教育の目的を考える というテーマで
三宅 秀道 著『新しい市場のつくりかた』を取り上げ、
連載をお届けしています。
0.イントロダクション:三宅 秀道 著『新しい市場のつくりかた』
1.「需要を開発する、それが文化開発だ」
2.「文化開発に必要なもの」
3.「文化開発が行われる組織を築くために」
■文化を開発する人はどんな人?
前回の内容をまとめると、以下のように書くことができます。
需要側に商品を受け入れる素地がなければ、商品を供給することはできない。そのため需要側の文化を開発する必要がある。
しかし、この文化開発について正解というものはない、と筆者は主張します。
“「良い商品」の正解はすでに決まっているという仮定にたつなら、戦略とかビジョンとかなんとか難しいことはあまり考えずに、ただ無難に「調べ物」をこなしていても、外野から文句を言われる心配がありません。
(中略)
しかし実際には、「良い商品」の正解が何かという問いの答えは、あらかじめ決まっているものではありません。こちらの働きかけようで正解にも不正解にもなりうるのです。なぜならば、商品の良さというのは文化的・社会的文脈における価値の問題であって、技術論で完結しうる機能の問題ではないからです。”
しかし、正解がないとはいえ、文化から開発するような商品そのものの打率の高い人はいるといいます。
それは、以下の様な条件の人だと筆者は分析します。
1.社交性を広げており、いろいろな人からもたらされる問題発見のきっかけ
となる情報に引っかかりやすい
2.潜在的な解決手段の近くにいる
3.情に厚い(なんとしても解決してあげたいと思う)
4.勇気を持ってそのネタを掘り下げられる立場にある
最近、「コミュニケーション力」とか「対話力」といった言葉が聞かれるようになったのも、こういうことが背景になっているのかもしれませんね。
次回に続きます。