進行性核上性麻痺(PSP)はhummig birdだけじゃない! | 水戸済生会総合病院 臨床研修ブログ

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皆さんこんにちは。今日は私と

一緒に『進行性核上性麻痺(PSP)』

について勉強しましょう。

 

国試受験のときは、PSP=humming 

bird signという一対一のキーワード

しか覚える余裕がなかった私ですが、

総合内科をローテーションしている

際にParkinson病とPSPの鑑別につい

て学ばせていただきました。拙い

文章ですが、私のアウトプットのため

にも勉強したことを共有させていた

だきます。

 

①PSPってなに?

パーキンソニズム(安静時振戦、筋強剛、

無動、姿勢保持障害)をきたす疾患の

中でParkinson病についで頻度が高い、

中年以降に追好発する神経変性疾患。

 

パーキンソニズムのうち、安静時振戦

はマレ。これがあったらPSPかも?と

考える特徴的な所見は、眼球運動障害

(垂直性核上性注視麻痺=注視できな

い、特に下方視、発症3年程度で出現)、

頸部後屈(四肢<体幹に目立つ筋強剛)、

早期から転倒しやすい(姿勢保持障害

のため)皮質下認知症、偽性球麻痺

(構音障害や嚥下障害)など。

 

進行例では、頭部MRIで第3脳室の拡大

や中脳被蓋の萎縮(←矢状断でhumming

 bird signがみられる理由)がみられる。

大脳基底核と脳幹を中心にタウ蛋白が

異常蓄積するが、その機序は明らかでなく、

現時点で有効な治療法はないため対象

療法を行う。

 

予後としては4~5年で寝たきりとなり、

5~9年で衰弱で死亡と、進行が速いのも

特徴。

 

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