今年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールは、
韓国のイム・ユンチャンさんが
大会史上最年少の18歳で優勝。
おめでとうございます。
ずっと聴いてらした方や、ご専門の方々にとっては、
予想通りの結果のようですね。
イムさんの演奏で聴いたのは、
リストの超絶技巧練習曲全曲の途中まで
(一気に全曲聞くには内容が濃くて力尽きた。。。)と
ファンファーレ・トッカータ
そしてファイナルの
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
専門家のディストラー氏のブログには、
演奏後、
結果が出る前からイムさんへの賛辞がすごかったとあります。
ディストラー氏自身も、
全くよどみなく難なくこなし、どの速度でも完全にコントロールされたラフ3は、
疑うことなく、その夜の人気をさらったし、聴衆を熱狂させた
と書いています。
ディストラー氏のブログはこちら⬇️
ラフマニノフのピアノ協奏曲全曲は、
今回審査員の1人である、スティーヴン・ハフ氏のを聴いたことがあります。
これです⬆️
ハフ氏はラフマニノフのピアノ協奏曲には強い思い入れがあって、
ラフマニノフ自身の演奏を継承した自分のコンチェルトを
このアルバムで表現しています。
ハフ氏は1996年からハイペリオンでアルバムを出しているのですが、
ハイペリオンが、
氏の希望通りの演奏をしてくれるオーケストラと指揮者を見つけるのに、
何年もの歳月がかかっているほどです。
ハフ氏のこのアルバムの評価は非常に高く、
賞をいくつも取っています。
私も大好きなアルバムの1つです。
そして、今回のイムさんのラフ3、
見事でしたね!
とても惹きつけられました。
イムさんのファンファーレ・トッカータもそうなんですが、
18歳とは思えない、曲の深い理解力、解釈、
それを演奏で表現してしまう実力。
テクニックのすごさで圧倒するというより、
すごいテクニックで出てくる表現が
イメージとして湧き上がるような立体感。
私が言葉にすると陳腐になるのですが、
もしご視聴まだの方は、こちらです⬇️
お聴きになった皆さまは、どう取られたか、
私は15分50秒過ぎからのモチーフの演奏に圧倒されました。
引き算の表現というのか、
なんでしょう、、、
繰り返し出てくる中で、
ここで、この表現。
衝撃でした。
(アマチュアの感想なので、
えーっそうかなぁ?って思われたらごめんなさい)
メロディアスな箇所はしっかり歌わせるけど、
全体的には、センチメンタル過ぎない流れは、
ハフ氏と系統が似てるかなと思いました。
(音色や表現その他諸々は違うのですが)
フォルテのところは、
イムさんは、
強さ、音の深さよりも、鋭さが際立つ気がしました。
細マッチョな音。
そして、
時はさかのぼって、
1次予選の課題曲。
Fanfare Toccata
審査員のハフ氏の作曲。
曲の真ん中あたりの、
イムさんのルバートについて、
ハフ氏がTwitterに優勝の祝辞と共に
コメントされています。
曲真ん中辺りの、羽目を外し加減のルバート
naughty rubato、
作曲家承認とあります。
ショパンの演奏では、
伸びやかなルバートで魅了するハフ氏ですから、
きっとお気に召されたのでしょう。
ファンファーレ・トッカータ楽譜付きのイムさんの演奏です⬇️
これも舌を巻きました。
曲の咀嚼力とその表現力。
躍動感とキラキラ感。
グルーヴを感じました。
作曲家の思いをしっかり受け止めてる感じ。
茶目っ気を感じる終わり方もナイス。
聴いてて楽しかったです。