伝統は大切にしなければならないが
最善は時代とともに変化する
玄白で使用している漆器は
全て越前漆器だ
以前のブログでも書いたが
越前漆器は1500年の歴史があり
代々の天皇の冠の製作を任せられる技術と
「漆かき」という採取技術にも優れ
越前衆と呼ばれる集団が日本全国の漆の
半数以上を支配していた

徳川幕府が
日光東照宮を建造する際も
大量の漆を確保する為に越前衆を頼ったそうだ
オープン当初の玄白では
木製生地に漆を塗った
昔ながらの本物の越前漆器を使用していたが
従業員がその価値に気づかず
洗浄機にかけてしまい

最終的には、
「洗浄機を使える器にして欲しい…」
という声に応えるように
プラ樹脂に漆を塗った
越前漆器に全て入れ替わった

器も料理のうち
が私のもっとうだが
現場の効率も無視するわけにはいかない…
現在の店ではこれが最善策と
しぶしぶ受け入れた

鰻業界もいろんな変化が起きている
なんて話も
まったく関係なくなり
「裂ける人がいないんで
裂いて納品してください」
昔では考えられないが
今ではこんな事は当たり前のように言われる
全国に拡大中の話題の鰻屋さんは
蒲焼きの状態で納品し
焼きもバイト任せ…

そんなの鰻屋じゃないわ!
なんてことを言いたいが
世の中に受け入れられているのが現実

最近もっと驚いたのが、
鰻は注文が入ってから裂き
素早く少し動くくらいの状態で焼くのが
一番旨いというのが業界の常識だったが
神経絞めで有名な魚調理の専門家に聞くと
生きた状態で裂いて骨と内臓を取り除き
氷温で1日から2日寝かせた方が
熟成し旨味成分が増し美味しいとか…

それが本当なら、
現在の酸素や水を入れて
生きた状態での流通は必要がなくなり
大幅なコストダウンになるのは間違いないが