「きっかけみたいなことはありましたか?」
「…」
「例えば、仕事で上司に激しく叱咤されたとかーー」
いえーーそれは普段からーーそうなのです。
「何かあなたにとってーーそのーーショッキングな出来事がーー最近ありましたか?」
ドクターはメガネを触って、小さな声で言った。
いえーーそんなことはーー?
解りません。
最近色々なことがありましたがーー。
それは過去にもあったし、今回が特別ーーではないのです。
ドクターは、ふむーーっとカルテに目をやった。
「落ち込んだ症状を緩和する薬がありますがーー最近認可された薬で副作用も少ないものです」
はあーー。
そうですか?
ぼくは、そもそも、そんな薬を飲んでハッピーになって、だからどうなんだろう?
ーー先生、こころとはなんですか?
ーー先生、からだとはなんですか?
こころってのは、ぼくの脳が作り出しているものなのですか?
っていう問い飲み込んだ。
とりあえず、ぼくの脳が認識している現実社会に戻った。
「大丈夫?」
上司の言葉。
はあ、なんとか。
まあ、たまにはスイッチ切っちゃうか!
色々考えるとやってられないし。
脳は人体のパーツ。
で、あるなら、DNAレベルであらゆる生物が存続をするようにプログラミングされているのに、何故、日本で年間3万人以上自殺者が出るのか?
種の存続に反する。
こころ
とは?
脳が創り出したものではないのか?
こころはどこにあるのか?
まあ、わかんね~から、とりあえず酒飲んじゃうさ!
薬?
脳とこころが別ならそんなもんで本当にハッピーになれるわけねーだろ!