今、組織のコミュニケーションのあり方がとんでもなく面白くなってきている(2) | mitemoのブログ

昨日の続きです。


2.組織の実現力の要となるコミュニケーションを阻む「職場で孤立する個人」


働く個人のもとには毎日100通以上のメールが届けられます。また、多様化し、変化し続ける職場では隣の人ですら何を考えて(何に悩み、何をやりがいに思い)仕事をしているのかが分からないということも少なくありません。優秀なマネージャーはかつてよりも遥かに多い部下を従え、一人一人にどのような指示を出し、コミュニケーションをとればよいかを苦心しています。今、個人は組織からも職場からも孤立しはじめているのです。


そんな中で経営トップは組織にとっての道標とも言える経営方針、メッセージを社内外に投げかけています。上場企業の経営計画を読めば、

「シェアの拡大」
「収益構造の改善」
「グローバル化の推進」
「人材育成」
「変革」

これらの言葉が様々なところで使われています。これらの言葉は本来分かりやすくシンプルなもののように思われます。しかし、現場の一人一人が具体的に何をすべきか?を考え行動するためには、あまりに曖昧で抽象的なものでもあります。組織の戦略が実現されるためには、現場の一人一人がWHY「なぜ今、シェアの拡大なのか?」を理解し、WHAT「何をもって成果と定義するのか?」を明確にし、HOW「具体的にどうやってシェアを拡大すべきなのか?」を自ら考え試行錯誤を繰り返していくことが不可欠です。そしてこれら3要素を成り立たせるために組織の「コミュニケーション」が存在します。


従来型の組織のコミュニケーションとは、

・経営トップが発したメッセージを役員・部長が受けて自部門の方針を定義する
・役員・部長の方針を踏まえ、課長が課としての目標と計画をたてる(多くの場合1年間の計画がたてられます)
・課長の計画を踏まえ、係長やチームリーダーがより短い期間での目標と達成計画をたてる
・それらの目標と達成計画を踏まえて現場の一人一人が個々の目標をもち、行動していく

というプロセスを経ていきます。マネジメントやリーダーシップ、マーケティングやファイナンス・アカウンティング、コーチング、ファシリテーション、、、様々な管理職向けのトレーニングメニューが世の中に溢れていますが、これらは要するに上記のような組織のコミュニケーションの要となるミドルマネジメント層(課長や係長)の能力を高めるために存在しています。


しかし上述のとおり、職場の環境は日々変化し、個人がどんどん孤立していっています。その中でミドルマネジメント層に依存した従来型の組織階層的なコミュニケーションは、今後間違いなく成り立たなくなります。従来型の組織コミュニケーションを前提とした組織マネジメントに執着している限り、これからの競争社会において勝ち残れなくなる、と言っても過言ではないでしょう。




~次回に続く~