昨日のつづき、
東急シアターオーブで観てきた
「マシュー・ボーンのロミオ+ジュリエット」についてです。
ネタバレにならない感想を
観る前後の比較も含めてまとめます。
Matthew Bourne's
ROMEO+JULIET
music by PROKOFIEV
演出・振付 マシュー・ボーン
音楽 セルゲイ・プロコフィエフ
出演 ニュー・アドベンチャーズ
観る前
原作の「ロミオとジュリエット」は
あらすじを知るだけで読んだことはないです。
好みのストーリーではないけれど、
マシュー・ボーン氏の演出・振付を観たくてチケット購入。
ゲットしてから、
近未来の矯正施設という設定を知り、
悲劇が更に暗くて、
衣装もほぼ白で華やかではないので、
東京まで気分落ち込みに行くかも、、、
と不安でした。
観た後
実際には思ったような暗さはなく、
見応えたっぷりでした。
以前観た「ザ・カーマン」とどちらが好きかといえば、
今回のロミジュリ。
LGBTや性暴力、ネグリジェンス等々、
現代の抱える問題が描かれてるとはいえ、
私の見た印象は、
そちらよりも10代の感受性がリアルに表現されて、
感情を呼び起こされたり、懐かしんだり、
心を揺さぶられての感動が大きかったです。
ロミジュリのストーリーより
振付と演出の素晴らしさが心に残りました。
ジャンルは?
ボーン氏ということで
以前のスワンレイクが頭にあったので
(音楽はチャイコフスキー)
クラシック寄りのモダン系をイメージしてしまってました。
が、
最初の群舞、
プロコフィエフの音楽で
バレエというよりモダンダンスに近いんだなと感じました。
でも、
舞台の移動は
足はスニーカーだけど、
トゥシューズのように余計な音を立てない
コトコトコトという響きや、
パ・ド・ドゥやヴァリエーションなどは
バレエをとても感じました。
ロミオとジュリエットのパ・ド・ドゥは
複雑に絡み、入り組んで、
息が合わないと無理な難易度、
息つく間もなく魅せられます。
なんだかフィギュアスケートのアイスダンスみたいな動きで、
高橋大輔さんもこのロミジュリを鑑賞されたという話も納得。
劇に近いと思ったのは表情。
表情と踊りでの感情表現に圧倒されました。
10代を思わせる、
初々しさ、あどけなさ、不器用さ、
あらゆる感情がフルに表現されていて
素晴らしかったです。
言葉がなくとも、
表情や動き、ダンスで、
これほどまでに舞台の設定を伝え、
心のうちを表現できるのか、
という驚きと
ダンサーの皆さんのその表現力が圧巻。
今回、割と早めにチケット購入し
かなり前の席で、
前過ぎて舞台全体が見えない心配をしていたのですが、
(かといってそれ以外となると、かなり後ろしかなかった)
そういうこともなく、
顔の表現も見えてキャストの皆さんの役への入り込み方の凄さにも感動。
セリフはないものの、
笑い声などの言葉のない声は時々あるので、
言葉以外の全てで伝えられるものを表現のパフォーマンス。
ロミオとジュリエットの2人のシーンと
ロミオの友人たちのダンスが特に素晴らしかった。
音楽
プロコフィエフの音楽を巧みに使った踊り
音と動きがピッタリ合わせたり、テンポ良かったり。
その他
ロミオの両親のダンスがボーン氏らしくて楽しみました。
途中、休憩があります。
1、2、3幕のつなげ方が面白くて、
終わった後も色々考えさせられました。
まだ公演中なので控えますが、
見る人によって受け止め方が違うのか気になります。
私はパラレルワールドにいるような気分になりました。
カーテンコール
カーテンコールの一部は撮影可と張り紙。
指示があるまではスマホを電源オフにしてました。
ところがアナウンスなどはなく、
気がつけば終わり。
一緒に観た娘によると、
いつの間にか
舞台の下の両端でスタッフの方がボードを掲げ、
それに撮影可と書かれていたようです。
席が前過ぎて、舞台の端が見えず気づきませんでした。
カーテンコールが終わる直前に
娘がギリギリ取れた写真です。
この日のロミオとジュリエットは
パリス・フィッツパトリックさんと
モニーク・ジョナスさん。
この画像からも2人の演技力の素晴らしさが
伝わってくるように感じます。
セリフのない俳優。
セリフがあるより気持ちが伝わってきました。
ロミオの純粋さなどの内面の表現が見事!ほんとブラボー。
そして
ジュリエットの最後の場面は、彼女の苦しみが爆発するようで圧倒されました。
おまけ
購入したチケットに特典がついてました。
キャラクター解説は、無料フライヤー。
右下のピンバッジが特典
そして、
舞台終了後に
キャストのお見送りが。
この日はロミオとジュリエットの2人でした。
お疲れでしょうに、
満面の笑顔でその日の観客を見送ってくださいました。
ヒカリエでお買い物をすると
ポストカードがもらえる特典もありました。
が、
終わった後に買い物をしたので
ポストカードをもらおうと思ったら、
劇場がクローズされていてもらえませんでした。
ポストカードをゲットするのは観劇前が良いようです。
その後、娘と別の買い物をするために歩いていたら
なんと
パリス・フィッツパトリックさんと
マシュー・ボーンさんをお見かけしたのです。
もうビックリ。
お声かけはしませんでしたが、
ボーン様、
私が驚いて目をまん丸く見開いたのに気づかれたようで、
軽く頭を動かして目で挨拶してくださいました。
著名な方なのに、その心遣いに感動しました。
フィッツパトリックさんは舞台のままの優しそうな雰囲気でした。
日帰り弾丸で、
東京まで数時間かけての往復、
電車を間違えかけたり、新幹線の時刻を何度も変更したり、
色々あって身体は今も疲労困憊ですが、
娘とも久しぶりに会えて
目的のボーン氏のロミジュリも素晴らしくて
遠征のしがいのあった1日でした。
お読みくださりありがとうございました。