■歩行者のマナー~右側通行か左側通行か
エスカレーターと同様“郷に入っては郷に従え”がよいのは歩行者の通行です。
不思議ですが、道路交通法では歩行者は右側通行が原則と定められています。
しかし、厳密に言えば、法律違反が横行しています。
典型的に、繁華街では、自然と左側通行になっているところが多いようです。
夜の繁華街では、酔っ払いなどに絡まれないためにも左側通行がよさそうです。
人間の自然の行動という点に着目しますと、左側通行のほうに分があるからです。
杓子定規に右側通行などすると、因縁をつけられる可能性があります。
実際、電車などの乗り換え道などでは「ここでは左側通行」という表示をみかけます。
通路の構造上の問題だけではないような感じがします。
いずれにしましても、繁華街などにおける歩行で独自性を出すのは大人気ないでしょう。
ちなみに、1949年までは歩行者は左側通行でした。
さらに言えば、江戸時代、武士の作法(マナー)として、歩行は右側通行でした。
武士は左側に刀を差していたため、前方から来た武士に抜き打ちに切られないようにするために、右側通行が守られていたようです。
ところが、明治時代になり文明開化の影響を受け左側通行になったとされています。
■法令で決まった着物のマナー右前~左前にならないために
逆に、法律が根強く反映したものとして着物のマナーがあります。
奈良時代の719年に出された「衣服令(えぶくりょう)」に遡るといわれています。
法令の中にある「初令天下百姓右襟」という一文です。
「庶民は右前に着なさい」とされ、これ以降、着物を右前に着ることが定着したものと考えられています。
自分から見て(手前といいます) 左右どちら側の布地を先に自分の肌に密着させるかという意味で、右前なのです。
ですから、「左前」は死に装束ですし、会社が左前になるという言葉もあります。
ちなみに、和服が男女とも「右前」に対して、洋服は男用が右前、女用が左前です。
以上、押さえるべきところはきちんと押さえて、いざというときに頼もしいのが”雑食系”の特徴です。