クララの伝記はドレスデン移住まで進みました。

 

ここでジェニー・リンドが登場。

 

彼女は

“スウェーデンのナイチンゲール“

と呼ばれた当時大人気のオペラ歌手。

 

メンデルスゾーンとも音楽活動をした人です。

 

クララはメンデルスゾーンの骨折りで、

コンサートでは

とても良い席を確保してもらって、

彼女の歌声を聴きます。

 

(そしてここでも、

メンデルスゾーンは演奏するのを

クララに譲って弾かせます。

常に気遣いの人です。)

 

クララは彼女の歌声に完全に魅了されました。

 

コンサート後に晩餐会が開かれますが、

そこでリンドの性格を知り、

クララは

“すっかり恋に落ちた“と書いています。

 

素晴らしい歌声の大人気オペラ歌手なのに、

控えめで遠慮がちで物静か。

 

まるでクララじゃないですか。

 

ただ、

リンドに“恋に落ちた“のは

クララだけではなく、

メンデルスゾーンもでした。

 

ジェニー・リンドは

クララの伝記の続きにも出てくるようですし、

娘オイゲニーの回想記にも出てきました。

 

が、

メンデルスゾーンの恋バナが

出てくるかどうかわかりません。

 

ここからは、伝記から離れて、

オンラインで調べた

いくつかの資料から書いていきます。

 

未公開の手紙

 

ウィキペディアにも書かれていたのですが、

 

メンデルスゾーンからリンドに送られた手紙で、

破棄されたものがあります。

 

リンドの夫(メンデルスゾーン死後の結婚)が

彼女のプライバシー保護のためにしたことですが、

破棄に伴って、

その内容についての供述宣誓書が

ロンドン王立音楽アカデミー(RAM)の

メンデルスゾーン奨学金財団に残っています。

 

15年前の情報では、手紙は未公開。

(調べた限り、それ以降も

オンラインにはありませんが、

公開済みかもしれません。)

 

15年前にこの件が

イギリスの新聞、インデペンデントに載りました。

その記事は現在閲覧不可ですが、

BBCに同著者の寄稿がありました。

 

 

手紙は未公開ながら、

著者はRAMのトップと

チェリストのスティーヴン・イッサーリス氏

(先祖をたどるとメンデルスゾーンの直系にあたる)

から情報提供を受けたそうで、

信頼性は高いと思われます。

 

狂おしいほどの恋心

 

メンデルスゾーンはリンドに、

アメリカへ一緒に駆け落ちしてほしいと懇願し、

それが叶わないなら、自殺すると書いています。

 

そしてその数ヶ月後、

メンデルスゾーンは姉ファニーと同じく

脳卒中で亡くなったと言われています。

 

手紙に自殺をほのめかしたから

駆け落ちを断られて自殺

と考るほどの証拠はないようです。

 

「自殺」を考えるくらい

真剣な気持ちだということでしょう。

 

実際に考えたとしても、

実行するまもなく

脳卒中になったと考える方が自然でしょう。

 

過労と、

親密な姉の突然の早すぎる死のショック(彼の死の半年前)、

美しい妻と子供たちの良き夫、父でありながら、

リンドを愛してしまう苦しさ、

リンドとの愛の成就が叶えられない悲しみ、

 

そういったストレスが、

動脈瘤の家系(祖父、両親、姉)の

彼の体質に悪影響を及ぼして、

脳卒中で亡くなったと考える方が自然

 

と著者は書いています。

 

未完のローレライ

 

メンデルスゾーンはリンドのために、

オペラ「ローレライ」に着手するも、

半ばで亡くなり未完となります。

 

ライン川のローレライ伝説は有名ですよね。

 

水の精ローレライは、

美しい歌声で舟人を誘惑し、

破滅へと導きます。

 

メンデルスゾーンは、

この伝説を地で行ってしまいました。

 

最も幸福な作曲家とも言われ、

英ヴィクトリア女王のお気に入りでもあり、

良き家庭人で

生前に才能を認められた

人気作曲家、演奏家、指揮者の彼が、

 

美しい歌声に魅了され

(クララによると性格も素晴らしい)

駆け落ちまで考える。

 

それが叶わず、早逝。

 

彼の人生は幸せそのものに見えましたが、

彼の思いはどうだったのでしょう。

 

幸せってなんだっけ?

 

そんな言葉が出てきます。

 

気分転換のおまけ

 

 

暗めの内容だったので、

最後は明るく。

 

幸せってなんだっけ?の問いに

 

ポン酢醤油が思い浮かぶ方。

私と一緒です。

(このCMのは使ってなくてごめんなさいですが)

 

 

人の羨むような幸せもいいですが、

日々の小さな幸せを実感しながら暮らすのも

人生の幸せ。

 

 

お読みくださりありがとうございました。

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