やりたい事をする前には

やらなくちゃいけないことがある





「やりたい事を見つけたので

仕事を辞めます!」


「何をするの?」


「笑わないでくださいよ。

○○です!」


「おー!

それ、俺もやってみたいんだよな」






しかし私は手放しで喜べなかった






なぜなら彼女には家族があり

小さい子供がいて共働き






子供が小さいうちは

行事や突然の発熱などで仕事を休みがち…

その辺を考慮してもらえることで

前職についていた






しかし今度の職業は 

とてもそんな対応が出来る仕事ではない






「家族は賛成してくれてるの?」


「はい!

やりたい事なら応援すると

言ってくれました。」







私は心配になり

あえて苦言を呈した







「今は子育てを中心に考えた方がよくない?」







「母親と同じ事言うんですね…

私は母親みたいになりたくないんです。」


「どういうこと?」


「母子家庭で

母親はずっと働きっぱなしだったんです。

だから好きなことが何も出来なかったと

私にぼやくんですよ…

だから私はやりたい事をやるんです」






私は自分の母親の姿が

頭に浮かんだ

(イメージ)






私も小学生で母子家庭になり

母親はいつも働き詰めだった







学校が長期の休みに入ると

わずかな昼休みに戻ってきて昼食をつくり

一緒に素早く食べ

「10分だけ横にならせて」

と身体を休めて再び職場に戻って行った








そんな母親も歳をとり

彼女の母親にようにぼやく時がある


「お母さんもいろいろやりたい事あったよ」





 


そんな母親に対して

私は感謝の気持ちしかなく

自然とそんな母親に似た

子供の為に働き詰めのパートナーを選んでいた







「どんな形でもあなたを育てあげ

やるべき事をした立派なお母さんだよ。

そんな風に否定するのは良くない。」







彼女のやりたい事には資格が必要で

さらに研修期間も必要


「給料や研修のことは確認したの?」


「いいえ、これからです。」


「えっ!もう仕事辞めたんだろ?

順番おかしくないか?」







私は唖然とした…

「それって、

逃げてる(前職から)だけじゃない?」


「違います!」







やりたいこと

その前には必ずやるべきことがある









ましてや家族があるなら

自分だけじゃなく家族全体で

やるべきことがたくさん出てくる








最終的には
同じバランスを保つことが理想的だが
なかなか難しいのが現実…








3つの輪が重なる部分が
天職(安定)




大谷翔平さんにとって野球はまさに
天職だが
彼も同じようにやりたいことだけで
成り立っているわけではない





彼は常に
やれること
を追及し
やるべきこと
を徹底している






扶養されているうちは
この三つのうちの
どれか一つ、あるいは二つでも
成り立つかもしれないが






社会に出れば
三つのバランスを考えなければ
いつまでも生活は安定しない







やりたいことをするということは、

同時に
やるべきこと、やれることを
することだ