さて、リサイタルの後半です。

 

長々と書き過ぎなのと、体調がすぐれないので

この回はテンポよく進めたいと思います。

 

 

 自作曲 パルティータ

 

クライバーン・コンクールの課題曲

「ファンファーレ・トッカータ」を作曲された

サー・スティーヴン・ハフ。

 

⬆️「ファンファーレ・トッカータ」

クライバーン・ピアノコンクール、優勝者ユンチャン・イム氏の演奏。

 

サー・スティーヴンの曲はモダンな感じ。

演奏は好きなものの、

作られる曲のタイプは私が得意ではない抽象的な現代音楽系。

 

でもファンファーレ・トッカータは爽やかなジャジーな感じで、好きです。

 

曲については以前ブログに書きました⬇️

 

 

そして今回のパルティータ、

 

全5楽章で

 

・イギリス風で壮大さと感傷的な場面のミックス

・拍子が絶えず変わるカプリッチョ

・モンポウ作品にインスパイアされた2つの楽章

・イギリス風トッカータ

 

と解説にあります。

 

その解説通りのイメージが湧く曲でした。

 

サー・スティーヴンの曲は、

ジャズの即興演奏のような雰囲気があるので、

アルバムで聴くより

生演奏の方がエキサイティングで曲の良さがわかるなぁと思いました。

 

今回のリサイタルで一番のお気に入りです!

 

イギリスらしい壮大さと繊細な美しさが入り混じるところ。

そしてリズムがすごい。

クラシック?ジャズ?刻みがすごい。

身体が動いてしまう。

圧巻!

 

ファンファーレ・トッカータを思い起こさせるフレーズもあり、

サー・スティーヴンのシグネチャーと言いますか、

リズムや旋律に“ハフらしさ“が散りばめられています。

コール・ポーター風なところもあります。

 

すごく楽しい。

複雑で、モダンで。

 

(先日行った、

角野隼斗さんのReimagineコンサートの後半に系統的には似ているかも。)

 

演奏後気づいたのですが、

iPadとスマホが楽譜立てに。

 

次の曲を弾く前に、

足元にiPad等を移動させてらっしゃいました。

 

ここで思い出しました。

 

サー・スティーヴンは自作曲は楽譜を見て弾かれるようです。

(エッセーにも確か

楽譜を見て弾くことについて書いてらっしゃいました。)

 

 リスト 巡礼の年 イタリア、ペトラルカ

 

この2曲、

美しかった、素敵だった

というぼんやりした記憶しか今残ってません。

 

というのも次の「ダンテを読んで」の印象が強くて

一気に吹き飛んだからです。

 

 リスト ダンテを読んで

 

ソネットにうっとりしていたら、

ダンテの始まりの、あの不吉な下降音の繰り返し。

 

お花畑からいきなり奈落の底へ突き落とされます。

 

激しかった。

 

一瞬、きらめきのように美しい旋律が

息継ぎのように現れますが、

あとは暗黒の激しさ。

 

サー・スティーヴンの

うめきのような深い声も響きます。

 

席からは鍵盤は見えないものの、

やはり分身の術のように指が風をきって動きます。

 

「ダンテを読んで」は

昨年行った

アレクサンドル・カントロフ氏のリサイタルでも

最後の曲で、

ものすごい迫力で感動しました。

 

どちらも素晴らしかったです!

 

カントロフ氏の時は

地獄の釜の淵で悪魔のダンスを見ているような気分でした。

 

今回のサー・スティーヴンの演奏は、

地獄の釜に落とされて、

一緒に苦痛にうめくような体験でした。

 

リサイタルの会場、トッパンホール

 

次は、アンコールやペダリングなどについて書きたいと思います。

(多分最終回です)

 

お読みくださりありがとうございました。

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