今回も前回に引き続き、
アラレちゃんの症例解説です。
39歳女性
主訴:尿失禁
3経妊3経産。2人目の産後から咳や
くしゃみでときどき尿漏れを自覚した
ため、パットをあてて生活していた。
3人目の産後、仕事の時や、おもいきり
笑った時、子供を抱きかかえる時は
ほぼ必ず漏れるように。趣味だった
ジム通いや友達との旅行も不安で
行けなくなってしまった。
解説:
残尿は0ml。咳ストレステストで失禁、
パットテストで100mlの失禁を認めました。
病歴からもお産を契機とした腹圧性
尿失禁ですね。
女性は骨盤の底を骨盤底筋や靭帯で
支えているため、お産、加齢、便秘に
よる筋損傷や筋力低下が腹圧性尿失禁
のリスクとなります。
最近、骨盤底筋体操がテレビで取り上げ
られることも多く、耳にしたことのある
患者さんも増えてきました。
でも、実際の外来では、うまく収縮できて
いる方は意外と少なく、逆に腹圧を
かけてしまっていて、「やめてー!」
と言いたくなる方もいます。
(言うは易く行うは難し)
といっても診察は専門外来でないと
難しいので、一般外来レベルでは
「肛門をしめる」というように教えて
あげてください。
おしっこのトラブルは頻度が多いにも
かかわらず、羞恥心から相談できずに
我慢している人も少なくありません。
体は健康なのに、おしっこのことで
生活が制限されるのはもったいない
ですよね。
命にかかわる疾患ではありませんが、
患者さんが、これから笑って過ごせる
ように、いつもより少しだけ注目して
みてください。
(アラレちゃん)
順調にPICC挿入終了
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