「よう!」
「やぁ!」
「――はぁ」
『兄です、双子の』と紹介された佐藤のお兄さんは”佐藤愛歌の男版”でっす!という感じではなかった。
背の高い彼を見上げて、俺は気の抜けた返事しか出来ない。
そんな俺を彼は愉快そうに見下ろしている。
はっはっはっは。
――そんな屈託の無い笑い方の豪快さは似ているかも。
髪がやや柔らかく波うっている所や、日本人にあるまじき栗色の髪質が二人を血縁なのだと物語ってくれている。
せいぜいそれくらい。
「装備は完璧だな!同士よ!」
「何のっすか」
「もちろん!この鈴白商店街・THE・くりすます★商戦を戦い抜く仲間だよ」
「そっすか・・・・・・」
「似合ってるよ~斉藤!」
「そりゃどうも・・・佐藤こそ」
力なく言葉を返す俺の格好と言えば、クリスマス定番のサンタ・クロースである。
たいする佐藤も同じく定番。サンタ・ガールである。
ちなみに佐藤・兄は、トナカイの着ぐるみで、今はまだ頭は装備されておらず、何とも珍妙なナリだ。
俺はそんな想いを飲み込むためにも、付け髭をみょん、と引っ張っては戻すを繰り返す。
「あの・・・そして、彼女は?」
「――伊藤です」
「彼女も今日の仲間だ!」
お兄さん嬉々として答えるが、伊藤さんはものすごい『うんざり』してますよ?
始める前からもう、帰っていいですか?オーラ全開ですよ?
「よろしくお願いします、伊藤さん」
佐藤が丁寧に頭を下げたら、少し雰囲気が和らいだから助かったけど。
「斉藤君!伊藤さん!――今夜は帰さないゼ★」
「「帰してください」」
伊藤さんと声がだぶった。
辺りに流れるジングル★ベルに合わせて、トナカイもどきが手にしたベルを一振りした。
カランカラン・シャラン!
ま~さ~に~商店街のくじ引きっぽい響き。あ、小学校のプールの時間に「もう上がってね」の合図にも似てるな。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
チーム「SAI党(藤)」ってことでヨロシク!
よろしくしたく・・・ねー
俺たちの目の前には、山と詰まれたケーキがあった――。