心臓が… | ときには真珠のように

ときには真珠のように

思考は光速を越える

「今まで、レントゲン検査で心臓のことを言われたことはありませんか?」
医院長先生は慎重に言った。

ああ、きたか!

「心臓がですね・・・、少し大きいですね。ほら、このあたり、影が出てる」
医院長先生はそう言って、電子カルテに「心肥大」と打ち込んだ。

ああ、またか!

ぼくはこれまで会社の健康診断の胸部レントゲン写真検査で何度も異常ありとされている。

影があります―。

会社に入って2年目か、3年目。
最初、そう言われたとき、肺がんかと思った。

総合病院で精密検査。
CT。MRI。
影の正体はわからなかった。

「これは、もう、切開手術して中を見るしかありませんねえ」
「ええっ!ちょ、ちょっと待ってください!」
「入院することになりますね。次回の診察のときに意向を聞かせてください」

胸が痛いなどの症状はまったくなかった。しばらく悩んで手術の決心をして、その病院を訪ねると、担当の先生がお休みだということで、、別の先生が診察。

「ああ、これは心臓が曲がってますね。少し曲がってついてる。だから影が出ちゃうんですよ」
「曲がってついていると、まずいんでしょうか?」
「まあ、いいんじゃないですか」

それ以来、レントゲンに影が出ることが何度かあって、そのたびに精密検査をするように会社の診療所から言われた。
「いや、だから、去年、診断書だしてるでしょ。心臓が曲がっているんですよ」
なんだか、心が歪んでいるようで、言っている自分がはずかしい。

今回もそういうことを医院長先生に話した。

そういえば、心電図でも何回も異常がでている。
心拍数が少ない。心臓が動くのが遅い?
で、何度も再検査。再検査なしの方が少ないよ。
で、結局異常なし。

今回は「心肥大」か。
異常に慣れてしまっていると足元をすくわれそうだな。
久しぶりに精密検査してみるか。