ピアノ・リサイタルを聴くために、
東京まで行って一泊。
平日で、勤務中の娘たちとは会えず、
他のプランを入れました。
ピアノ関係で探したら、
古典ピアノを見学できる博物館があったので、
行くことにしました。
娘たちが東京の大学に通っていた頃、
かなり頻繁に東京に行き、
長期滞在もしていたのですが、
その時はこの博物館の存在を知りませんでした。
忙しくて会えないだろうと思っていた友人が、
ダメ元で誘ったら、
その日は空いているということだったので、
一緒に行くことにしました。
東京住まいが長い友人も、
この博物館は知らなかったらしく、初めて。
入館料は無料。
タダなら規模は小さいかな
と思ったら建物も所有ピアノも立派で驚きました。
自動演奏楽器
入館のタイミングで、
自動演奏楽器の演奏があったので聴きに行きました。
昔のからくり人形や、
ストリートオルガン、
蓄音機、
ディスク型オルゴールなどがあり、
いくつかの演奏を解説とともに聴くことができました。
中でもすごかったのが、
自動再演ピアノの
ウェルテ・ミニョン
紙のロールに穴が開いていて、演奏が記録されてます。
ピアニストの演奏の特徴までそのまま再現するそうです。
風のようなゴォーッという音がバックでするものの、
音色は人が演奏している自然さです。
その日は聞けませんでしたが、
サン・サーンス自身の演奏が記録されたロール・ペーパーもあるそうです。
同じタイプのピアノがYoutubeにありました⬆️
古典ピアノ
2階に古典ピアノの部屋がありました。
数は覚えてないのですが、
10台ほど置いてあるうちの半分ほどを
スタッフの方が解説して
クラシック曲を1分ほどずつ演奏してくださいました。
凄いピアノばかりで圧倒されました。
まずピサ・チェンバロ。
1580年~1600年頃製作。
(モーツァルトより昔!)
現存するだけでもびっくりなのに、
その中で今も演奏できるものは世界に4台しかないと
確かおっしゃってました。
そのチェンバロで演奏を聴くなんて、
なんと贅沢なことか。
華奢な軽い音。
黒っぽいヨハン・フリッツ。
これはなんとベートーヴェンのお弟子さんのピアノ。
ベートーヴェンが家に来て教えてたそうなので、
ベートーヴェンも弾いた可能性大だそう。
その音色を聴かせてもらい、
私の心は時空を超えて
19世紀にいるような不思議な気分でした。
コンラート・グラーフというピアノは
5本のペダル。
右端はトルコ式ペダルで、
踏むとベルとドラムが鳴って、
リズムを取りながらの演奏で面白かったです。
コンラートグラーフを使った演奏がありました⬆️
シュバイクホーファーは、
シューベルトが好んで使っていたそうで、
音色が確かにシューベルトの作品に合っている感じがしました。
あとは有名どころの
プレイエルとエラール。
古典ピアノ、
それぞれ微妙に違うのですが、
今となっては一気に色々聴き過ぎて
混乱して忘れてしまいました。
音の特徴は、
やはりどれも軽くて、
鍵盤が浅く感じます。
今のピアノとは
作りと弾いた感覚がかなり違いそうだし、
ツェルニーの練習曲の速度が超速いのも、
この軽さだからこそ、という気もします。
リストが鍵盤をよくぶっ壊したのも納得。
それにしても
よくぞこれだけの貴重な楽器が集められたものだと驚き。
収集と維持には
かなりの資金が必要なのでは。
見応え聞き応えのあった博物館でした。
お読みくださりありがとうございました。