キエフの聖ミカル教会(ウクライナ正教会の寺院)で、ウクライナの若いカップルが急遽結婚式をあげたことが報道されいていた。
男性はウクライナの正規兵で戦場へ、若い妻も志願兵となるということで、若い二人は急いで結婚だけはしようということらしかった。
ウクライナには長い正教会による宗教的伝統があり、東ローマ帝国の流れにつながる東方正教会が生活の中に根付いている。
同じ国の中でも西はウクライナ正教会に、しかし東ではロシア人も多く、ロシア正教会につながっている教区も多いそうだ。
実際に独立したウクライナ正教会(autocephalous Orthodox Church of Ukraine)に所属したのは7000教区、ウクライナ人正教会(the Ukrainian Orthodox Church、別名モスコー正教会)には12000教区がつながっているそうだ。
ウクライナの宗教はウクライナ正教会だけでなく、カトリックもユダヤ人も無神論者いる。ウクライナ正教会に熱心に通う人は60%と意外と少ない。しかしイースター、クリスマスには皆が教会へ参集し、子供は残らず、洗礼を受けている。ウクライナ人としてのアイデンティティが強まったのは、ソ連崩壊後に、ウクライナとして独立して以降だそうだ。ソ連の中では、教会はクレムリン政府によって厳しく統制されていた。そして、今でもロシア政府はロシア正教会を厳しく統制しているだろう。
ウクラナイ正教会は2018年、2019年にロシア正教会から分離独立したことが東方正教会の中で確認されたそうだ。
ロシア正教会の管轄下だったウクラナイ人たちの教会が反ロシア的になったのは、2014年からである。この時、ロシアによる東部地域の侵攻から始まった年である。しかし、ロシアもロシア正教会も、その独立に反対したそうだし、ウクライナの宗教的精神が西側に向かって、改革されることをプーチンはひどく嫌ったという。 プーチン一人で起こした戦争は宗教戦争ともなっている。
東西ローマ帝国の分断は民族的に分断からもともと起きたと思われるが、今回のプーチの西側への敵意の背後には、カトリック圏、プロテスタント圏への敵意がある。
今回のロシアによるウクラナイ侵略は、2つの正教会同士の戦争を引き起こしてしまっている。ロシアの兵士はロシア正教を信じているし、ウクライナの兵士はウクラナイ正教会を信じている。
アメリカでソ連崩壊以降から、NYでウクラナイ正教会の大司教をしている聖職者の発言がありました。ウクラナイ正教会は、ロシア正教会は過去の教訓を繰り返しているにすぎないと発言している。ただ、どちらも平和を祈りつづけている。
ロシアによるウクライナ侵攻をロシア正教会が追認しているらしいのです。それがreligious politicanに表現されていました。
ウクライナの大司教は、ロシアの大司教(Moscow Patriarch Kirill)は「a religious politician」と語るのです。
ロシア正教は平和の祈りを続けていると言いながら、政府の蛮行を正当化しているようです。
ロシアによる侵略に対して、ウクラナイ正教会の大司教は、「プーチンは反キリストであり、現代のヒットラーである」と語り、そしてロシア正教会の大司教をあざける演説を教会のミサでしたという。 モスコーよりの教区もカトリックもウクライナ人はすべてロシアの侵略には反対だという。
同じ正教会の信仰をもったもの同士が、戦争をすることに深い悲しみがあります。同じ神を信じながら、その民族や歴史の違いから人間同士が殺し合うという。ソ連が一つの時はそのようなことはなかった。しかし、ソ連崩壊後、西側に文化的にも開かれるウクライナの在り方をプーチンは嫌った。 こうして平和を信じながら、同じ信仰の伝統をもちながらも、ロシアは武力でロシアよりの傀儡政権の樹立をめざす。
独裁国家の末路がどうなるのか、我々は歴史的な目撃者として事態の打開を祈るばかりだ。
プーチンの思考構造は「ウクライナはロシアの領土であり、ロシア正教会による精神的かつ領土的な支配が及ばねばならない。」正教会は元来、国会主義的な志向性が強いが、ロシア正教会による失地回復(かつてのロシア帝政のもとのロシア帝国の版図の回復)の野心とプーチンの政治哲学が結託して、今回の侵略が起きたという。2019年のウクライナ正教会がロシア正教会から独立したことは、全くゆるされなきことであった。これが戦争を原因だとアメリカの元軍人・歴史家は語る。
正教会の国家主義がいかに悪い方向にいくか。 またcivil religionの悪しき例としてのアメリカ国会議事堂襲撃事件もあるという。



