雑食系の読解力~数字の読み方 | mitemoのブログ

数字の見せ方については、以前お話しました
(「雑食系のプレゼン力~数字の見せ方」http://ameblo.jp/mitemo-mitemo/entry-11107394183.html
今回は数字の読み方について、雑食系ならではのコツを伝授いたします。


■「ノンカロリー」はゼロではない?

「ノンカロリー」がゼロカロリーでないというのをご存知でしょうか?
栄養表示基準では食品100gあたり5kcal未満なら「ノンカロリー」の表示が認められています。
確かに5Kcal未満ですからゼロカロリーの食品もあります。
いってみれば、四捨五入してゼロに限りなく近いとか、誤差みたいなものだと評価しているのです。

ちなみに、ノンシュガーはノンカロリーではありません。
確かに、砂糖やブトウ糖などの糖分は全く含まれていませんが、少量ながらカロリーはあります。


■水分が入っても「果汁100パーセント」?
ノンカロリーに対して、果汁100パーセントはいかがでしょうか?

実は、ストレート果汁100パーセントと濃縮還元100パーセントの2種類あります。

ストレート果汁100パーセントの場合、本当に果物の汁しか使用していません。
したがって、感覚的にも果汁100パーセントといえそうです。

しかし、世の中の圧倒的多数を占めている濃縮還元100パーセントの場合、ちょっと勝手が違います。
果汁から水分を取り除いてドロドロにした果汁に水を足しているものです。
成分上はホンモノに近いですが、厳密に考えると果物から100パーセント得ているわけではないのです。
もっとも、香りなど本来の果汁の味に近い形に調節し水を加え”元に戻している”と解釈できます。
果実が収穫できる時期に限りがありますので、保存が効く濃縮還元100パーセントはそれなりに意味があります。

ここでも、アバウトに見るか厳密に見るかで評価が異なってきます。


■内定率、利益などは高ければそれでよいか?
就活における数字も、その意味するところを注意しないといけないものがあります。

内定率が典型的です。
内定率は、「就職決定者数÷就職希望者数」です。
もっとも、分母の就職希望者数の中に就職を諦めた人が含まれていない点、注意を要します。
公務員浪人、大学院にやむなく進学した人、フリーターになった人などは含まれません。
これに対して、「就職決定者数÷卒業者数」という就職率がありますが、これとて実態感覚と多少ずれています。
分母で就活がうまくいかず留年をした人が除かれているからです。
さらに、分子の就職決定者数に、内定を複数もらったケースを単純に合算している学校もあるそうです。


希望する企業の数字について、利害関係者(ステークホルダー)という観点を抜きに評価はできません。
市民、経営者、株主、銀行などの立場と社員の立場は違います。
利害関係者すべてに好ましい数字をアウトプットしている企業は実際多くありません。
例えば、利益を出し配当を出すために、人件費を削減しているとなれば、ほとんどの株主は賛成です。
しかし、多数の社員にとって喜ばしい状況になっているかは疑問です。


以上、押さえるべきところはきちんと押さえて、いざというときに頼もしいのが”雑食系”の数字の読み方です。