■イヌの世界
イヌは青色と黄色の2色の世界に住んでいるといわれています。
青・紫系の色は青に近く、赤・オレンジ・黄・緑の色は全て黄色っぽく見えます。
したがって、天気のいい空は青なので、フリスビーなどで遊ぶときは黄色やオレンジがよいことになります。
逆に、草地で遊ぶ場合は、赤い色のおもちゃは地面の色と似るために見分けがつきません。
例えば、青いボールでしたら、イヌにはよく見えます。
愛犬家の方は、このあたりはご存知だと思います。
■鳥の世界
これに対して、ヒトよりも色を見極める錘状体細胞が発達している鳥は、紫外線にも反応します。
スズメなど鳥の中には、人間から見るとオスとメスの区別ができないものが少なくありません。
実は、鳥は、紫外線の反射率がオスとメスで違うため、紫外線の反射によってオスとメスの区別をしています。
さらに、メスは、紫外線反射率の大きなオスに惹かれるといいます。
これとは別に、鳥が花の蜜を探す際も、紫外線を利用しているとの研究があります。
花弁の周囲は紫外線を反射しやすいため、鳥の眼にはよく見えるとのことです。
以前、話題になったカラス除けの黄色のゴミ袋では、カラスは黄色が嫌いと報道されていたようでした。
しかし、紫外線を遮断する顔料が入っていたためゴミ袋の中味が見えないというのが事の真相でした。
■人間の世界
では、わが人間世界における色の区別の特徴はどうでしょうか。
2色の区別といえば、トイレの標識が身近な例です。
男性用トイレは「ズボン姿で黒色または青色の標識」、女性用トイレは「スカート姿で赤い色の標識」が多数派でしょうか。
この色と姿の組み合わせは、姿に多少差異はあっても、諸外国でも同様の標識が用いられています。
男女の姿を変えずに色だけ逆にした標識にした実験をしたところ、面白い結果がでたそうです。
日本人は色を重視して(惑わされて?)ほとんど男女とも間違ったトイレに入ったとのことです。
これに対して、外国人は標識の姿を重視し間違いが少なかったとのことです。
3色での区別の典型例は信号です。
そもそも、なぜ「赤・黄・青」の3色でしょうか?
一番重要な「止まれ」にするためには、赤が一番遠くから見える色だからです。
次に青は、赤の次に遠くから見える色でかつ安心する色であることから「進んでもよい」という意味になりやすかったといいます。
最後に黄色は、子どもの帽子、傘、レインコートなどでわかるように、雨や霧の中でも一番よく見える色だからです。
実は、国際標準では、「レッド・イエロー・グリーン」が信号の3色です。
なぜ、ブルーではないか、あるいは日本では緑でないか不思議ですね。
4色から7色は省いて、8色による区別をご存知でしょうか?
競馬です。
1枠から、白・黒・赤・青・黄・緑・橙・桃の順番に色があてはめられています。
枠番号は騎手の帽子の色で見分けることができます。
ちなみに、米国などの競馬は枠順の色も違ううえ、帽子ではなくゼッケンで区別するそうです。
結局、人間における色の区別は色々ですが、機微に応じて反応できるかが重要です。
以上、押さえるべきところはきちんと押さえて、いざというときに頼もしいのが”雑食系”の色の区別です。
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