ブラームスの
『愛の歌 作品52』は
歌曲でありピアノ曲でもある珍しいタイプの作品。
4手のピアノと混声4声
さらにワルツ集でもあります。
連弾で合唱なんて珍しいですよね。
発売当時とても人気が出たので
続編『新・愛の歌 作品65』も作ることになったのだとか。
前回調べた『9つの歌曲 作品32』のうち半分は
ダウマーの詩に曲をつけたものでしたが
『愛の歌』は全てダウマーの詩。
ブラームスは
情熱的な彼の詩がお気に入りで
これ以外の作品にも取り込んでいます。
1869年作曲とあるものの
1868年の夏には
作曲に取り掛かっていたようです。
(ブラームス・ポータル解説より)
インスピレーション
ウィキペディアの英語版などには
クララ・シューマンへの愛がインスピレーションと思われる
とあるのですが、
詩を見ると
さまざまな愛の形が描かれており、
特定の人物を想定したものとは思えませんでした。
それに
時期を考えると
1869年に
ブラームスが恋心を抱いていたと言われる
クララの娘ユーリエが結婚
翌年に次の作品
『アルト・ラプソディ』を発表しているので
どちらかといえば
対象はユーリエになりそうですが
中には含まれるかもしれませんが
全詩通してではないように思えました。
⬇️こちらのHPは全曲の詩を掲載されています
愛の歌とアルト・ラプソディ
この作品の次に発表される
『アルト・ラプソディ 作品53』について
ブラームスは
『愛の歌』の“後奏曲“としており
『愛の歌』と『アルト・ラプソディ』はセットで、
その内容は
関西風に
551HORAI蓬莱のCMのようにいうと
愛のあるとき〜!ないとき〜!
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ユーリエに関しては、まだ調べ途中ですが
1871年発表の作品57
(これまたダウマーの詩)に関連を感じたものもありました
君の瞳がやさしく見つめる時
『愛の歌』の中で心を奪われた曲は
第8曲:君の瞳がやさしく見つめる時
Wenn so lind dein Auge mir(Liebeslieder Walzer)
オリジナルのドイツ語と英訳です⬇️
上の英訳を参考に
Google AIに助けてもらいながら
オリジナルを日本語にすると
君が僕をそんなにもやさしく見つめると
それも愛情いっぱいで
僕の心の曇りが全て消えていく
この愛の美しい炎を消さないで
僕ほど誠実に君を愛する人はいないのだから
この詩を読んで思い出したのが
1859年8月ブラームスが出した
クララ宛の手紙の末尾の言葉。
(前略)
僕より君に誠実で良い友人はいない
と、しっかりわかって
アガーテと恋に落ちた
ゲッティンゲンの夏の休暇後
クララは
ピアノ協奏曲第1番演奏会など
ブラームスの演奏会は全て欠席
そこからの関係修復直後の言葉。
似た言い回し
とは言っても特殊な表現ではないので
言い切ることはできませんが
演奏会に来てくれなくなっていた
クララに対して
敬愛だとしても愛には違いなく
自分が
1番の友人で
一番誠実だと言い切ってますから
同じ意味のこの詩を見たとき
クララと重なったかもしれません。
クララの写真を見ると
憂いを帯びた美しい瞳は印象的なので
個人的感想として
それもイメージが重なったのでした
前回の『9つの歌』のこともありますし
詩だけで判断は危険ですので
楽譜付きのYoutube映像を視聴しました。
⬆️第8曲:君の瞳がやさしく見つめる時
フラット付で音符も同じ音が続いたりと
音型そのものではないものの、
頭出し
君が僕をそんなにもやさしく見つめると
それも愛情…
からドシラソと下降音で
クララ音型の変形に思えます
長調・短調の差はあれど
シューマンのピアノ協奏曲冒頭のクララ音型のよう
続く
“美しい炎“の旋律もクララ音型の変形です
(その2小節前、“この愛の“から音型変形ともいえそう)
この曲
ハーモニーと旋律の美しさと優しさは心に響き、
今のところ『愛の歌』では一番好きです。
ダウマーの情熱的な詩も
ブラームスにかかると上品なドイツ歌曲に仕上がりますね。
聴いていたら
ドイツ歌曲の合唱がしたくなったり
連弾で弾きたくなりました。
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お読みくださりありがとうございました。


