昨日の続きです。

 

レクイエム初演の大成功を

涙して喜んだクララ・シューマン。

 

ブラームスは

クララに許しを請う手紙を9月に書きました。

 

そのすぐ後、

クララの誕生日に合わせて

スイスから歌詞付きのフレーズを贈ります。

 

今日、こんなふうにアルペンホルンが響いていました:

 

山の頂から、深い谷から、何千回も君に挨拶するよ!

(楽譜のメロディにつけられた歌詞)

 

 

これが8年後、

1876年に完成した交響曲第1番の第4楽章のホルンの主題となります。

 

この主題の話、

どこかで読んだり聞いたりした時は

ブラームスのクララへの深い愛というロマンティックな印象を持ちました。

 

それが、

このフレーズが贈られた時期を

このようにたどると、ちょっと違う。

 

確かに「愛」なのですが、

 

ブラームスはクララを傷つけてしまい、

離れてしまうのじゃないかと恐れていました。

 

それくらい強い率直な(ブラームスの何に苦しめられたかの理由をいくつか)

返事がクララから返ってきたからです。

 

なので

この歌詞も、

心軽く挨拶をしてるというより

 

クララどうか許してください

お願いです

貴方の笑顔が見られるまで

何度でも請います

 

というような

切ないニュアンスがありそうですよね。

 

ブラームスは

クララが隠し立てせず理由を言ってくれたことに感謝します。

 

その後、

クララからも返事があり2人の仲は元に戻っていきました。

 

そういえば、

娘オイゲニーの回想記に

クララに対するブラームスの言い方がキツくて

クララが涙ぐむことがあったとありました。

 

クララはブラームスの態度や言葉に

何度も傷つきながらも

寛容な心を持って、深い友情は最後まで続くのでした。

 

待ち望まれた交響曲第1番に

クララへのフレーズが入っていることに意味を感じずにはいられません。

 

個人的感想ですが、

レクイエム初演の時のブラームスの成功を喜ぶクララの涙を思い出したり

長年の感謝の気持ちも込めて最終章に入れたのでしょうか。

 

⬆️ベルリン・フィル カラヤン指揮のブラームス交響曲第1番抜粋版(1973)

音がクリアで驚きました

 

お読みくださりありがとうございました。

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