海の音実家は海の近く。わずかばかりだが、砂浜があった。思春期のころ、いろいろなことがあって息がつまってしまうと、夜、家を抜け出し、砂浜に寝そべって、海と空を見ていた。潮風と波の音。空には星と月。黒い海が、静かに、しかし、心強く、ぼくのこころと一緒にあった。なんとなく、こころが落ち着いた。いい環境だったな。最近、息がつまってしまうと、あの海を思い出す。今度実家に帰ったら、あの海の音を聞こう。ぼくのふるさとの海の音を聞こう。あの海は、ぼくをこころよくむかえてくれるだろうか?