「刑事さん!産地擬装ってどういうことだ!俺はそんな事やっていない!あんた達、家宅捜査で全て持って帰っただろ!ウチの帳簿は完璧だ!見ればすぐわかるはずだ!」

「まあまあ、社長落ち着いて。やってるかやっていないかは今から調べることだから。メディアの報道のやり方を私達に文句言われてもどうしようも出来ないでしょう。」


刑事は、嘲笑しながら答えた。




私の身体は怒りで震えていた。





「社長。これから2つの容疑について調べます。先ずは、食品衛生法違反について。その次に不正競争防止法違反、つまり産地擬装について調べます。ただし、調べを進めるうちに別の容疑が浮上し、別件逮捕ということもあります。」




私は、刑事の話を聞きながら冷静さを取り戻すことに意識を集中し大きく深呼吸をした。




私は、刑事の質問に対して自信を持って答えていった。
今は、真実を話し無実を証明するしかないと腰を据えたのだ。


私が答えたことを、刑事がパソコンで記録していた。



2時間ほどの取り調べが終わり、最後に刑事が記録した文章を印刷し、私に確認をするように進めた。




私はそれを見て驚愕した。



あれほどはっきりと答えてきたのに、文章の語尾が「…やっていないと思う。」「はっきりと覚えていないが…」「指示したような気がする。」
のように曖昧な表現になっていたのだ。





「こんなこと言ってないだろ!私はYes Noはっきりと答えている!こんな汚いことするのか?」

「そうでしたか?」


刑事はとぼけたフリをした。




私は、その場で文章を添削した。





「この通り打ち直しをしてくれ!直さないならサインはしない!」






二人の刑事は顔を見合わせ、しぶしぶ打ち直しをした。
私は再度プリントアウトされた文章を何度もチェックし、サインと拇印を押した。




もし、私に文章のニュアンスを感じとる能力が無ければ、そのまま検察官へ文章が渡され、全く違う印象を与えたに違いない。




改めて警察という組織の恐ろしさを感じると同時に、私はこれから続く戦いへ決意を新たにした。