好きだとブログに何度か書いた、

ブラームスのピアノ協奏曲。

 

今回は第1番の「ブラームスのトリル」で

思い巡らせたことを書こうと思います。

 

ピアノ再開前は、

トリルが大変だとか、

テクニックについて何も知りませんでした。

 

ブラームスのトリル。

 

ウィキペディアにもありました。

 

第1楽章に出てくるトリルは、

右手の親指と薬指でオクターブ、

小指で1つ上の音を続けて演奏する

トリルが有名なんだとか。

 

想像するだけできつそう。

 

大変なので左右の手で

交互にオクターブを弾くピアニストもいると書いてあります。

 

第1番のアルバムのレビューを読むと、

このトリルが上手いとか今ひとつ、

など書いてあるのも、

みたことがあります。

 

いつだったか、

BBCのラジオで、

第1番の演奏と、

その背景を語る番組を聴きました。

 

第1番を作曲していた頃、

ブラームスは若くて、

人生で大変な時期だったとか。

 

師と仰ぐシューマンは病み、自殺未遂。

シューマンの妻クララには恋愛感情。

 

実際の関係は

友人であったか、

それ以上だったかわかりませんが、

 

シューマンの自殺未遂は、

妻とブラームスの恋愛関係を疑って、

という噂もあり、

そのこともブラームスを苦しめたとか。

 

⬇️ここにもその件について書かれています。

 

ラジオ番組で語っていたのは

サー・スティーヴン・ハフだったのですが、

 

ブラームスのトリルは、

小指を使うトリルが難しくて、

他の指を使って滑らかにするピアニストもいるけれど、

ここは敢えて

小指で大変なトリルに意味があるから、

そのままでする。

 

というような話でした。

 

つまり、

非常に辛い時期にいたブラームスの

苦悩の叫びを表現するには、

大変難しいトリルによって成立すると。

 

軽やかにできるトリルでは

ブラームスの気持ちにそぐわない。

 

それを聞いた時に、

なるほど、そうなのか、と腑に落ちました。

 

芸術って深いなぁとも思いました。

 

美しいから、やりやすいから、

そういう表面的なことじゃなくて、

もっと深いところから表現するんだなぁ、と。

 

でも、

何も知らないで音楽だけ聴いたら、

わかるかもしれないし、わからないかもしれない。

 

難しいなぁ。。。

 

瀕死の白鳥

 

 

ブラームスのトリルの動き、

意味、表現に思いを馳せていたら、

ふと、

ニーナ・アナニアシヴィリの瀕死の白鳥が頭に浮かびました。

(ニーナは一番大好きなバレリーナです)

 

 

ブラームスのトリル

オクターブと小指の動きが、

瀕死の白鳥の腕の動きとダブりました。

 

生きようと必死でもがく白鳥と

愛と苦痛の、

複雑な思いに揺れる中を、

もがくように表現されたトリル。

(妄想が過ぎる!?)

 

ニーナの瀕死の白鳥、

実際に舞台を見たことがあります。

 

すごかったです。

 

この映像でもありますように、

腕の動きが羽を震わせるような

人間が踊っていると思えない次元を超えたバレエでした。

 

白鳥が死にかけているのに拍手!?!?

 

と心に葛藤が起きながらも、

やはり実際見た時も、

あまりに見事なテクニックに

皆、拍手しました。

 

 

芸術ってすごい。

 

お読みくださり、ありがとうございました。

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