バスケットにおいてドリブルは、正しい使い方をすれば素晴らしい効力を発揮するが、間違ったドリブルは自分たちにピンチを招き、相手にチャンスを与える。そして、正しいドリブルテクニックを身につけていないために、コート上でたくさんのミスを犯している。
ドリブルの技術を何とか向上させようとしているが、その努力はなかなか実を結ばないことが多い。なぜなら正しい方法に基づかない、ドリブルのコツを知らない上での努力だからだ。逆にいえば、よいドリブルとはどんなものかを知れば、ドリブルを上達させることができる。
ドリブルの基礎技術を底上げするメニューとコツ
よいドリブルの条件5つ
ドリブルは手のテクニックではない。手先が器用になりさえすれば、ドリブルが上達すると思うのは大きな間違いだ。
ボールハンドリングと同じように、ドリブルは体のすべての筋肉を使ってボールを制御する全身運動だ。手先を鍛えてもドリブルは上達しない。体幹や足腰の強さ、バランス感覚や重心移動などを含めた敏捷性が、ドリブル力の向上に不可欠だ。
「1.広い視野を確保している」
状況によってつくべきドリブルの種類や位置は変わる。それらを的確に判断するために、、よいドリブラーは決して顔を下げることがない。
「2.ボールをコントロールしている時間が長い」
いいドリブラーはドリブルが速く、弾んでいる時よりも手で柔らかく制御している時間のほうが長い。これによって、状況に応じて絶えずボールの動きを変化させることができ、無防備な時間を減らすことができている。
「3.柔軟な肩と手首をもつ」
ボールへのアプローチをより正確なものにする。
ドリブルはボールを弾くのでもなく、床にたたきつけるのでもなく、床にパスをして正確に支配下に返ってきてもらうために行うものだ。
「4.重心を母指球にしっかりのせ続けられる」
この点がドリブルが苦手な人と上手い人を分ける最も大きな差になっている。棒立ちになったままドリブルをしてみよう。もしその状態でディフェンスに襲い掛かられたら、とっさに左右に移動することはできないとわかるだろう。
よいドリブラーは行くべき方向に瞬時に身体を移動させられる。そのためにひざは曲がっており、体重は足の拇指球周辺にのせていて、ディフェンスと対峙しているかぎり、いつでも素早い動きができるような状態を崩さない。
「5.上半身を立ててドリブルする」
素早く動くためにひざは曲がっているが、上半身は起き上がっていることで、視野の確保と素早い移動を同時に可能にしている。
具体的には次の動画を見て欲しい。
これはリンク栃木の田臥選手のアップ動画のドリブルだが、素早いドリブルの切り返しの最中も、決して上半身がおじぎをせず、胸を張った姿勢でいるのがわかるだろう。上半身を立てたほうが足は前後左右に素早く動いてくれることを忘れてはいけない。
ドリブルが得意な選手は平面のディフェンス力にも優れているケースが多い。ドリブルが得意な選手というのは、上半身を立てて足によく体重をのせ、クイックな動きが可能な状態を保つことに長けているからだ。これは手先が器用であることよりも、ドリブルにとって大事なことだ。
この5つの条件について、自分と照らしあわせて欠けているものが、あなたのドリブルテクニックを優れたものにできていない理由だ。
よいドリブルの5つの条件
1.広い視野を確保している
2.ボールをコントロールしている時間が長い
3.柔軟な肩と手首を持つ
4.重心を母指球にしっかりのせ続けられる
5.上半身を立ててドリブルする