い了見の神様は少数派だと思っています。

その前提には、皆さんが、とても真摯に努力を惜しまない方だという信頼、そして、それを目を細めて見守ってくださる存在としての神様が、世知辛い世の中と言えども、確かにおわしますという信頼。それがあればこそ、私は神様を心底ご信頼申し上げて御仕えし、また人々との仲とりもちとして、御祈祷もさせて頂いています。
御祈祷をすれば、私の力ではなく、神様のお力で、良い方向に向かって行くだろうという信頼あればこそ、御祈祷をお受けする次第です。

そうでなければ、私たち神職が、病気平癒や、厄祓い、良縁祈願、商売繁盛などの御祈祷をするのは、絵空事になってしまいますから。。。

これは、私の考え方で、異論もあると思います。一つの考え方として書かせて頂きました。
またぜひご参加くださいませ。
神道について、私なりの考え方は折に触れてお話できれば幸いです。
ご意見ありがとうございました。
東川優子
✳︎写真は熊野速玉大社です。