クララ・シューマンの伝記は下巻に入りました。

 

今日は感想がメインです。

 

1850年から1855年まできました。

 

クララの人生が大きく変化していく時期です。

 

デュッセルドルフ引越し。

ロベルトが引き受けた現地での仕事は

うまくいかず。

(地域性の違い、相性の悪さと体調の悪さの両方が影響しているようです)

 

クララは子供も増え、

育児と家事で大変な上に、

演奏もあり、

ロベルトの体調もどんどん悪くなり心休まりません。

 

そんな中で

クララの誕生日を一緒に祝えた最後の年の話は

読んでいて泣けてきました。

 

ロベルトとクララの

互いを想う愛情の深さには感動します。

 

ヴァイオリニストのヨアヒムと夫妻の深い親交が始まり、

彼の親友ブラームスが

夫妻を訪ねると、

ヨアヒムとブラームスの名が

日記にたびたび登場するようになります。

 

そこから

ロベルトの体調がさらに悪化、

自殺未遂、入院です。

 

天国から地獄へ。

 

クララの心労は日記につづられ、

読み進む度に涙。

 

クララを支える親しい友人たちの中でも

特にブラームスは

一番の支えとなっていくのが

日記の抜粋からわかります。

 

日記には、

クララが子どもたち宛に書き残した

ブラームスについての言及があります。

 

伝記作家の分析もあり、

クララのブラームスへの想い、

彼女にとってブラームスの存在がどうであったか、

わかってきた気がします。

 

 

恋愛を超えた愛

子どもの頃から無理矢理大人にならざるを得なかった環境にいた2人、

音楽の天才同士だからこそ語り合える音楽・芸術の話や

分かり合える心の絆。

 

(子どもの頃から居酒屋など環境のよくない場で演奏していたブラームス。

学校も休んでツアー演奏、

子ども時代を楽しむ時間は少なく、

演奏会で大人に囲まれた環境と

大人げない振る舞いや感情を見せる実父と恋人ロベルト両者の

なだめ役に回った一番理性的で寛容な心の10代のクララ)

 

魂のつながりとも言えるのでしょうか。

 

しかしこれはブラームスの犠牲があってこそ築けた関係。

夫ロベルトがいたからこそ築けた関係。

 

子どもの頃から常に心の中心を占めた最愛の夫は

自分を愛し続けてくれているのか確認もできない離れ離れの状態

 

会うことも禁止され(状態悪化予防)、

文通もままならず、

回復するかもわからず、

身重の体でひとり出産を迎えなければならない

 

お金もなくなっていく、、、

 

生きる力もなくなりそうな絶望の中、

子供達のために生きて、育てなければいけない。

 

最愛の夫が最後に出会い、

才能を絶賛し愛情を注いたヨハネス・ブラームス。

 

クララが“ロベルトのヨハネス“と呼んだほど

ロベルトが大事に思っていた若き天才音楽家。

 

ロベルトが入院した後、

支えとなるため助けに来てくれたブラームスを

信頼し深い心の絆を感じるのは当然か。

 

他の友人知人と違うのは、

ブラームスが若くて独身なので、

一緒にいなければならない家族もおらず、

ずっとクララのそばで支えることができたこと。

 

それがブラームスの「犠牲」

 

フィリップ・グラス

 

ブラームスがクララにとってどれほど大事な友人であり続けたか

 

子供達へ残したメッセージを読んだ後、

私の心の中はなんとも言葉にできない複雑な想いでいっぱいでした。

 

絶望の中の一筋の光だったブラームス。

 

2人の関係性の複雑さ。

 

そんな気持ちですぐに寝られず、

フォローしているブロガーさんたちの記事を読んでいたら

音楽を紹介されていた記事がありました。

 

聴いてみると、

謎めいた感情にピッタリ過ぎて

吸い込まれるように聴き続けました。

 

 

フィリップ・グラス氏のアルバム

Glassworksの1曲目Opening

ミニマル・ミュージックというジャンル、初めて知りました。

 

クララが

絶望で将来の見えない靄のかかった日々に

ブラームスがほのかな灯りとなって

クララを導いていくようなイメージが

音楽を聴きながら浮かび上がりました。

 

自分と夫ロベルトを我が身のことのように心配し、

そばにいてくれるブラームスに感謝し、

その彼が幸せであってほしいと願い無垢な笑顔に癒されるクララ

 

そんな情景が見えてきそうです。

 

不思議な曲。

なぜだかわからないけれど惹きつけられます。

 

シンプルな構成なので、

もしかしたら私にも弾けるかもと思い、

楽譜を探して1ページ目を見たら、、、

 

四分の四拍子で

左手は8分音符で刻み、

右手は8分音符の三連符で刻み続ける

 

弾けそうで弾けない、、、、

 

そのリズムがまた不思議感を増幅させているような。

 

 

この伝記、

真剣に読むと考え過ぎてぐったりするので

ほどほどにしなければ。。。

 

お読みくださりありがとうございました。

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